若手が憧れるのは「スマートなビジネスパーソン」? そのイメージを分解すると浮かぶ共通項

若手が憧れるのは「スマートなビジネスパーソン」? そのイメージを分解すると浮かぶ共通項

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 スマートなビジネスパーソンになりたい……。筆者が実施しているビジネススキル演習に参加してくる若手のビジネスパーソンに、参加理由を聞くと、このような答えが返ってくることが多い。

◆日常から「BIGPR」を使いこなす

 若いビジネスパーソンに、スマートなビジネスパーソンのイメージを聞くと、「もたもたしていない」「鈍くさくない」「世の中には何を言っているのかわからない人が多いが、そうではない」「相手を引きつけることができる」という意味だという。

 そうしたスマートなビジネスパーソンの言動を分解していくと、相手に語りかける最初の段階から、普通のビジネスパーソンとは違っていることがわかった。背景(Background)、自己紹介(Introduction)、目的(Goal)、所要時間(Period)、相手に期待する役割(Role)……。それらの頭文字をとった「BIGPR」の要素を組み込んで語りかけているのだ。

 それも、会議やプレゼンテーションといった大勢を前にしたオフィシャルな場面だけではない。一対一の面談でも、あるいは、そうしたかしこまった場面だけでなく、日常の対話でも、プライベートな会話でも、様子を大きく変えることなく、BIGPRを繰り出している。こうしたさまざまな場面の言動が、その人のイメージをつくっているのだろう。

◆所要時間や相手に期待する役割をはじめに伝える

 BIGPRを繰り出すと、なぜスマートさを発揮できるのだろうか。それを考えるには、BIGPRを繰り出さないケースを思い起こしたらよい。会議の進行役が、背景や目的を伝えないでいきなり「意見を言ってください」と言い出したら、「今日の会議が開催された背景はなんだっけ?」「目的は何だったかな」ということが気になって、会議に集中できない。その進行役は程度の差こそあれ、強引で乱暴な人だという印象をもたれてしまう。スマートさとは真逆の印象だ。

 一対一の対話で、所要時間を伝えないで話し始めてしまうと、「いったいいつまで話すつもりなのだろう」「次の会議に間に合うだろうか」というように不安な思いのままで対話をすることになるので、話に集中できない。ひいては、時間管理ができていない、時間管理をしようとしない、ずぼらな人だという、スマートさとはほど遠い印象をもたれてしまう。

 「ざっくばらんに対話しよう」とか「アイデアを出し合おう」とか「お互いの意見を交換しよう」というような、相手に期待する役割を伝えないで話を始めてしまうと、どのようなつもりで対話に参加したらよいかが相手に伝わらないまま、相手の参画意欲を低下させてしまい、対話の目的が実現できなくなる。結局、相手を巻き込めず、ビジネスパーソンとしてのスキルを発揮できないことになってしまうのだ。

◆重要なのは会話の基本構造を掴むこと

 このBIGPR、多数のメンバーとの会議での話法と、一対一の対話での話法は異なるし、オフィシャルな会話とプライベートでの会話でのフレーズも異なる。しかし、BIGPRで基本的な構成を組み立てて話すだけで、相当程度、相手を引きつけることに役立ち、スマートな振る舞いを発揮することができる。

 「スマートなビジネスパーソンになれ」と100回唱えることよりも、むしろ、一度も唱えなかったとしても、BIGPRというひとつのスキルを繰り出すことを身につければ、結果としてスマートなビジネスパーソンになれるのだ。

 「100回のかけ声よりも、ひとつの分解スキル反復演習」……。これが、ビジネススキル向上の秘訣なのだ。

◆さまざまな場面に応用できる「BIGPR」

 質問:BIGPRはどんな場面で活用できますか?

 BIGPRは、どのような会話の場面で、活用できるのでしょうか? 一対一の面談や商談だけでなく、会議や立ち話などでも使えるのでしょうか?

 回答:さまざまな会話の冒頭で活用できる

 BIGPRは、一対一の面談や商談だけでなく、一対多数でプレゼンテーションをする場合、会議の進行をする場合などでも活用できます。さらに、すれ違いざまの立ち話、電話、メールでのやりとりなど、さまざまな場面の冒頭で活用すると相手を引きつける効果があります。

 たとえば、進行役が会議でBIGPRを行うと、「いったいこの会議はどういう背景で開催されたのだろうか」「この人はどういう人なのだろうか」「目的は何だろうか」「いったいどのくらいの時間 を予定しておけばよいのだろうか」「参加者である自分は何をすればよいのだろうか」という参加者の疑問を払拭することができます。参加者に安心してもらうことができるので、会議の参加者を引きつけやすくなるのです。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第139回】

【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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