妻に加害するモラ夫予備軍は、結婚前の性的行動で判別可能<モラ夫バスターな日々18>

妻に加害するモラ夫予備軍は、結婚前の性的行動で判別可能<モラ夫バスターな日々18>

妻に加害するモラ夫予備軍は、結婚前の性的行動で判別可能<モラ夫バスターな日々18>の画像

◆弁護士・大貫憲介の「モラ夫バスターな日々<18>

 婚活パーティーで知り合い、初めての男女関係を結んだ日、避妊をお願いしたところ、男性(30代)は、真顔で、「俺、真剣だから(避妊しない)」と答えた。

 真剣だとなぜ避妊をしなくてよいのか、なぜ女性(30代)の意向が無視されてしまうのか、全く意味がわからなかったが、既にベッドの上で、その場の勢いで女性は押し切られてしまった。

 結局、妊娠し、結婚したが、一緒に暮らし始めたとたん、彼にモラスイッチが入り、何でも、妻に命令するようになった。共働きだったが、夫は家事、育児を一切せず、完全なワンオペだった。結婚しても何のメリットもなく、一方的にお世話を要求され、威張って命令する「ご主人様」を得ただけだった。

 「結婚とは何か」を理解するのに時間はかからなかった。1年もたたずに、結婚願望は、きれいさっぱり消えた。そして、彼女は私の事務所に相談に来た。

◆周囲に被害を相談しても「好きで結婚したんでしょ」と一蹴される

 被害妻が、夫からのモラ被害を周囲に相談すると、「(そんな彼を)好きで結婚したんでしょ(だから我慢しなさい)」と毒バイス(相談者に猛毒を与える、有害なアドバイス)を受ける。結婚後に突然モラ夫になったことを説明しても、「なんで見抜けなかったの?」「男なんてそんなもの」と批判され、被害妻の心身症は悪化していく。

 これらの毒バイスは、つまり、「妻は夫に仕えるもの」「妻は我慢して、結婚を続けるもの」というモラ文化(男尊女卑を始めとする、モラ夫を育み、許容する文化)の押し付けである。

 さて、モラ夫に捕まってしまわないようにするためにはどうしたらよいか。結婚しなければよいが正解だろう(だから生涯未婚率の上昇が止まらない)。

 仮に結婚するとして、問題は、未婚のモラ男は、健全男子(非モラ)に擬態することである。多くの事例で、擬態は結婚後も続き、妊娠、子の出生やマイホーム取得などの妻が逃げられないタイミングで、モラスイッチが入り、モラ夫の正体が現れる。

結婚前にモラチェックをして、擬態を見抜けないものだろうか。

 私は、離婚弁護士として、数多くのモラ離婚(モラ夫との離婚)を扱ってきた経験から、モラ夫の行動、考え方が、驚くほど類型化しており、似ていることを知っている。

 未婚モラ男の多くは、健全男子に擬態していても、性行動では、本性が現れやすい。以下に1つでも該当する場合、彼は、モラ夫かもしれない。

1、初回から無理やり

2、意向や体調を無視して求めてくる

3、自分の快楽だけの行為で終わる

4、喧嘩のあと、求めてくる

5、避妊しない

6、デートは食事とラブホ

 そんな中昨今、タレントの早乙女太一さんと西山茉希さんの離婚が報じられ、彼のモラ度が気になった。これまでに、以下のような出来事が報じられている。

2012年5月 飲酒の機会に西山さんが早乙女さんの友人とシモネタ系のなぞなぞをしたことなどに激高し、激しいDVを加える

2013年1月 破局

2013年4月 デキ婚

2018年8月 家事をしていた西山さんを全く手伝わず、「これ以上お腹空くと普通の美味しさじゃダメかもしれない」と言った

 果たして、早乙女さんはモラ夫(男尊女卑を背景として、妻に対する支配を確立、維持しようとする夫)か否か。私は、早乙女さんを個人的に知らないし、会ったこともない。特定の個人について、報道だけでモラ夫と決めつけるのはやはりやめておこう。

◆性的行動にみる、モラ度の尺度

 さて、早乙女さんを離れて、一般的なことを述べる。あくまで、一般論である。

 飲み会での話題に激高してDVを加える。これは、強烈な男尊女卑を推測させる。男は、暴力を用いて、女を「指導」してもよいのだとの価値観があればこその暴挙であろう。

 次に、破局の後の性交渉である。ここには、モラ男の特徴が満載である。

 まず、モラ男は、女から離れていくこと、別れていくことを認めず、許さない。破局後に付きまとうモラ男もいる。

 次に、モラ男は、喧嘩の直後に性交渉を求める傾向がある。性交渉により、支配・従属関係を確認するためである。それが破局となれば、更に激しい性衝動すなわち支配・従属関係の確認欲求に突き動かされていただろう。

 さらに、デキ婚である。妊娠出産は、女性にとって、健康や職業、日常生活、将来を大きく左右する重大な出来事である。女性の意向を無視して避妊しないなどあり得ない。結婚を決心する前に妊娠したいと思う女性は、おそらく稀有だろう。

 ところが、モラ男は、「俺の女」は、「俺の子の妊娠出産/妊娠可能性」を当然に受け入れるべきと考える。「俺の快楽」からも、避妊しないことによる支配欲の充足からも、避妊の選択肢はない。妊娠すれば逃げない、つまり支配を確立できるということもあろう。

 以上、破局の後の避妊なしの性交渉は、最高度のモラ度を示す。さらにDVまである。

 DV〜破局〜デキ婚の男性がいるとしたら、一般的に言って、モラ度マックス、DV・モラ夫丸出し、男尊女卑の権化と言っていいように思う。

 つまり、性行動を観察すれば、モラ男を見抜ける可能性があるということだ。

◆避妊しないのは、結婚して支配下におくため

 冒頭の例に戻ろう。「俺、真剣だから(避妊しない)」は、確かに結婚を考えているという意味だろう。結婚し、支配従属関係に入るのだから、初めての性交渉から支配、従属化関係でよい、したがって、相手女性の意向は考えないということであろう。前述のとおり、この男性は、結婚後、モラ夫の正体を現した。

 その後、離婚裁判に至っても、彼は、「別居の前日まで夫婦仲はよかった」「まだやり直せる」などと言い続けていた。妻が別居し、離婚調停、裁判を起こしているのだから、妻の決意は、客観的に示されている。しかし、モラ夫にとって、妻の意向や気持ちはどうでもいいのだ。

 離婚調停の待合室で、ある妻がつぶやいた。

「妻に捨てられても、それを理解できないモラ夫たちが日本に溢れる日が来る気がする」

【大貫憲介】

弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし〜モハメッド君を助けよう〜』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中

【大貫憲介】

弁護士、東京第二弁護士会所属。92年、さつき法律事務所を設立。離婚、相続、ハーグ条約、入管/ビザ、外国人案件等などを主に扱う。著書に『入管実務マニュアル』(現代人文社)、『国際結婚マニュアルQ&A』(海風書房)、『アフガニスタンから来たモハメッド君のおはなし〜モハメッド君を助けよう〜』(つげ書房)。ツイッター(@SatsukiLaw)にてモラ夫の実態を公開中

関連記事(外部サイト)