「自分のペースに巻き込める人」はここが違った! 会話の主導権を握る法則とは

「自分のペースに巻き込める人」はここが違った! 会話の主導権を握る法則とは

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 「同僚と話していると、つい相手のペースに巻き込まれてしまう」「自分の考えに誘導したいのが、それができない」……。筆者はこのような相談を受けることが少なくありません。

◆会話のペースを握れる法則があった

 かといって、相手の話に対して反論を繰り出しても、相手のペースに巻き込まれるということはないにしても、自分の考えに誘導することはできません。

 では、相手のペースに巻き込まれないで、自分の考えに誘導するためにはどうすればよいのでしょうか? それができている人の話法を観察すると、ひとつの法則があることがわかってきました。

 自分の考えにうまく誘導できている人は、相手の話に対して同意してから、決して反論せずに徐々に誘導していく話法を繰り出しているのです。そして、この徐々に誘導していく話法は、7つにモデル化できることがわかってきました。私はこれを「7つの誘導話法」と名づけています。

◆7つの誘導話法で相手を誘導する

 7つの誘導話法とは、「同意+質問」「同意+追加」「同意+例示」「同意+経験」「同意+示唆」「同意+仮定」。そして、「同意+転換」です。

 「同意+質問」とは、相手の話に対して同意してから、相手の言っていることは「こういうことですか?」と質問で返す方法です。質問で返す内容が、相手の話に対して乖離があればあるほど誘導幅は大きいといえます。

 「同意+追加」とは、相手の話に対して、「このこともあてはまりますか?」というように追加する方法です。追加した方向へ誘導できる可能性がでてきます。

 「同意+例示」や「同意+経験」は、例を挙げたり、それも自分の経験に照らした例示をして返す方法です。その例の方向へ誘導しやすくなります。自分自身が経験したことというのは、相手に強い印象を与えやすいので、誘導力が高まります。

 「同意+示唆」や「同意+仮定」は、相手の話に対して反対する代わりに、「こういう方向だったら当てはまりそうですね」というようにほのめかしたり、「仮にこういうことができたらよいと思いますか」というように仮定を示して意向を聞いて、誘導する話法です。

◆小刻みに誘導して自然な会話の流れを

 そして、「同意+転換」は、結語転換話法とも呼んでいますが、結語を展開して誘導する方法です。例えば、「性能は高いことはわかっているが、価格が高い」というように「AだけれどもBだ」という相手の話に対して、「価格が高いと思っているが、性能が高いことを評価しているのですね」というように、「BだけれどもA」だというように結語転換するのです。

 相手が「そうとも言える」というような反応を示したのであれば、そのあとは、「性能が高いこと」にフォーカスして話を進めやすくなります。日本語は結論が結語に来ますので、相手の「価格が高い」結語を、「性能が高い」と言う結語に転換して、相手が強い拒否反応を示さなければ、自分が示した結語の「性能が高い」という点に誘導するわけです。

 相手が「AだけれどもBだ」という構文ではなく、「とにかく価格が高い」というように、「Bだ」「Bだ」というように言い張ってきたときには、すぐには結語転換の話法は使えません。

 この場合は、「価格が高い」と言い張っている人に対して、「価格が高いことが気がかりなのですね」と同意した上で、「何か、少しでも評価してくださっている点はありますか?」というように、価格以外の点で評価している点を聞きます。

 それに対して相手が、例えば「性能がよいことはわかっている」というように言及してきたら、「価格が高いことが気がかりとはいえ、性能がよいことをご理解いただいているのですね」と「BだけれどもA」の結語転換後の構文を示すのです。

 7つの誘導話法は、紹介してきた順に、小さい誘導幅から大きい誘導幅へ誘導することができる方法です。見解の相違が大きそうだったら、紹介してきた順に繰り出すことがおすすめです。見解の相違が大きかったら、いきなり大きく誘導するのではなく、小刻みに誘導していった方が決裂するリスクが少ないからです。

 もちろん、7つの誘導話法をひとつずつ順番に繰り出すと言うことではなく、相手やトピックスに応じて使いやすいと思うものをいくつか繰り出すというイメージです。

◆誘導話法で自分の考えをスムーズに伝える

質問:自分の考え方ををどのように伝えればよいか

 相手の考え方を聞き、その考え方にリアクションをしたうえで、自分の考え方を伝えるわけですが、相手の考え方をふまえて自分の考え方を伝えるには、どのような話法を繰り出せばよいのでしょうか。

回答:誘導話法を繰り出す

 7つの誘導話法を間にはさんで自分の考えを伝えると、相手を巻き込みやすくなります。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第158回】

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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