ついに「CHIKAN」を国際語にした日本の男尊女卑文化<モラ夫バスターな日々15>

ついに「CHIKAN」を国際語にした日本の男尊女卑文化<モラ夫バスターな日々15>

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◆弁護士・大貫憲介の「モラ夫バスターな日々<15>

「証拠あんのかよ」

 浮気を疑われ、30代の夫は、開き直った。

 子どもができるまでは、優しい夫だった。仕事が終わると、真っすぐ帰宅し、夫婦仲はよかった。週末は、一緒に買い物に出かけ、掃除や洗濯も手伝ってくれた。

 それが、子どもができてから変わった。残業や休日出勤が多くなり、時折、地方出張もある。

 取引先の接待も増えてきた。接待中は、自宅への電話もできないという…………

◆女性蔑視は、他のハラスメント、性加害に通じる

 モラハラ、セクハラ、痴漢、風俗その他の性加害は、同根だろう。女性を蔑視し、消費、所有の対象と考えるが故に、性加害に至ると考えられる。

 さて、斉藤章佳氏の著書「男が痴漢になる理由」(イーストプレス)によると、痴漢常習者は、痴漢してもいい理由の一つとして、痴漢冤罪の存在を挙げるという。また、自分のしたことを悪いと思っていない。

 斉藤氏の知見は、私の数少ない痴漢刑事弁護の経験とも一致する。日本では、7割程度の女性に痴漢被害、1割程度の男性に痴漢加害の経験があるとの調査も存在する。外国人女性の多くが、日本の最も残念な点として、痴漢問題を指摘する。カナダ政府は、日本への観光客に対し、痴漢に対する注意を喚起している。<参照:カナダ政府>

◆日本居住歴が長い外国人男性も、痴漢に走るようになる

 ところで、痴漢加害者の治療に携わっている斉藤氏や、刑事弁護を担当する弁護士の経験、知見からは、痴漢の原因は、性欲というよりも、女性を支配することにより得られる満足と考えられる。

 また、日本在住が長くなると、一部の外国人男性は、電車で痴漢するようになる。私も、欧米出身者、アジア全域など、多様な出身国の外国人男性の痴漢弁護の経験がある。なぜ、日本で痴漢が多発するのか。それは、日本の社会的文化的規範に問題があるからではないか。痴漢経験のない外国人男性が日本で痴漢を覚えるのも、それが、日本の「文化」だからではないか。

 以上、痴漢には、支配欲や認知の歪みがみられる。痴漢擁護者/応援団も、痴漢を被害者の問題(例えば、短いスカートが原因など)と捉えるなど認知が歪んでいる。

 モラ夫にも支配欲、認知の歪みがみられる。モラ文化擁護者/応援団も、モラハラを被害妻の問題(例えば、妻が夫を尊重しない、立てないから夫が怒るなど)と捉えるなど認知が歪んでいる。つまり、モラハラと痴漢には通底するものがある。

 より広く、DV、モラハラ、セクハラ、痴漢、不貞、風俗等性加害には、共通性があり、同根と考えられる。その根とは、男性を支配者、女性を従属者と捉えるモラ文化である。

◆モラ夫ほど、不貞が多い

 さて、冒頭の男性に戻ろう。「証拠あんのかよ」は、やましいことを自白しているに等しい。

 不貞しているかどうかは、夫自身が知っているので、わざわざ証拠の有無を聞く必要はない。それを確かめようとする意味は2つ。@、証拠の有無を確かめ、シラを切れるかどうか考える。A、決定的証拠もないのに疑うなと妻をけん制するためである。

 冒頭の夫は、飲み会や取引先の接待のはずなのに、しばしばシラフで帰宅する。「地方出張」の場合、尋ねても、誤魔化して、宿泊先を教えない。以前は忘れなかった帰るコールをして来ない上に、電話をかけても出ない。夜遅くや朝早く、「上司」から電話があり、突然の「休日出勤」を言い渡されて出かける。

 ここまで怪しいと、妻がスマホを点検するのも当然だろう。夫のスマホからは、女性と二人きりで仲良さそうに映っている写真データが数点出てきた。観光地に遊びに行ったらしい。妻が、ツーショットについて問い質すと、「お前、俺のスマホを勝手に見たのか。プライバシー侵害だ」と怒り出す。

 挫けずに追及すると、高校の同窓会で、2人切りではなかったという。同窓会の他の出席者の写真を見せてというと、夫は、妻の肩を掴み、真直ぐに妻の顔を見ながら、「俺の目を見ろ、信用しろ」と言った。

 この夫は潔白か? 同窓会は本当か?

 離婚や不貞の事例を30年間扱ってきた経験から、私は、断言できる。100%に近い確率で、同窓会は嘘であり、ここまでの嘘をつくのは、その女性と不貞しているからである。

 この男性は、妻に君臨するモラ夫であった。多くのモラ夫は、チャンスがあれば、不貞し、風俗に通う。それは、女性を消費対象とみるからであろう。

◆「何度謝ればいいんだ」モラ夫は必ず逆ギレをする

 そして、不貞が否定しきれなくなると、モラ夫は、怒り、妻に責任転嫁する。

 「俺の苦労も知らないくせに」と怒り、はぐらかそうとする。「俺が浮気したとしたら、お前に魅力がないからだろ」と自らの不貞の責任を妻に転嫁する。

 モラ夫の一部は、「悪かった」と謝り、「二度としない」と約束することもある。しかし、多くの場合、この謝罪は、表面的、形式的なもので、心からの反省ではない。謝罪した後に、不貞問題にまた触れると、「何度、謝らせるんだ!」と逆切れするのは、心からの反省がないからに外ならない。そして、遅かれ早かれ、浮気は再発する。

◆世界に悪名とどろく、日本のモラ夫

 現在、先進国において、結婚・恋愛相手として、日本男性の評判は悲惨らしい。確かに国際結婚の相手国は、日本男性は、東アジア、東南アジアが断トツに多いが、日本女性は世界中の国の男性と結婚している。<参照:

”男性の国際結婚はアジア妻が8割、女性の相手国は多様”−Nippon.com>

 「Chikan」が国際語になり、日本における性加害が広く世界に知られ始めている。観光客が増えているので、さらに周知のこととなろう。強姦犯人が捕まらなかったり、無罪が相次いだのも記憶に新しい。そして、日本男性が、驚くほどの男尊女卑(モラ夫)であることも、世界に知られている。

 日本が、モラ文化を断ち切り、悪評を返上しない限り、日本に将来はない。

【大貫憲介】

弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし〜モハメッド君を助けよう〜』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中

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