台風被害の千葉県館山市。「ブルーシートがかかって一段落」ではない現状

台風被害の千葉県館山市。「ブルーシートがかかって一段落」ではない現状

千葉県館山市は現在も、このようにブルーシートで補修された被害住宅が多数残存している

◆「もう一段落」なんてトンデモナイ

 9月27日、千葉県館山市波佐間。台風15号が猛威をふるってから間もなく二十日が過ぎようとしているところであった。

 

「東京の報道を見ると、“電気が通りました。ブルーシートがかかりました。もう復興もひと段落つきました”みたいになっているでしょ。テレビカメラって、ブルーシートの下がどうなっているかは映してくれない場合が多いんですよ」

 そう切り出したのは「一般社団法人 震災復興支縁協会つながり」の代表理事・勝又三成氏である。 

「現地入りしたのは台風の四日後、9月11日でした。そこから活動を続けていますから、今日で17日目ということになりますかね」

「つながり」は東北に拠点を置いており、東日本大震災の経験からボランティア団体を立ち上げ、このような自然災害の現場に入る活動を続けている。

 最近で言うと、中国地方の豪雨や新千歳空港、熊本地震の現場にも入り、海外ではネパールの学校再建にも取り組んでいる。現在、「つながり」は館山市波佐間にある「ウェストペニンシュラホテル」を根拠地として、支援活動を続けている。

「現在は取り決めを結び、たとえば東京から支援にお越しいただく方については帰りのバスが無料になるようにもなっておりますので、現地に入りやすい形は作っております」

 実際に、午前六時半東京発のJR高速バスで館山に入り、同団体の活動証明書を見せれば、帰りのバスが無料となる(??詳細は館山市社会福祉協議会参照)

◆軽トラ、軽ダンプ、ユンボが欲しい

 ここで勝又代表に今一番求めているものは何か、聞いてみた。

「物資ということでいえば、軽トラック・軽ダンプ、あとはユンボですね。ユンボの中でも特にバケットではなく先端が爪型になっているやつですね。なぜかというと、現在がれき処理場が満タンで破綻して機能していないんですよ。そこでがれきをつまむことができれば作業がはかどるのは確かです。幸い、飲食物に関しては今まで送っていただいた中でボランティアの方々に提供する分は賄えていますね」

 実際に、筆者も差し入れとして缶のココア24本を持ち込んだが、見た範囲ではボランティア向けの飲料や食品はそれなりに届いているように見えた。もちろん、今後もスポーツドリンクなどを送れば邪魔にならないのは間違いない。

◆「できることはないだろう」ではなく、「誰でも助けになる」

 しかし、と勝又代表は続けた。こういった物資よりもさらに不足している、もっとほしいものがあるのだという。

「何といっても人手です週末はなんだかんだと人が来てくれるのですが、特に平日に来てくださる方がいれば非常にありがたいです。

 現在本部を設置しているこのホテルも、平日なら割と余裕がある状態で寝泊まりできて、シャワーも浴びられます。まだまだブルーシートを屋根に貼ってくださる方が欲しいですし、それ以外でも作業はいくらでもあります。

 もちろん、軽トラやユンボのレンタル代を出してくださる方がいればそれだけでもものすごく助かります。ほかにも、屋根に上ることができない、力仕事には向いていない女性なら何もすることがないかといえば、たとえばボランティア向けの食事を作っていただくとか、本部の事務作業を手伝っていただくこともあります。

 もし中学生が来てくれるなら、地元の人たちの被害状況などを聞き取り調査してもらうことなども大切な支援活動です。“私には何もできることがないだろう”ではなく、どんな人でも必ず助けになれることはありますから、どんどん現地入りしてもらいたいです」

◆毎日100人ボランティアできる人手があれば理想

 理想としては、毎日百人くらいが常時確保できれば望ましいのだという。

 同団体の公式サイトを見ると、週末には八十数人が活動しているが、平日だと五十人前後ということが多いようだ。

 端的に言って、現地の被災状況は全く「収束」しておらず、全く「復興」などしていない。そこで次回は筆者が実際に支援活動をした時に見た状況、そしてその次に実際に被災した方の声を伝えていく予定である。

 なお、「つながり」の問い合わせ先は、前出のWEBサイトを御覧いただきたい。こちらに一報入れて「タカ大丸の記事を読み、支援活動に入りたい」と言っていただければ対応してくれる。ふるって、ご参加いただきたい次第である。

<取材・文/タカ大丸>

【タカ大丸】

 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。

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