「人類が地球に生き残るために」。戦争や環境破壊を止める方法を伊勢谷友介らが語る

「人類が地球に生き残るために」。戦争や環境破壊を止める方法を伊勢谷友介らが語る

「人類が地球に生き残るために」。戦争や環境破壊を止める方法を伊勢谷友介らが語るの画像

◆トークイベント「人類が地球に生き残るために」

 国連は毎年9月21日を国際平和デーと定め、国際社会の平和を推進していく日として加盟国に呼びかけている。人類の歴史は、「争い」を通じて歩んできたと言っても過言ではない。

 領土や利権を巡り、有史以来様々な戦争が繰り返され、多くの人や自然が犠牲になっていった。人類争乱の歴史は果たしていつまで続くのだろうか。

そんな中、今年6月には人類の悲願である世界平和の実現を目指すために、PEACE DAY財団が設立された。

「争いのない平和な世界を実現する」というビジョンのもと、国連の定めた国際平和デーを普及したり、企業・個人・行政など異なる立場を越えて協働し、平和の実現に向けた仕組みを作ったりすることが主な活動だ。

 同財団が主催する「PEACE DAY」は、国際平和デー当日の9月21日に幕張海浜公園の野外特設会場にて開催。

 芝生が広がる自由な空間で、参加者それぞれが自由にフェスを楽しみつつ、地球の鼓動を感じたり世界平和を考えたりする機会となった。

 音楽ライブやパフォーマンスなど様々あるコンテンツの中で、今回取材したのはトークイベントのエンディングを締めくくる「人類が地球に生き残るために」と題したセッションだ。

 俳優でありながら映画監督やリバースプロジェクト代表を務める伊勢谷友介氏、PEACE DAY財団代表理事の株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上高志氏、そして民間宇宙飛行士として活躍するASTRAX代表取締役の山崎大地氏らが登壇し、平和の実現のために必要な人間社会の変革や宇宙との関わり方について語った。

◆種の存続について本気で考えた方がいい

 リバースプロジェクトは人類が地球に生き残るための会社として立ち上げたと語る伊勢谷氏。その考えに至った経緯について説明した。

「宇宙人の視点で地球を見つめたときに、人類社会はどう映るのかという考えが元になっている。自分たちの生活を壊している人類は地球上で唯一の生物であり、それを正としてこれまで歩んできた歴史を見直す必要があると思う。祖先を敬えとよく言われるものの、祖先が作ってきたものは人類争乱の社会で、地球に歪みを生じさせていることを我々は自覚するべき。夢を見て自分の生きたい人生を目指すのではなく、その先に何か課題があるのではと思う」

 また、伊勢谷氏はエコロジカル・フットプリントについても触れた。エコロジカル・フットプリントとは、地球に存在する自然資源を鑑みて人類が今の生活を続けた場合、今後どのくらいの地球面積が必要かを表す指標のことだ。

「もし仮に、世界中が日本人と同じような暮らしをするなら地球2.8個分、アメリカと同じような暮らしをするなら地球5個分必要になる。つまり、現在の生活水準が未来永劫続かないという試算が出ているわけで、資源の枯渇や地球環境の悪化などに対し真剣に考えないといけない。祖先が作ってきた世界を変革しなければ地球の未来が危うい」

 宇宙人視点で見たときに、地球という惑星体に住む人類は、今後どのようにすれば豊かな地球のもとに住み続けられるのか。このような視点で物事を考えるのが我々地球人(コスモポリタン)として大切な考えなのかもしれない。

◆宇宙が身近になる時代に、我々はどう生きるか

 他方、宇宙ビジネスに携わる山崎氏は、宇宙旅行時代の到来を踏まえて、正しい知識を身につけることの重要性を説いた。

「全宇宙にある星は、重量の中で引き合ってバランスの中で存在している。無重力状態で浮いているわけではなく、極端な話を言うと、月まで階段があれば登っていける。小学校で習った宇宙=無重力とは全く真逆の世界だという意識に変えていかないとこれからの宇宙旅行時代についていけなくなる」

 世界的に名の知れる起業家のイーロンマスクやリチャードブランソンが宇宙ビジネスに参画したり、ドバイや中国が宇宙開発に乗り出したりと、誰もが宇宙へ行ける時代の到来が少しずつ現実味を帯びてきている。

 宇宙へ行くことが当たり前になれば、そこで何をするかが求められる世界になっていくのではないだろうか。

◆宇宙は共有経済で成り立つ可能性がある

 期待高まる宇宙開発。しかし、有史以来、争いを繰り広げてきた人類はどこかで過去の反省をしなければならない。場所を宇宙に移したところで、また争いを起こしてしまうだろう危険がある。

「宇宙に所有やお金の概念を持ってきてしまうと、地球が歩んできた歴史のように争うことになる。あらゆるものをシェアし、物々交換で成り立つような社会を創造し、シェアリングエコノミーの世界を作っていくのがベストだと思っている」(山崎氏)

 自身がエンタメ出身でヒーローものを演じた経験もある伊勢谷氏。「悪に見立てた存在である権力者やリーダー、策謀者など誰かを倒すことで達成感を得る」という考えは、人類の創世記からある本能なのだという。

 この「誰かを倒す」という考えを改め、人類の理性を高めていく必要があると説いた。

「人間の本能を活かしても、世の中は良くならない。人間社会の秩序は理性で成り立っている。これまでの争いの歴史を省みて、どうすれば世の中が変わるのかという発想を持ち、理性を成長させることが本質的に大事である」

 人間の理性を成長させるためには、デンマークのように医療や教育を無償にした社会を目指すことが重要だという。お金がないために医療を受けられなかったり、私立に通って水準の高い教育を受けられなかったり。

 このような課題を国が負担すれば、もっと理性を成長させるベクトルに向くのではないだろうか。

 お金を稼がないと、身の回りの生活が危ぶまれ、自分の生活で精一杯になってしまう。医療や教育といった社会インフラが国によって保障され、安心して生きられる社会になっていけば、今後人類はどうやって生きるべきかと考えられる人も増えてくるのかもしれない。

<取材・文/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

関連記事(外部サイト)