妻を召使いのように扱う夫は、死を望まれていると心得よ<モラ夫バスターな日々17>

妻を召使いのように扱う夫は、死を望まれていると心得よ<モラ夫バスターな日々17>

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◆弁護士・大貫憲介の「モラ夫バスターな日々<17>

 離婚の法律相談に来た妻(30代)は、大粒の涙をこぼしながら、

「(あんな旦那)死ねばいいのに」と声を絞り出した。

 さて、法律事務所にくる相談者は、ある程度、離婚したい気持ちが高まってから来る。それでも、離婚に踏み切れない妻たちは多い。どんな横暴な男であっても、子の父親として必要なのではないか、離婚後の経済的な不安、周囲の反対、離婚「裁判」に対する不安、さまざまな思いに妻たちは悩む。

 しかし、ここ10年、支配され、抑圧された妻たちが抱く思いには大きな変化があった。前回、ご紹介したとおり、この12年間で、中高年のセックスレスが倍増し、約7割となった。

◆「今すぐ死んで欲しい」と毎日思っている

 2015年に始まったサイト「旦那デスノート」は、「夫に今すぐ死んで欲しい。毎日思っている。」を標語に掲げ、これに共感する妻たちが、旦那を呪う言葉を日々投稿している。(旦那デスノート)

 例えば、自分をメイド扱いする夫への恨み、仕事、風呂、メシ、寝るだけの「自分のことだけしかしない(夫の)生活態度」に呆れ、今すぐ死んでくれ、事故死を望むなどの投稿が並んでいる。夫の歯ブラシで便器を掃除するとの投稿や油こい、塩辛い食事を用意する旨の投稿もあった。これらの投稿内容が決して笑えず、軽視できないのは、ここに投稿しない妻たちの相当な割合が、この投稿内容に共感すると思われることである。

 ツイッターでは、モラ夫たちは、モクソ、クソ旦那などと呼ばれ、クソ旦那に対する恨み、つらみが綴られることも決して少なくない。

◆「夫は早く死んでしまえばよい」が55%

 旦那デスノートやツイッターでの妻たちの恨みの言葉は、ときに過激ではあるが、モラ夫からされていることを丹念に見ていくと、決して、特殊な事例ではないことがわかる。

 妻たちは、メイド扱いされ、日々ディスられ、怒鳴られる。夫たちは、家事、育児を分担せず、自己中心的に振舞う。夫たちは全く反省せず、全てを妻に責任転嫁する。このような振舞いは、日本のモラ夫たちのいわば「標準的言動」であり、何ら特殊なものではない。

 「夫源病」の命名者で医師の石蔵文信教授のアンケートでは、離婚を考えている妻は「しばしば」が42%、「たまに」が41%で計83%。「経済的な心配がなければ離婚するか」で、「今すぐ」「近い将来」を含め63.7%。また、「早く夫が死んでしまえばよいのにと思ったことがある」が55%とのことである。

(離婚したい妻83%も? 「夫源病」命名者が講演 世のお父さん注目のデータ)

 石蔵教授のアンケート結果は、私の弁護士としての経験、知見とも一致する。多数の妻たちは、離婚に踏み切れないまでも、心の中では、離婚を希望している。そして、密かに夫との死別を望んでいる。旦那デスノートによると、死に方としては、事故死が一番良い。看病しなくてよいし、事故死特約があれば、生命保険金が倍額出ることもある。

◆モラ夫被害者である娘と旧世代の母の価値観がぶつかったが……

 私の事務所に離婚の相談に来た40代の女性は、離婚したいが決心できないと言う。親が反対するらしい。女性は、憔悴しきっており、日々モラハラを受けている苦しみが顔に出ていた。

 離婚手続きの概要、離婚条件の相場等を説明し、ご自身が幸せになることが何より一番であり、子どもたちもお母さんの幸せを望んでいるに違いないと励ました。女性は、大粒の涙を流し、離婚したい思いでいっぱいになったが、決心がつかず、帰っていった。

 数か月後、同じ女性の相談が入った。相談室に入ると、70代の女性が横に座っていた。女性が、離婚に反対している母親を連れてきたのだ。

 母親は、「(夫も)そんな悪い人ではない」「(娘は)もう少し我慢できるのではないか」と次々に疑問をぶつけてきた。

 母親が育ってきたモラ文化、内在的価値観と娘の決断が矛盾し、悩んでいるのだった。私は、娘さんの受けている精神的ダメージが深刻であること、これがこのまま続くと、心身症が悪化すること、母親である女性が幸せになれなければ、お孫さんも決して幸せになれないことなどを説明した。最後は、女性の母親も、納得し、離婚を応援する約束をしてくれた。

◆「日本の男は厳しいから大変だよ」と中国人妻は語る

 私の事務所に相談に来た、日本人と結婚した中国人の中年女性が、しみじみと言った。

 「中国人は妻を甘やかすけど、日本の男は本当に厳しいから、国際結婚たいへんだよ」

 私の知る限り、中国男性たちのモラ度も相当なものだが、中国人女性からみると、日本男性のモラ度は、それよりも更に、高いということだろう。

 繰り返すが、日本のモラ夫たちに対する妻たちの怨嗟の声は決して特殊な夫婦の問題ではなく、一般的な夫婦に存在している問題である。女性の権利意識の高まりや、「(女性たちが)我慢しなくなった」こととも関係はあるとは思う。

 しかし、そこが本質ではない。以上に述べた深い闇の根本的な原因は、モラ夫たちの理不尽で、自己中心的な振舞い、内在的価値観(モラ文化)にある。

 何度でも言う。日本のモラ文化を断ち切り、モラ夫たちが改心しない限り、日本は沈み、不幸になっていく。

【大貫憲介】

弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし〜モハメッド君を助けよう〜』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中

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