駅員の学生バイト、7割が学業に支障。正社員と同等の負担でもやめられない事情

駅員の学生バイト、7割が学業に支障。正社員と同等の負担でもやめられない事情

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◆駅員の学生バイト、過半数が「バイトなしでは生活できない」

 首都圏学生ユニオンは8月1日、駅員として働く学生アルバイトの実態調査の結果を発表した。調査は今年5〜7月にかけてインターネットで実施。全国の鉄道会社で働く現役の学生アルバイトと学生時代に鉄道会社でバイトをしていた人の計110人から回答を得た。

 回答者にアルバイト代の使い道を複数回答で聞いたところ、「趣味・娯楽」が89.1%と最も多かったものの、「生活費」も67.3%に上った。「学業」も23.6%だった。

 またバイトなしで学生生活を送ることができたかどうか聞くと、「おそらくできない」が30.9%、「できない」が20%で、計50.9%が「できない」と答えている。

 東京私大教連の調査によると、2018年度に大学生が受け取った仕送りの金額は、1か月当たり8万3100円で過去最低だった。仕送りが減るなか、バイト代を稼がなければ、生活費や学費を工面できない学生が数多くいることが伺える。

◆「人身事故が起きると3〜4時間は残業を強いられる」

 駅員のアルバイトをしていて、学業に支障が出ることが「よくある」と答えた学生は10.9%、「たまにある」は36.4%だった。「それほどない」の24.5%もあわせると、7割以上の学生は学業に支障をきたしたことがあるとわかった。

 具体的には、どのような影響があるのか。小田急電鉄でアルバイトをしている大学4年生の男性は、「トラブルが発生すると残業を強いられる」と話す。

「人身事故が起きると、運転再開に関する問い合わせに応じたり、振替輸送を利用する乗客に対応したりしなければならず、帰れなくなるんです。運転を再開し、ダイヤを元に戻して混乱が落ち着くまで大体3〜4時間は残業をしなければなりません。帰宅するのが遅れたり、家に帰れなくなったりすることも。朝に人身事故が起きれば、大学の授業に出席できなくなることもあります」

 こうしたことが起きるのは、人員の配置が少ないのが原因だ。たとえトラブルが起きても、学生バイトが残業を強いられないよう、人員を増やすことが求められる。

◆「シフトが埋まらないと講義中にも電話が来る」

 調査に寄せられた苦情からは、学生バイトが正社員と同等の負担を強いられていることが伺える。

「研修なしで運賃収受のような社員が担うべき業務も担当させられ違和感を覚えました」

「振り返ってみればアルバイトで正社員の駅員と同じ責任を持たせるには重すぎると思っていました」

 また、鉄道各社が正社員の配置を減らし、学生バイトに依存していることも浮き彫りになった。

「学生駅員のシフトが埋まらない場合は、学生の中でシフトを埋めなければならず非常に辛いです。しかも埋められない場合には正社員に怒られます。辞める人も非常に多いです。なんとかしてほしいです」

「アルバイトが居ないと回らないため、シフトが埋まらないときには講義中にも電話が来てとても困りました」

 首都圏学生ユニオンは、小田急で働く男子大学生からの相談を受け、同社と団体交渉を行っている。正社員の人員を増やすよう求めるとともに、準備時間や研修も勤務時間として算入し、賃金を支払うよう求めている。

 ただ、今回の調査でもわかったように、駅員バイトの過重負担は小田急一社に限ったことではない。今後学生ユニオンは、厚労省や国交省、文科省に対しても、実態調査と対策を求めていくという。

<取材・文/HBO編集部>

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