「ポジティブ」や「好きを仕事に」という言葉の、ダメ社員ほど陥りがちな勘違い

「ポジティブ」や「好きを仕事に」という言葉の、ダメ社員ほど陥りがちな勘違い

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「ポジティブ思考」と聞いて、あなたはこの言葉をどのように説明するだろうか?

◆ポジティブ=楽観的ではない

 私は著書を読んでくれた方から、「山本さんは、ポジティブな方なんですね」と言われたことをキッカケに、「そもそも、この方にとってのポジティブさとは何か?」と考えてみた。そして、そこでは書ききれなかった「ポジティブ思考」について、もっと知ってもらう必要があると思った。

 なぜなら、これまでインタビューした私の周りのトップ営業マンや、経営者、高IQ者は、みんなポジティブ思考を持っており、これがビジネスの成功や出世するためには必要なスキルだからだ。

「ポジティブさ」とは、問題が発生したときに「まぁ〜、なんとかなるさ」というような「楽観的」な気持ちとは違う。ただ、ポジティブさが「問題に対して前向き」であり、ネガティブさが「問題に対して後ろ向き」という点では正しい。

 もう少し具体化すると、ポジティブさとは「問題に立ち向かう」ことであり、ネガティブさとは「問題から逃げる」ことだ。つまり、ポジティブさとは「問題解決志向」なのだ。

◆問題解決を繰り返すことで身につく

 一般的なイメージの「楽観的」「明るい」などのポジティブさとは違うかもしれないが、こういった思考は問題解決志向によって、結果的に身につくものだ。問題解決の成功体験を何度も積むからこそ、自信があり、明るく見えるようになり、一般的な「ポジティブ・パーソン像」になっていくのではないだろうか。

 問題解決による成功を繰り返すことで、自分の人生を自分でコントロールしている感覚を持てるようになり、自己効力感(セルフ・エフィカシー)が高まる。セルフ・エフィカシーとは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱したものだ。

◆イメトレはタイミングが重要

 セルフ・エフィカシーを高めるためには、問題解決の経験を積むことが最も効果的だが、それ以外にも面白い方法がある。それが、心理学者のジェームズ・マダックス教授が提唱した、「Imaginal Experiences」という「想像による経験」だ。

 これはいわゆるイメトレであり、自分の仕事が上手くいく様子やプロセス、全てが上手くいくことを想像することで、セルフ・エフィカシーを高める手法だ。

 この手法は、緊張状態で行うと効果がなく、リラックスした状況で行う必要があることから、瞑想と組み合わせて行うことで効果を高めることができる。仕事で追い詰められているときに、Imaginal Experiencesを行っても、不安を誘発する可能性があるので、オススメはしない。

 この手法自体、1979年からその効果が確認されて使われ続けており、今でも人の恐怖心などを克服するセラピーでもこの手法が使われる。患者が恐怖を感じる状況や対象を想像してもらいながら、それを克服していくイメージをしてもらうことで、実際に克服していくというセラピーだ。

◆仕事の問題を解決することでポジティブに

 しかし、Imaginal Experiencesはセルフ・エフィカシーを高める効果が確認されているものの、残念ながら実際に問題解決を行う場合に比べると、その効果は低いので、実践との両立が必要だ。

 私の周りの優秀な営業マンやコンサルタントは、ハードルの高い仕事であるほどワクワクして問題を解決しようとするし、私の周りの高IQ者もレベルの高いクイズほど熱中して問題を解こうとする。

「好きを仕事に」というキャッチコピーが流行った時期があったが、これが本来の「好きを仕事に」ということではないだろうか。「好き」=「楽(ラク)」と直感的に思ってしまう人がいるかもしれないが、お金を生み出すには必ず問題解決が必要で、仕事とは問題解決を行うということだ。

 なので、ポジティブになるには必然的に問題に立ち向かう必要がある。問題解決を楽しめる仕事を見つけるというのが、「好きを仕事に」のあるべき姿であり、そのベースとなるのは問題解決志向ではないだろうか。問題解決志向を持っている人ほど、フリーランスや起業家として間違いなく活躍していくことができる。

【参考文献】

『SELF-EFFICACY:THE POWER OF BELIEVING YOU CAN』James E Maddox (George Mason University)

<取材・文/山本マサヤ>

【山本マサヤ】

心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。

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