巷の「心理テクニック本」はなぜ使えない!? 効果を出すのに足りない3つの基本原則とは?

巷の「心理テクニック本」はなぜ使えない!? 効果を出すのに足りない3つの基本原則とは?

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 ビジネスで使える心理術を紹介する当連載。今回は、何十とある心理テクニックを覚えることなく、その核となる「3つの基本原則」を理解することで、自然と心理テクニックを使って仕事の成果を高めることができる方法について解説する。

◆情報過多で実践に至らない

 仕事で成果を上げるために、心理学を学ぼうとする人は多い。書店のビジネスコーナーに行けば、何十冊ものビジネスで使える心理学の本があり、中を見ると、研究や経験によって裏打ちされた心理テクニックが何十個も載っている。

 そういう本を読んで心理テクニックの知識を持っている人と出会うことは多いのだが、それを仕事でちゃんと使えている人は少ない。もちろん、本人の意思力の問題もあるが、同時に本にも問題があるのではないだろうか。

 私も仕事柄、そのような本を読むことが多く、素晴らしい本に出会うことが多い。しかし、そのような本の中に潜んでいる問題点から、心理テクニックを使える人が少ない理由がわかってきた。

 それが、「心理テクニックの本の情報過多」と「信頼関係不足」だ。

 心理テクニックの本は百科事典や用語集のような本が多く、中には読者が十分に満足できるだけの心理テクニックの情報が載っているのだが、逆に多すぎて読み終わった頃には、「結局、私はどうしたらいいんだろう?」という状態に陥ってしまう。選択肢が多いほど、選べなくなってしまうことは、「ジャムの法則」と呼ばれている。

 読者の抱えるひとつの課題に対して、あらゆる解決策が提案されており、結局どれを選択したらいいのかわからなくなっているのだ。

◆小手先の技術が信頼関係を損なう

 また、心理学のテクニックだけ覚えてしまうと、その根底にある「信頼関係」のケアをしなくなってしまう。

 あらゆる心理テクニックは、信頼関係をベースに効果を発揮する。相手を自分の思い通りにしたいという、“ジャイアニズム”で、心理テクニックを使うようなダークサイドに堕ちてしまった人は、相手と信頼関係を構築することなく心理テクニックを使おうとしまう。

 そして本来は効果を発揮するはずの心理テクニックもまったく効果を発揮しなくなってしまう。

◆テクニックを実践するには信頼関係が重要

 心理テクニックが“宝の持ち腐れ”にならないようにするには、どうすればいいのか? 私はこれまで読んだ700冊以上の心理学の本と、50社以上、延べ1000人以上へのコンサルティングを通して導き出した、「あらゆる心理テクニックに共通する基本原則3つ+信頼関係構築」にシンプル化し、『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』という本にまとめた。

 同書でも私が活用している27の心理テクニックを紹介しているが、あくまでも大きな軸となっているのは、人を操る心理テクニックの基本原則3つと、心理テクニックのベースとなる信頼関係だ。そのうえで初めて「心理テクニック」が活きてくるのだ。

 基本原則を理解してから心理テクニックを使えば、自然と「なぜ、心理テクニックは機能するのか?」という根本的な仕組みが身につくはずだ。そうすることで初めて、本来の効果を発揮させることができる。そして、心理術が人を操る最強の武器になるのだ。

◆「相手を理解する」ことがすべての土台に

 では、土台となる3つの基本原則とはどのようなものなのか? それが下記の3点だ。

 基本原則1:相手の一貫性を理解する

 基本原則2:一貫性に基づくレスポンスを予測する

 基本原則3:「論理+α」で相手の頭と心を説得する

 特に肝心なのは、基本原則1だ。「相手の一貫性を理解する」というのは、言い方を変えると「相手を理解してあげよう」ということだ。

 有名な『7つの習慣』という本に「理解してから、理解される」という言葉があるが、お互いを理解して信頼関係を作るためには、まず相手を理解してあげる必要がある。そうすると「返報性の法則」が働いて、相手もこちらのことを理解しようとしてくれる。その結果、お互いのことを理解して、信頼関係が築けるのだ。

 さらに、相手の事を知ろうとすると、その人の行動や言動の核となる価値観や行動原理を特定することができる。相手が言われて喜ぶことや、自分の意図した行動を起こさせたいときに、どのようなアクションを取ればいいかわかるようになるのだ。

 この基本原則1は、基本原則の中でも最重要項目だ。心理テクニックを使って仕事で成果を上げるには、何十個もテクニックを覚える必要はなく、心理テクニックの根底にある、たった3つの基本原則+信頼関係構築さえ意識できれば、心理テクニックを活用して仕事で高い成果を残せるようになる。

 これまで「心理学の本を何冊も読んだけど、なかなか実践できない」という方は、まず基本原則を身につけて信頼関係を構築してほしい。基本原則で足元を固めれば、より心理テクニックを日常生活に活かすことができるだろう。

<取材・文/山本マサヤ>

【山本マサヤ】

心理戦略コンサルタント。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催。これまで数百人に対して仕事やプライベートで使える心理学のテクニックについてレクチャーしてきた。また、メンタリズムという心理学とマジックを融合した心理誘導や読心術のエンターテインメントショーも行う。クラウドワークスの「トップランナー100人」、Amebaが認定する芸能人・著名インフルエンサー100人に選出。●公式ホームページ ●Twitter:@3m_masaya ●Instagram:@masaya_mentalist

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