留学生大量失踪の東京福祉大学、突然の必修科目変更で戸惑う日本人学生 進路変更を余儀なくされた人も

留学生大量失踪の東京福祉大学、突然の必修科目変更で戸惑う日本人学生 進路変更を余儀なくされた人も

photo by Waka77 via Wikimedia Commons(Public Domain)

 大量の留学生が失踪し、話題になった東京福祉大学。(参照:”留学生大量失踪の東京福祉大、元教授が緊急会見。元総長が「120億のカネが入るわけだよ」と会議で発言。金儲けのために留学生受け入れか”-HBOL)同大が2018年度に突如、公務員試験の対策を行う授業を卒業のための必修科目に加えていたことがわかった。多くの学生が急なカリキュラム変更で就職活動に割く時間を奪われ、中には進路変更を余儀なくされた学生もいるという。

 井上裕史弁護士は学生たちからの訴えを受け、今年4月22日付けで大学に変更の取り消しを求める通知書を送った。

◆「突然の変更で、学生たちは悲鳴を上げています」

 井上弁護士が、同大の藤田伍一学長に送った「御通知書」によると、4年生が入学した2016年度、卒業に必要な単位数は教育学部124単位、社会福祉学部128単位、心理学部124単位だった。「キャリア開発演習」を含む「キャリア開発教育科目」は、いずれの学部でも選択必修にすぎなかった。

 しかし2018年4月に大学は突如カリキュラムを変更。3学部において、「キャリア開発演習T」、「キャリア開発演習U」が必修となった。しかも通常の授業は15コマで2単位と定められていたにもかかわらず、2018年度の「キャリア開発演習T」は30コマで2単位、「キャリア開発演習U」は77コマ(週7コマを11週)で4単位にしかならなかったという。

 同大に通う4年生の学生は、「突然の変更で、学生たちは悲鳴を上げています」と話す。

「突然、必修科目を増やされてとても困っています。仕方なく履修しましたが、週に7コマもの授業に出なければならず、とても大変です。しかも教科書を3冊も買わされ、それを学生たちが代わる代わる音読するだけの授業です。私は公務員試験を受けないので、この授業に出る意味はありませんし、もし試験を受けるのだとしても、この授業は何の役にも立たないのではないでしょうか」

 また学費や生活費、就職活動のための費用をアルバイトで賄っている学生たちも、バイトの時間が削られて困っているという。

◆カリキュラムの変更で保育士の資格取得を諦めた学生も

 さらにはカリキュラム変更で進路を変更せざるを得なくなった学生もいる。前出の学生はこう続ける。

「私の友人は、保育士の資格を取るための授業と『キャリア開発演習』の授業が被ってしまい、担任に『キャリア開発演習』を優先するよう言われてしまいました。その友人は保育士の資格を取るために勉強を続けてきて、実習に必要な費用も支払っていたのに、資格の取得を諦めざるを得なくなりました」

 4年生の別の学生も「就職活動に使える時間が減って困っている」と訴えている。「授業には3分の2以上、出席しなければなりません。就職活動と履修の両立が非常に難しいです」。

◆「背景には中島恒雄・元理事長の意向が働いている」と推測する教員も

 また同大の現役運営幹部によると、大学は学生たちに公務員試験を受けさせるよう、教員に要請しているという。

「学生の担任をしているアカデミックアドバイザーたちは、受け持ちの学生に公務員試験を受けさせるよう大学から求められています。試験を受けない学生については、その理由を聞き取って教務課に報告しなければならないことになっています」

 要するに、東京福祉大学は、公務員試験の授業を突如必修科目とし、学生たちが試験を受けるように持っていってるのだ。なぜなのか。前出の運営幹部は、こう推測している。

「東京福祉大学は、留学生の失踪で悪評が立ってしましました。学生に公務員試験を受けさせて、就職率をかさ上げし、名誉挽回するとともに日本人の学生を増やしたいのではないでしょうか。背景には、元総長である中島恒雄氏の意向が働いていると思います。大量の留学生を拙速に受け入れ、お金儲けをしようとしただけでなく、今度は就職率を上げて評判を上げようとしているのでしょう」

 中島恒雄氏は、収入の確保を狙って、留学生の大量受け入れを主導したとされている人物だ。今回も学校の評判を回復するため、学生たちの都合とは無関係に、半ば強引とも言える手法で公務員試験の合格率を上げようとしている可能性があるという。

◆「教育学部でも選択必修に戻してほしい」

 4月22日付の通知書が送付された後、大学側は条件付きで「キャリア開発演習」を選択必修に戻した。社会福祉学部と心理学部の学生で、保育士の資格や養護教諭一種免許状などの資格や免許を取る学生は、必ずしもキャリア開発演習を履修しなくてもよくなったという。

 ただし教育学部の学生については、キャリア開発演習が必修のままとなっている。前出の学生は、「全ての学部で『キャリア開発演習』を選択にしてほしいです。また15コマ2単位に統一してほしいですし、授業の内容も改善してほしい」と話していた。

<取材・文/HBO取材班>

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