名門進学校で起きた教員の不祥事。生徒に「お前はクズ」、顔面パンチ。同僚には「病気がうつる」などの問題発言

名門進学校で起きた教員の不祥事。生徒に「お前はクズ」、顔面パンチ。同僚には「病気がうつる」などの問題発言

富裕層の子弟が通うことでも知られる幼小中高一貫教育の名門、暁星学園。 photo via Wikimedia Commons(CC BY-SA 1.0)

◆幼小中高一貫の名門男子校で何が起きたのか

 東京都千代田区富士見にある暁星学園(ぎょうせいがくえん)。富裕層の子弟が多く通い、毎年、東大・京大などの難関大学に生徒が合格している幼小中高一貫の名門男子校だ。芸能界やスポーツ界など、幅広い業界で活躍する卒業生がいる。

 しかし、華やかに見える裏で、教員が生徒に対して「お前はクズ」とののしったり、教員同士でイジメが行われたりしていることが分かった。

◆生徒に「お前はクズ」と発言 他の先生は止めに入らず

 2018年7月20〜23日に、暁星学園中等部の当時1年生(約160人)は長野県にて3泊4日の合宿を行った。最終日の23日に、プログラムの一環として、同県内の農園に昼食を取りに訪れた。

 昼食のBBQをしている最中に、一人の教員が生徒を罵倒するという出来事があった。指示を聞かない生徒に対し、他の生徒が聞こえるような声量で「だからお前はクズなんだ」と罵ったというのだ。

 この様子を見ていた農園の女性従業員が、「先生。悪いけど、クズな人間はひとりもいないんで、そんなこと言わないでください」と止めに入った。当時の様子について、取材に応じていただいた。

「あんまり聞いたことがなかったので、今でも覚えています。先生が生徒をいきなり罵倒したのを見ました。何で揉めていたのかはわかりません。だけど、違和感を覚えて、その先生に”やめてください”と言ってしまいました。

 浴びせる言葉も酷く、他の生徒さんだってその様子を見てるはずだし、聞こえてもいるはず。他の先生にも聞こえているはずなんですよ。なのに先生方は止めに入りませんでした。その光景が当たり前なんですかね」

 教員も人間であり、頭に血が上ることもある。しかし、暴言を吐いてしまうことがあったとしても、その場合は「先生、落ち着いてください」と他の教員が止めに入るはず。今回の光景は異様に思える。

 2019年8月11日、暁星学園に事実確認の連絡を行った。翌12日夕方に電話が鳴り、教頭のM先生にご回答を頂いた。「はい、事実は全て認識をしています。この対応策や具体的なコメントは追って送付します」とのこと。

 この校外学習では、先生が生徒の顔面を殴るといった事件も起きていた。長野の取材で詳しい状況を掴むことはできなかったが、暁星学園はこの件も認めた。

◆教員間でのイジメ。同僚に「B型肝炎がうつるから来るな」

 取材を続けていくと、暁星学園の実態の酷さを知ることに。同学園の事情に詳しい関係者によると、教員同士で、陰湿なイジメが横行しているという。

 イジメが起こったのは、2018年秋ごろ。現役の教員である20代後半のA先生が、B型肝炎に感染をする。そのため、一ヶ月弱病院へ入院をすることに。

 その先生が復帰後、驚いたのは教員間同士の会話だ。A先生が職場復帰後、一部の教員がA先生に対して、「うつる。来るな」などの発言をしていたとのこと。

 その様子について、前出の関係者はこう語っている。

「こうした発言は、何回もあったようです。数学のY先生が、数名の後輩教員を巻き込み、取り巻きを作っていました。Y先生が、場所を選ばずA先生に対して“うつる”などの発言を繰り返しているといいます。A先生が何の病気にかかっているかを生徒も知っていたそうです。Y先生周辺の人が話したのではないでしょうか。プライバシーの尊重などありませんよね、これでは」

 そして、1枚の写真を見せていただく。グループライン上の会話をカメラで撮ったものだ。そこでは、1人の教員が飲み会にてお酒をこぼし、別の先生のドリンクを飲み、「肝炎になる〜」と言われていた。

 グループの中にはA先生がメンバーとして入っているため、A先生に当てたメッセージだと捉えることができる。いじりだとしても度を超しているのが明白だ。

 この件は、職員会議の議題に上ったものの、状況は変わらなかったとのこと。A先生の心情が心配である。

 この件も暁星学園が事実を認識していた。コメントは追って連絡するとのこと。

◆B型肝炎の患者が戦ってきた歴史。教員としての資質に大きく欠ける

 B型肝炎は、血液または体液を介して感染するため、空気感染をすることはない。症状が悪化すると、肝機能の著しい低下が起こり、昏睡状態に陥る。その場合の死亡率は、70〜80%だと言われているのが現状で、軽い気持ちで冗談を言えるような病気では到底ない。

 また、1948年〜88年に行われた注射器の使い回しによる集団予防接種で、40万人以上がB型肝炎に感染し、80年代後半から運動が起こり、2006年に最高裁が国の責任を認めている。この背景には、差別と偏見による人々の苦しみがあった。東京都町田市の小学校に通う2年生の男子児童が、「うつるから半径100m以上離れて」などのイジメを受け転校したこともある。大人の場合も同様な例はいくつか見受けられる。差別や偏見といった大きな魔物に、何百万人もの患者が苦しんできた歴史がある。

 未来ある子供たちの教育現場で、教員が差別的な発言を繰り返していたことは許しがたいもの。子供の前でも誤解を生み兼ねない。生徒に対するクズ発言もそうである。何でもやりたい放題の暁星学園の教育現場。教員としての自覚を今一度問いただすべきではないだろうか。

 これは氷山の一角にしか過ぎない。タレコミの内容には、目を疑うものもあった。続報で詳しく報じる。

【板垣聡旨】

学生時代から取材活動を行い、ライター歴は5年目に突入。新卒1年目でフリーランスのライターをしている24歳。ミレニアル世代の社会問題に興味を持ち、新興メディアからオールドメディアといった幅広い媒体に、記事の寄稿・取材協力を行っている。

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