降り注ぐ不幸で引きこもりに。それでもまだ前を向こうと足掻く30代女性の思い

降り注ぐ不幸で引きこもりに。それでもまだ前を向こうと足掻く30代女性の思い

休学中に小田原春美さん(仮名)が窓ガラスと会話していたときの写真

 この10年で少しずつではあるが、現状と課題が可視化されてきた引きこもり問題。引きこもり中年の実情に迫るべく、当事者たちの声を拾い、現状をリポートしていく。

◆降り注ぐあまたの不幸にも負けず前を向き続ける

 小田原春美さん(仮名・35歳)は幼少期から不幸が続き、引きこもりと社会復帰を重ねてきた女性だ。

「小学校のときは暴力を振るわれたり、万引してこいって言われたりして、不登校になりました。中学では、バドミントン部の先輩全員から無視されて円形脱毛症ができて。高校でもいじめに遭いました」

 悲しい経験を経ても復学した小田原さんに、より無慈悲な事件が。

「高2のときなんですけど、路上でいきなりワンボックスカーに押し込まれて拉致されたんです。事が済んだ後、幸い命までは取られずに解放されました。でも、親にも警察にも言えなくて……。それ以来、外に出るのが怖くて学校に行けず、難聴にもなりました」

 それでもなんとか大学への進学を果たす。しかし、新しい友人や彼氏ができるも平穏は続かなかった。

◆「誰にでもいい顔をする」ことが招いたトラブル

「誰にでもいい顔をする私も悪かったと思うのですが、友人とトラブルになって休学。学校に行こうとすると玄関で吐き気と震えが止まらなくて。友達もいないし仕方ないので、部屋で窓ガラス相手に会話して過ごしてました(笑)」

 大学中退後は飲食業で働くことに。ここでもトラブルが続く。

「とある大人気の屋台のスタッフをしていたんですが、お客さんの大行列を前にトイレにも行けず、その場で漏らしてしまったんです」

 転職後、1年ほど休職して引きこもっているという小田原さん。

◆なるべく早く社会復帰したい。でも……

「人と関わるのがしんどくて、ある程度働くと休養期間が必要になんです。家では寝ているか、リハビリがてら職場の最寄り駅まで行ってみることもあります。でも、出かけようとすると体が固まってしまうことも多いですね……。貯金もなくなるし早く復帰したいと思っています。川崎の事件については、被害意識が暴走してしまったのかなと思います。他人を傷つけるのは違うと思うけど、気持ちはわかる部分もありますね」

 壮絶な辛苦にも負けない小田原さん。幸せを手にしてもらいたい。

<将来への展望>

たびたび休養期間は必要だが復帰してまた働きだしたい

― 引きこもり中年の衝撃 ―

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