「成功者は早起き」は本当? 真にパフォーマンスを引き上げる生活リズムとは

「成功者は早起き」は本当? 真にパフォーマンスを引き上げる生活リズムとは

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 早起きに関する検索をしてみると、「早起きは健康にいい」「午前中は集中力が高い」「朝活は効果が高い」など、メリットは数多く出てくる。また、「成功している企業のCEOは早起きである」という話もよく聞く。たとえば、アップルのCEOティム・クックは朝4:30に起きて部下にメールを送るし、スターバックスのCEOハワード・シュルツも朝4:30に起床して会社に出社する。

◆始業時間は10時にすると生産性が高まる

 これらの事実をもとにした、「早起きは成功者に共通した要素であり成功の秘訣である」という記事や本をよく見る。しかし、近年の研究で、これらの常識が覆されていることを知っている人はまだ少ない。

 実は、特定の条件の下で早起きをすると、寿命が縮まったり、集中力が下がったり、心の病気にかかるリスクが高まるなど、ネガティブな影響を受けてしまう可能性があるのだ。

 オックスフォード大学の臨床神経科学の権威、ポール・ケリー博士は人間の体内時計に基づいて、もっとも高いパフォーマンスで仕事を始めれる時間を特定した。それが、「始業時間10:00」だ。

 あなたの会社の始業時間は何時だろうか? 日本の多くの会社の始業時間は9:00。または、その前後30分である。この研究に基づくと、日本人の始業時間は1時間ほど早すぎる。

◆起床後2時間からやる気が上昇

 博士も論文内で、世の中の仕組みと体内時計の仕組みにギャップがあることを指摘している。

 博士の実験では、8:00〜17:00で働いたグループと10:00〜19:00で働いたグループで、仕事のパフォーマンスを比較したところ、8:00から働いているグループのほうがパフォーマンスが低いことがわかっている。

 また、起床後2時間かけて、人間は急速にやる気が高まっていくこともわかっている。なので、8:00に起床して、朝食や身支度を済ませて、10:00には始業できるように準備するのが最適なスケジュールだと考えられる。

 睡眠時間を確保したいからと、ギリギリまで寝て急いで身支度をすると、やる気が高まる前に仕事に取り組むことになるため、ポジティブな気持ちで仕事に向き合うことができないだろう。

◆21時以降はやる気が低下

 しかし、首都圏に住む多くのビジネスマンは、このやる気を高める時間帯に満員電車や渋滞によって、やる気を高めるのを阻害されているのではないかと筆者は考える。この2時間を、ストレスなくやる気を高めるために使いたいならば、少し早めに近くのカフェで本や新聞を読むのも有効だろう。

 

 ちなみに、本研究で10:00〜21:00までは、やる気を維持できるが、21:00から就寝時間までにかけて、人間のやる気が一気に下がっていくこともわかっている。集中して仕事をするならば、21:00までとしておきたい。

 睡眠時間においても、最適な睡眠時間は8時間前後と言われてるなかで、日本人の平均睡眠時間は7時間と短い。パフォーマンスを高めるためには、十分な睡眠が重要だ。

 8時間は一種の目安であり、自分にとって最適な睡眠時間や起床タイミングを特定する必要がある。筆者はApple Watchの睡眠トラッキングを使って、睡眠の質や最適な起床時間についてデータを収集して、生活習慣を見直している。

◆睡眠も計画的に管理するべき

 そもそも、ショート・スリーパーは遺伝的なものであり、全人口で1%しか存在せず、トレーニングで身につくものではないという研究結果がある。昔からショートスリーパーの人はそれが当たり前であり、「俺は3時間しか寝なくていいんだ」と自慢する人は、間違いなく慢性的な寝不足でパフォーマンスが低い。慢性的な睡眠不足は、感情的になったり集中力や生産性が下がる可能性が高いのだ。

 長時間起きられるよりも、限られた時間のなかでハイパフォーマンスで働いて、倒れこむように就寝するほうが心の健康にも生産性面においても健全ではないだろうか。

 ここまでの実験結果をまとめると、以下の生活リズムが最適だと考えられる。

 08:00 起床

 10:00 始業

 18:00 終業(遅くても21:00)

 00:00 就寝

 あなたの生活習慣はどうだろうか?

 今後、AIが進化していくなかで、生産性やクリエイティビティが求められるようになる。そのときに、今の働き方が本当に脳にとって最適なのかは考え直す必要がある。

 フルフレックス制度や在宅勤務が適用されている職場なら、満足するまで寝るのではなく、脳に合わせた働き方に関する情報を得て実践していただきたい。

【参考資料】

『When Should We Start Work? Circadian Sociology Analysis of the Conflict Between Biological and Social Time』Paul Kelley

【山本マサヤ】

心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。●公式ホームページ ●Twitter:@3m_masaya ●Instagram:@masaya_mentalist

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