ビジネスの現場で初対面の相手とは何を話せばいい? 世間話や冗談で和ませられるのは上級者だけ

ビジネスの現場で初対面の相手とは何を話せばいい? 世間話や冗談で和ませられるのは上級者だけ

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 相手との対話の口火を切るときに、世間話をしたり、冗談を言って相手の気持ちを和らげようとしても、いったいどのように話せばよいか見当がつかなかったり、話そうとしてもスムーズにいかないことが多いものだ。

◆聞き手のもやもやした気持ちを払拭する

 相手の気持ちを和らげるということは、相手の不安を払拭するということだ。世間話や冗談を言うかわりに、より簡単な方法で、相手の不安を払拭できる方法はないだろうか。

 聞き手が話し手に対してもつ不安のなかで、「いったいこの話し手とは、以前、どこで会っただろうか」「この前、この話し手とは、何をしただろうか」ということがはっきりわからなくて、もやもやしたままいるということは結構多い。話し手がそれに対して何の対処もせずに話を始めてしまうと、聞き手は、そのことが気になって、話し手の話が耳に入ってこないということになってしまう。

 そこで、聞き手との間の以前のやりとりを話せば、相当程度、聞き手の不安を払拭することができる。「ああ、確かに、あの会合でご一緒したのだな」「前回は、あの場所でミーティングを持ったのだな」ということがわかって、落ち着いた状態になるので、聞き手の関心度、集中度を高いレベルにしてから対話を開始することができるのだ。

◆初対面の聞き手への口火の切り方

 では、聞き手が初対面のときには、どうすればよいのだろうか? 相手との以前のやりとりを話すといっても、そのやりとり自体がない場合だ。

 そんなときには、相手とのメールや電話のやりとり、相手の会社とのやりとり、相手の知り合いとのやりとりというように、「相手とのやりとり」というものを分解していって、直接的なやりとりから間接的なやりとりへ拡大解釈の幅を広げていき、その内容を話せばよい。

 身につけたいスキルをパーツ分解していくと、スキルを向上させやすくなるのだ。これが、本連載のテーマにもなっている分解スキル反復演習の考え方だ。

 たとえば、「前日は突然お電話させていただいたにもかかわらず、本日の面会のお時間をいただき、ありがとうございます」というように、電話などのやりとりに触れるということは一方法だ。

「秘書の方と連絡を取り合わさせていただき、お時間をいただきました」というように、相手の会社の他の人とのやりとりに触れることも、相手を安心させる。

「○○さんにご紹介いただき、お目にかからせていただき嬉しい限りです」という内容は、相手の知り合いとのやりとりだ。「御社の製品をいつも使わせていただいています」という内容も、相手の会社とのやりとりになる。

 話し手からみると、そんなことは聞き手がわかっているはずだと思うこともあるかもしれない。しかし、意外にも、聞き手はわかっていなかったり、わかっていても漠然としていたりして、それが不安の種になっていることは多い。

 それに、聞き手がわかっていたとしても、対話の最初にあらためて話し手から伝えることで、「ああ、たしかにそうだったな」「そういう経緯だったな」ということを再確認できて、聞き手の安心度が高まることは間違いない。

◆反復しやすいものがスキル向上の早道

「相手との対話の口火を切るには、世間話や冗談を言えばよい」ということが、まことしやかに言われるが、実は、世間話や冗談を言うことは、難易度が高い。その人に合った世間話は何なのか、何の世間話をするか、世間話をどのように構成するか、世間話を一から組み立てなければならないからだ。また、世間話から、本論へのつなぎも難しい。

 その点、相手との以前のやりとりを拡大解釈していった内容は、強弱はともかく、相手との接点がある内容なので、相手を引きつけやすくなる。加えて、以前の話から本日の話、相手の会社との設定から相手との話というように、本日の相手との話へつなげやすいという利点もある。

 実は、巷で言われているビジネススキルを向上させるための方法には、難しいものが多い。難しく考えずに、分解スキルを見極めて、反復演習することが、スキル向上の早道なのだ。初対面の人と話すことが苦手だと思っている人は、是非、試してみていただきたい。

質問:初対面の人と話の口火を切れない

 世間話をするかわりに、以前やりとりした内容を話すといっても、初対面の人とは、どのように話の口火を切ればよいのでしょうか? それがわからないので、初対面の人と話ができないのです。

回答:今日に至る背景を話す

 会うことになった背景を話すと、初対面の人でも引きつけやすくなります。「先日アポイントメントをとらせていただきました」「○○さんからご紹介いただきました」というように話します。これも、会うことになった背景です。

 アポイントメントや紹介ではない、突然会うことになった場合には、「突然お会いすることになりました」「偶然お会いできて、嬉しいです」というように、そのとおりの状況を伝えればよいのです。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第135回】

【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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