会話を弾ませられない人ができない「たった一つのスキル」とは?

会話を弾ませられない人ができない「たった一つのスキル」とは?

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「上司や同僚と話をしていても、話がはずまない」と感じているビジネスパーソンは意外に多い。話をはずませることができて、人の輪の中心にいることが多いビジネスパーソンもいれば、話がはずまなくて、気まずい雰囲気になって、孤立してしまう人もいる。

◆あいづちは意外に難しい

 話をはずませるビジネスパーソンになれるかどうかは、その人の持って生まれた存在感のようなものが大きく左右し、長年の間に培われたセンスによるものなので、一朝一夕になれるものではないと考えている人が多い。

 筆者は話をはずませることができる人と、はずませることができない人は一体なにが違うのか、行動を分解してひもといてみた。その結果、意外なことがわかった。話をはずませることができる人は、たったひとつのスキルを実施しているのだ。それも、誰でも実施しようと思えば実施できるスキルなのだ。

 話をはずませるためには、あいづちをすると効果があるという考え方がある。「はい」「なるほど」「そうですか」「ええ」などという合いの手だ。相手の話を黙って聞くより、このような合いの手を入れると、相手の話ははずみやすい。

 しかし、演習をしてみると、このあいづち、意外に繰り出すことが難しい。「同じあいづちを繰り返してしまい単調になってしまった」「さまざまなあいづちを繰り出そうと考えているうちに、相手の話を聞くことがおろそかになってしまった」という声も挙がる。

 決して単調にならずに、それも、考えずに繰り出せるリアクション話法があればよいことになる。このように申し上げると、そんな都合のよい話法があるはずがないという反応に接するが、実はそのような話法があるのだ。それが「繰り返し話法」だ。

◆「わかっています」は逆効果

 繰り返し話法とは、その名のとおり、相手の言ったフレーズを、繰り返す方法だ。たとえば、相手が「仕事の依頼が一気に集中してたいへんだった」と言った場合に、「仕事が集中してたいへんだったのですね」と繰り返す方法だ。この方法が話をはずませるためにどの程度効果があるかは、ほかのリアクションをした場合と比較してみると、わかりやすい。

 相手が「仕事の依頼が一気に集中してたいへんだった」と言い、自分が無言だったら、相手は聞いてくれているのかどうかわからず、あるいは無視されたと思って話は進まなくなるものだ。

 自分が「そうですか」とあいづちで返すと、相手は紋切り型の受け答えだと感じて、親身に聞いてくれているかどうか不安がられることが多い。

 自分が「わかっています」と答えると、それも即座に答えれば答えるほど、何度も答えれば答えるほど、相手は逆に「本当にわかっているのだろうか」と思ってしまう。「わかっています」の連呼は逆効果なのだ。

◆繰り返す=相手の話を聞くことに

 それに対して、相手の言ったことを繰り返すと、それだけで相手に「そのとおり、わかってくれているのだな」という印象を与えることができる。なにせ相手の言っていることそのままなのだから、そのとおりであることは間違いない。

 それも、「わかっています」という言葉よりも、相手の言ったことを口に出すことのほうが、口に出して再現してくれるほどにわかってくれているというメッセージを送れるのだ。

 もちろん、繰り返しのリアクションを何度も実施していると、まるで録音機の再生かオウムかと思われてしまうし、なかにはバカにしているのかと思われてしまうので、何度も続ける話法ではない。そんなときには、繰り返しのバリエーションとして言い換えを繰り出すと、さらに変化を持たせることができる。

 実は繰り返し話法には、リアクションすること以上に、大きな効果があることがわかっている。それは、繰り返し話法を心がけていると、相手の話を聞いて理解する度合が高まるのだ。「相手の話をしっかり聞きましょう」ということは、よく言われることだ。

 しかし、聞くことだけを心がけても、しっかり聞けるようにはならない。聞くことよりも、繰り返し話法を繰り出すということを心がけていくと、繰り返しのフレーズを繰り出すために、自然と聞くことの度合が高まるのだ。

質問:会話をはずませるためにはどう反応すればいいのか

 相手の考え方を聞き、相手が答えた内容についてリアクションするわけですが、具体的にはどのようなリアクションをすればよいのでしょうか?

回答:繰り返しと言い換え、2つの反応をする

 「繰り返し」「言い換え」の2つのリアクションのうち、相手の考え方をふまえて、使いやすいものを繰り出すことがお勧めです。

 丁寧なリアクションをしたい場合で時間の余裕があるなら、「繰り返し」のリアクションをしてから、「言い換え」のリアクションをすることもお勧めです。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第156回】

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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