面倒な上司や顧客と話がかみ合わない! こんな状況をエスカレートさせないシンプルな一言

面倒な上司や顧客と話がかみ合わない! こんな状況をエスカレートさせないシンプルな一言

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 上司や同僚、ひいては顧客と話をしていて、話がかみ合わないということに悩んでいる人がいる。かみ合わないだけでなく、そのうちに、険悪な雰囲気になってしまうケースも少なくない。

◆「ああ言えばこう言う」がエスカレート

 こうしたケースでは、特定の人だけと話がかみ合わないという人はむしろ少なく、いろいろな人と話がかみ合わないと思っている人が多い。そうして組織のなかで浮いてしまったりしかねない。

 そこで話がかみ合わない人に、普段どのような会話をしているか再現してもらうと、共通の特徴があることがわかった。相手に「プランAがいいと思います」と言われると、「いえ、プランBがいいと思います」と答え、顧客に「この製品は価格が高い」と言われると、「当社製品の中では平均以下です」と答えている。

 つまり、相手がAだと言うとBだと答える、相手がCだと言うとDだと答えるという形で、話がかみ合わないのだ。平行線のまま話が進み、折り合わないので、そのうちにお互いがいら立ち険悪な雰囲気になってしまう。

 筆者は話がかみ合わない人にさまざまな方法を試してもらったが、相手と話をかみ合わせるようにするために、最も簡単で最も効果のあった方法がある。それが、同意して質問する方法だ。

◆相手が考えていることに理解を示す

 例えば、相手が「プランAがいいと思います」と言ったとする。自分としてはプランBがいいと思っていたとして、そのまま「いえ、プランBがいいと思います」と言ってしまうと、「プランBがいいと思っているのだな」と冷静に理解してくれる人は少なく、「自分の意見に反対しているのだな」と思われてしまうのだ。いきなり反論をすることは、相手に抵抗感を与えてしまう。

 このように申し上げると、「考え方が違うので、相手の意見に同調することはできない」「相手の考え方に合わせてばかりいてはよくない」という見解に接することがある。

 そのとおりで、プランAに同調することはない。プランAに同調しないで、それでいてプランAに反対しないで、否定的な表現ではなく、肯定的な表現でリアクションする方法があればよいことになる。

 それが、相手がプランAがいいと思っていても、あるいは別のプランがいいと思っていても、「そうですか」「なるほど」「お考えがわかってよかったです」というように、相手が今そのように考えていることに理解を示す方法だ。

 なにもそれはプランAそのものに同意するということではない、「相手がプランAがいいと思っている」という事実を否定せず、同意するということなのだ。これにより肯定表現で返すことができるようになる。そして、さらに相手と対立を生まない効果的な方法がある。同意に続けて質問を繰り出す方法だ。

◆質問によって対立構造を変える

 具体的には「そうですか(同意)。プランAがいいというように考えているのですか(質問)」「なるほど(同意)。プランAのよさに着目しているのですか(質問)」というように、確認のための質問を繰り出す方法だ。

 相手によっては、何度も言わせるなと思う人もいるかもしれないが、多くの場合「自分がプランAがよいということをしっかり受け止めてくれた」「重ねて理解しようとしてくれた」「確認してくれた」というように好意的に受け止める人が多い。

 いきなり「いえ、こちらのプランがいいと思います」と答えて相手と険悪になってしまうのではなく、それを避けて考え方の違う人とも良好な関係を築くためのスキルだ。

 そのうえで、「プランAのどの点がいいと思っているのですか」「プランAがいいと思っている理由は何ですか」というように、相手の考えを掘り下げていく。ここでも質問を繰り出していく。そうすることで、プランAかプランBかという二者択一の対立構図から、ともにプランAやプランBを支持する理由を掘り下げるという同じ方向を向いて議論をすることがしやすくなる。

「同意+質問」は、前回紹介した7つあるリアクション誘導話法のひとつで、最も基本的な話法だ。是非、試してみていただきたい。

◆相手にストレスを与えず会話のペースを握る

質問:「同意+質問」はどのように行えばよいか

 相手の考え方に対して、「同意+質問」によって誘導する話法は、具体的にはどのように行えばよいのでしょうか?

回答:近接する内容を質問する

 相手の考え方に対して同意したうえで、確認の質問をする方法です。誘導話法のなかで、最も誘導の幅は小さいのですが、相手にストレスを与えない方法です。

 以下の事例の下にいくほど、誘導の幅を大きくすることができます。

<事例>「同意+質問」の質問の例

・〇〇というように考えているのですか?

・〇〇というようにおっしゃっているのですか?

・〇〇というように理解したのですが、間違っていませんか?

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第159回】

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある

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