あおり運転された経験のあるドライバーは5割に。厳罰化が切望されるその実態に迫る

あおり運転された経験のあるドライバーは5割に。厳罰化が切望されるその実態に迫る

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◆増えるあおり運転被害。法改正の動きも

 車間距離を極端に狭めて走行したり、執拗にクラクションを鳴らしたり、無理矢理追い越したり…。

 今、あおり運転が大きな社会問題になっている。中には、あおるだけでは収まらず、暴行に及んだり、車に傷をつけたり、悪質な犯罪行為に至るケースも、報道で取り上げられている。

 また、ドライブレコーダーに収められたあおり運転の映像がSNSに公開され、その実態が多くの人の目に留まるようになった。

 このような状況が相まって社会的関心が高まり、遂には政府が行う交通安全対策特別委員会にて「あおり運転罪」の新設が話し合われるまでに至った。現行の道路交通法では、あおり運転が明確に定義されていないため、新たに罰則規定を設け、あおり運転行為の撲滅に向けた議論がなされている。

 警視庁は来年を目処に、道路交通法改正を検討しているというが、問題はあおり運転の定義づけをどうするかだ。そもそも、どこまでがあおり運転の範疇になるかなど曖昧なことも多い。どのような行為をあおり運転と捉え、罰金や刑罰の対象にするのか。悪質なあおり運転を適切に取り締まるためにも、明確な線引きを決めることが、今後問われてくるのではないだろうか。

◆あおり運転された経験のある人は5割も

 そんな中、楽天インサイト株式会社は、月に1回以上運転をする20代から60代の男女1000人を対象に「あおり運転に関する調査」の結果を9月25日に発表した。

 あおり運転をされたり、されている現場を見たりした経験はあるか尋ねたところ「他人があおり運転をされているところを見た」と回答した人は49.8%、「自分があおり運転をされた」経験がある人は49.7%と、どちらも約半数に上る結果が出た。

 あおり運転をされた経験がある人は、どのようなことをされたのだろうか。「車体を接近させて追跡された」と回答した人が最も多くて54.3%、次いで「パッシングされた」(41.6%)、「左車線からの急な追い越しをされた」(31.8%)、「必要のないハイビームをされた」(31.2%)、「幅寄せされた」(30.8%)と続いた。

 そのほか、「暴言を吐かれた」(14.5%)や「運転手が車内からおりてきて、威嚇された」(11.5%)、「ものを投げつけられた」(3.4%)といった身の危険を感じる迷惑行為も見られ、道路上では様々なあおり運転によるトラブルが、日常的と言っても過言ではないレベルで頻発していることがわかった。

◆あおり運転トラブルの4割弱は思い当たる節がない

 また、理不尽なことにあおり運転された経験がある人の4割弱が「思い当たる行動はない」(36.0%)という。普通に車を運転していて、交通マナーを守って走っているのにも関わらず、突然あおり運転に巻き込まれる可能性があるのは、ドライバーにとって非常に厄介だ。

 他方、あおり運転されるきっかけになった具体的な行動として「車線変更をした後」(19.3%)や「周囲よりも遅い速度で走っていた後」(17.7%)、「追い越した後」(14.9%)が上位を占めた。

 あおり運転の被害に遭わないために、どのようなことに注意して運転すればいいのだろうか。具体的な対策として「なるべく車間距離をとる」(54.3%)、「不審な車には近づかない」(52.6%)、「無理な割込みはしない」(52.6%)の3点は5割以上の人が心がけている対策方法だ。普段からあおり運転を未然に防ぐために、他のドライバーに配慮した行動が見て取れる。

「なるべくクラクションを鳴らさない」(30.7%)や「ウィンカーを早めに点灯させる」(30.4%)といったことも、あおり運転をされないために留意したい対策になるだろう。あおり運転のトラブルに遭わないためにも、安全運転はもちろんのこと、配慮の欠けた運転にならぬよう最大限注意したい。

◆あおり運転に巻き込まれたときの対処法

 もし万が一、あおり運転に巻き込まれてしまった場合はどのように対処するべきだろうか。「道を譲った」(44.9%)と回答した人が最も多く、変に抵抗せずその場をしのぐ対処方法がいいのかもしれない。一方で、「何もしなかった」(30.8%)と答えた人も3割に上る。

 また、「他の道に逃げた」(19.5%)や「コンビニやサービスエリアなどの施設に避難した」(5.8%)など、身の危険を感じたときは速やかに安全な場所へ移動することが大切になってくる。

 悪質な場合は「ドライブレコーダーやスマートフォンで撮影」(5.2%)して証拠を残したり、「警察に通報」(3.6%)して事情を説明したりする判断も必要になってくるだろう。

 あおり運転を巡る事件が多発する昨今、危険運転に対する厳罰化に向けた法整備を求める声が、ドライバーからも上がっている。

 今回の調査対象になった、月に1回以上運転する人のほとんどを占める96.6%が、あおり運転に代表される危険運転の厳罰化を「望んでいる」と答えた。また、「強く望んでいる」と回答した割合は6割に達し、法整備の急務を望む思いが伝わってきた。

<取材・文/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

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