年末は「闇パチスロ」が跋扈! 客も逮捕されるため要注意

年末は「闇パチスロ」が跋扈! 客も逮捕されるため要注意

※写真はイメージであり、本文の内容とは関係ありません。 photo まちゃー / PIXTA(ピクスタ)

◆摘発相次ぐ「闇パチスロ」

 警察による違法パチスロ店の摘発が相次いでいる。夜の繁華街で見知らぬ呼び込みに「4号機*あるよ〜」と小声で囁かれ、懐かしさ余ってフラッと立ち寄ったが運の尽き、警察の立ち入りがあれば、「客」も賭博罪の容疑で逮捕される。

(*4号機:射幸性の高いパチスロ遊技機。法改正によりパチンコ店には設置されていない)

 IR開業に向け、カジノに関する議論がニュースにも頻繁に取り上げられ始めた昨今、違法パチスロ店―通称「闇スロ店」に対する警察の取り締まりは一層厳しくなっている。

 街の景色がハロウィンに染まり始めると、そろそろ年の瀬を意識し始める。宴会シーズンの到来。普段ならそのような間違いは犯さない人であっても、酒が入り、且つ仲間たちと連れ立ったり、仲間の誘いを断れなかったりという理由で、「闇スロ店」に足を踏み入れてしまう人は案外いるものだ。

 一時の過ちが人生をフイにしてしまうかも知れない。夜の街に溶け込む「闇スロ店」に飲み込まれないために、読者諸氏に知ってほしいことをまとめる。

◆パチスロバーは違法ではない

 繁華街を歩いていると、「パチスロバー」なるものを見掛けることがある。今ではパチンコ店に設置されていない、往年の名機で遊べ、またお酒も飲める店だ。基本的にこの手の店は違法ではないし、闇スロ店でもない。

 法的には若干ややこしいのだが必要な部分だけを抜粋し説明すると、パチスロ遊技機は、個人所有の「自家用」を除いては、パチンコ店かゲームセンター(コーナー)でのみ遊技することが出来る。

 パチンコ店もゲームセンターも、同じ風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)によって規制されているが、同じ法律の中でも、パチンコ店は「遊技の結果によって客に賞品を提供できる『4号営業』」であるし、ゲームセンターは「賞品の提供が出来ない『5号営業』」に区分されている。

 前出のパチスロバー等はこの5号営業に当たるのだが、ゲーム機の設置面積が営業面積の10%以下だった場合は、許可を得る必要がないという特例措置があり、パチスロバー等はまさにこれに当たる。

 よってパチスロバー等に、パチンコ店からは数年前に撤去されている遊技機が、営業面積10%以下の面積で設置されていても違法ではないし、客がそれの遊技に興じても何ら問題は無い。(※但し午前0時、もしくは営業延長許容地域の午前1時を超えて営業している場合は、何かしらの法的リスクを冒している場合がある)

 まずはこの点を知って頂きたい。

◆出玉操作、遠隔操作が横行。呼び込み勧誘も

「闇スロ店」摘発のニュースを見ると、押収されたパチスロ機等がテレビ画面に映し出される。今ではパチンコ店で遊技が出来なくなったものが多い。また比較的に射幸性(≒ギャンブル性)が高いと言われた遊技機が大勢を占めているのも特徴だ。

 10数年前まで関西某県で「闇スロ店」に出入りしていた人と話す機会を得た。

「当時は『吉宗』や『北斗』の4号機が主流でしたね。レートは通常のパチンコ店と同等のメダル1枚20円で遊べる機械もあれば、ジャグラーみたいなAタイプは、1枚60円というのもありました。まあレートはお店によってまちまちですから。入り口は繁華街のコインパーキングに隣接しているビルの裏口で、もちろん監視カメラも付いています。警察の内偵捜査を警戒しているんでしょうね」

 店内には、パチスロ機が四角い部屋の3面に計20台程設置されており、部屋の真ん中にはソファーとテーブルが置かれていたという。テーブルの上には、風俗関連の雑誌が並べられていた。

