海外向け中古車販売ビジネスは外国人の主戦場!? 「外貨を得て日本経済に貢献したい」

海外向け中古車販売ビジネスは外国人の主戦場!? 「外貨を得て日本経済に貢献したい」

自動車関連会社、経営コンサルタントを経て’13年に中古車輸出ビジネスを始めたアクター氏

◆アフリカに販路を見いだし日本の中古車販売で稼ぐ!

 在日外国人が携わるビジネスとして長い歴史を持つ中古車輸出。’70年代に研修生として来日したひとりのパキスタン人が、本国へ日本の中古車を4台送ったことがその始まりとされているが、今では中古車輸出ビジネスの過半数はパキスタン人が占めている。車検システムがしっかりした日本車は、中古でも新車同様の機能を誇り、海外で特に高く売れるために発展したというが、実際に日本最大級の中古車オークション会場である、野田市のUSS東京に足を運ぶと、来場していた業者の半数近くが外国人だった。

「最近では、スリランカなどパキスタン以外の国の人も増えています。パキスタンは中古車の輸入規制がどんどん厳しくなっているんですよね」

 そう語るのは、川口市で中古車販売業を営む、パキスタン出身のアクターナヒード氏(現在は日本国籍)。もともとはパキスタンへの輸出が多かった中古車ビジネスだが、現在はアフリカへの輸出がメインとなっている。

◆人気は中古のバス

「タンザニア、ザンビア、コンゴ、ウガンダ、ケニア……いろいろな国の現地のエージェントと協力して輸出しています。今は特に、中古のバスが人気ですね。アフリカ以外だと、ヨーロッパには高級車を販売することが多いです」(アクター氏)

 中古バスは、東京五輪を控えた日本でもニーズが高まっており、国内の観光会社に販売することも多いそうだ。これだけチャンスが広がっているなら、日本人ももっと参入すればよいのに……。

「オンラインオークションのシステムができてからは、日本人も増えました。私が仕事を始める前の話ですが、日本人の業者が『ゴミだから持っていっていいよ』という車をパキスタン人が回収して30万、40万で売っていた。これは勉強して自分たちでやったほうがいいと気づいたんでしょうね」(同)

◆中古車ビジネスの海外展開は外国人のほうが歴史は長い

 とはいえ、中古車ビジネスの海外展開に関しては、外国人のほうが歴史は長く、販路も押さえられている。目の前のビジネスチャンスを生かせず、ガッツのある外国人が掴んでいるのが現実だ。

 外国人による中古車販売には、盗難車を解体して部品を売るようなダーティなイメージもあるが、「犯罪組織の元締は日本人のことも多い。外国人だから犯罪に手を染めるのではなく、日本人でも外国人でも犯罪に手を染める人は染めるし、いい人も悪い人もいるという単純な話。ほとんどの人は働き続けたいからこそルールを守って真面目に働いていますよ」とアクター氏は話す。

「私は’02年に来日して、立命館アジア太平洋大学でMBAを取得しました。自動車関連会社を経て外資系の経営コンサルに転職し、70万円の月給をもらっていましたが、それを捨てて今のビジネスを始めたんです。日本は能力を持った人にはチャンスが開かれていると思うけど、リスクを取って新しいビジネスに挑戦するよりは安定を選ぶ傾向が強いように見えます」

 会社の年商は現在2億円に近く、まだまだ成長を続けている。

「将来的には医療機器や革製品なども扱って、ビジネスの幅を広げていきたい。今は帰化して日本人になっているのですが、もともと留学時には日本政府が奨学金という形で私をサポートしてくれたので、私も日本のために外貨を得て日本経済に少しでも貢献したいと思っているんです」

 日本人の富裕層がどんどん海外に資金を持ち出すなか、今後日本経済に貢献するのは、海外出身のアクター氏のような人なのかもしれない。

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