「お客さんは多くても3人〜5人くらい。基本的には同じ街で働いている風俗店関連の人たちが多かったかな。時々、呼び込みに連れてこられた会社員風の人たちもいました。『店長』に聞いたら、田舎町の小さな店だったけど、家賃は月に20万くらいって言ってましたね。誰に払っているのかは分かりませんが」

 その店では、店からだいぶ離れた場所で呼び込みが勧誘を行っていたという。誰彼なく声を掛ける訳ではない。

◆「ポイントは本当に設定6を入れてあげること」

 店側が恐れているのは、警察による立ち入りであるし、警察官が酔客を装い「闇スロ店」の声掛けを待っている場合もあるから、呼び込みの客選びは慎重だ。基本的には常連の紹介を繋いでいく「会員制システム」を取っているが、思ったほど店の売り上げが伸びなかったり、開店したばかりの場合は、声掛けの「リスク」も厭わない。

「遠隔? ありますよ。実際に店長に見せてもらった。簡単ですよ。パチスロ機の中に受信機みたいなものが設置されていて、受付の奥にある小部屋から、小さなリモコン機のボタンを押すだけで、数ゲーム以内に大当たり。初めての客には勝たせるというのが営業の基本ですから」

 通常のパチンコ店では、そのような小型受信機を設置すれば、すぐに警察の検査官や定期的な第三者機関による抜き打ち検査によって摘発される。が、「闇スロ店」では、そのような稚拙な設備でも十分に事足るのだ。

「ポイントはね、本当に設定6を入れてあげること。設定6の確定演出がある台っていうのはだから人気があった。でもね、実はパチスロの基盤に、別のサブ基盤を取り付けていて、そのサブ基盤で出玉率の変更が出来るようになっているんですよ。だから演出上は設定6でも、実際の出玉はその半分ていう事もよくあった。客からすると、設定6の台に座ったのに、ヒキ(運)が悪かったと思ってくれる。意地になって、相当つぎ込む人もいましたよ」

 繁華街の夜に潜む「闇スロ店」すべてが同様であるとは限らないが、当たらずとも遠からず。どのような「営業形態」であれ、客も逮捕を免れない上に、結局はお金までむしり取られてしまう。

◆パチンコ業界関係者が“闇落ち”することも……

 今年の年末年始は「闇スロ店」にとっては、稼ぎ時なのかも知れない。

 本サイトのパチンコ関連記事で何度も書いているように、2018年2月の法改正により、今年の年末までに多くの人気パチスロ機がパチンコ店から撤去されることになっている。

 それらのパチスロ機をどこからか入手し、「ウチではまだハーデス打てるよ」とか、「初代まどマギあるよ」とか、声掛けしてくる場合もあるだろう。「闇スロ店」でしか打てない(ゲームセンターでは遊べるのだが…)目玉機種は図らずとも集客効果を発揮してしまう。

 またあってはならない事ではあるが、パチンコ業界関係者が「闇スロ」に身を落とす場合もある。

 昨今のパチンコ業界の厳しい状況を考えると、閉店するパチンコ店や、倒産する関連業者がいくつも出てくる可能性は高い。彼らであれば、パチスロ機の入手は容易であるし、背に腹は代えられないと違法行為に手を染めることだって考えられるのだ。実際に摘発されている「闇スロ店」の関係者の中に、パチンコ業界関係者がいたこともある。

◆業界は闇スロ撲滅に乗り出している

 一方でパチンコ業界側は「闇スロ」の一掃に向けての取り組みに力を入れている。

 警察庁の後援を得て「闇スロ撲滅宣言」というHPを開設、注意喚起や情報提供等を呼び掛けている。過去の4号機撤去の時には、多くの4号機が闇スロ市場に流れたという事実もある。今回の5号機撤去の際には、そのような事はさせないと、業界側は強く意気込んでいる。

「闇スロ」だけではない。

 違法カジノや賭け麻雀等、違法なギャンブルには、人を吸い寄せる魔力がある。魔が差したでは済まされない、取り返しのつかない現実が後から襲って来ようとも、文字通り後の祭り。年の暮れ、くれぐれもお気を付けを。

<文/安達夕>

【安達夕】

Twitter:@yuu_adachi

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