JR四国と南予のゆるキャラも集結。「最後」のJR四国松山運転所一般公開に行ってきた!

JR四国と南予のゆるキャラも集結。「最後」のJR四国松山運転所一般公開に行ってきた!

JR四国ゆるキャラ「すまいるえきちゃん」と「れっちゃくん」2019/10/19撮影 牧田寛

◆今年も運転所一般公開に行ってきた

 今年も10月は、10月14日の鉄道の日に協賛して、各地の鉄道会社では様々なインベントが行われました。

 JR四国でも各県で運転所や工場の一般公開が行われる予定でしたが、残念なことに10月12日は、台風19号が四国沖合の太平洋上を通過しましたので、徳島運転所と高知運転所・布師田車両基地の一般公開は中止となってしまいました*。昨年、開催日を間違えて行ったために何もやっていなかった高知地区一般公開には、今年こそは是非とも参加したかったのでブゥ垂れていたのですが、遠くを通過したにもかかわらず天候は終日荒れていましたので中止の判断は妥当でした。

<*第26回「鉄道の日」協賛行事について2019/09/12 JR四国>

 翌週19日の松山運転所一般公開の日は、なんと寝坊して昼過ぎに起きてしまい、諦めかけたのですが、松山駅高架化に伴う松山運転所移転が今年度末の可能性がありました。山嵐のような頭を整えたあと、へこみデミオのタイヤがもう駄目なのでいつもは使わない高速道路を通って松山に向かいました。

 1時間を超える道中、雨が降ってきて嫌な予感がしましたが、もう13時過ぎていましたので急ぎました。

◆JR四国松山運転所

 区画整理で、爆撃されたように空き地になっている松山駅の裏手にへこみデミオを置いて、案内も何もない道を近づくと、遠くにアンパンマンのテーマソングが流れてきました。多分正門と思う場所を見つけて近づき、イベントの看板が見えてきたので中に入りますと、うわぁ、狭い!

 受付に人が群がっていて通路が通りにくいのは、こういった行事では珍しいです。人が多すぎるのでは無く、狭いのです。受付には雨が止んだのでやってきた子連れのお客さんが並んでいました。

 松山運転所は、松山駅に隣接しているために敷地が狭く、通路が細いためにイベント時には、すれ違いが難しくなります。工場や建物も古く狭いためにミニ蒸気機関車や屋台などの場所がとりにくく、苦労していることが見て取れました。

 写真展示もなかなか良い場所が無いため、受付の直近という特等地の壁を活用していました。

◆今年も奴がいた!

 時間が1時間足らずしかないので奥に急ぎますと、ゆるキャラがいました。ここ二年、JR四国は、専属とゲストのゆるキャラやご当地ヒーローをイベントに参加させています。

 まずは昨年もご紹介したJR四国オリジナル(社内考案)の二匹のモンスターです。

 四国旅客鉄道駅舎型微笑妖精?すまいるえきちゃん?こと「すまいるえきちゃん」と、四国旅客鉄道列車型微笑妖精?れっちゃくん?こと「れっちゃくん」です。

 Twitterアカウントまで持っています(@Smile_Eki_Chan)。れっちゃくんは分離式で、分かっているだけで色違い五匹いますが、今回はオレンジです。色違いは、一部のポケモントレーナーにとってはコンプが至上命題です。

 もう一匹、愛媛県のゆるキャラ「みきゃん」(Twitterアカウント@micanehime)も来ていました。休憩用の列車は、JR四国7000系電車と国鉄キハ54-7でしたが、3面写真のように十二匹のゆるキャラがラッピングされていました。

 みきゃんには「こみきゃん」と「ダークみきゃん」がいて、それぞれポケモンの進化とロケット団のダークポケモンに相当するのでしょうか。

 しかし、みきゃんラッピング列車、見事に意匠がバラッバラのゆるキャラ総進撃です。

 いつもおなじみのこの二匹、バッチリカメラにポースですが、隣の係の人が付きっきりなので、目が見えていないような気がします。でも、イベントでは公道を見事に走ります。後半明らかに息切れしてあしもとが怪しいですが。

◆松山運転所を一望する

 地上と建物の3階から松山運転所全体を見回しますと、高知や徳島と違い架線が邪魔で写真が撮りにくいですが、非電化区間の南予と電化区間の中予を分ける運転境界且つ、JR貨物の終点にあたるために多彩な車両がおり、車両基地としての規模もそれなりに大きい事が分かります。

 また、8000系電車や2000系気動車のように非対称、非貫通の先頭車を持つ列車がいるために転車台(ターンテーブル)も備えてあります。

 こういった県庁所在地の駅に併設された運転所は、徳島、高知、松山で共通だったのですが、都市を分断してしまうために道路交通の障害となるだけでなく、都市の発展を阻害し、大概の場合駅の裏側、運転所側の街が大きく発展から遅れることになりますので、、2002年に高知運転所が郊外移転し、松山も運転所は今年度いっぱいで郊外移転となります。なお高松運転所は、1952年に郊外移転済です。一方で徳島運転所は、筆者が徳島在住時の90年代末には文化の森駅付近への郊外移転と徳島駅高架化が決まっていたはずなのですが、その後県市JR三者の思惑が食い違い何度も白紙化されて今だに事業化できていないとのことです。

◆現地では今年で見納めの松山運転所、その理由は?

 子連れの人たちの会話で分かったのですが、この日の昼のNHKニュースで、来年移転のために現地では最後の松山運転所一般公開が行われているという報道があったため、天気が回復しかけていることもあって家族連れ客が増えているとのことでした。

 やはり今年でこの運転所は見納めだったのです。寝坊しても無理して来て良かった!

 ここ連続立体交差化、移転事業が進む松山駅周辺をみてみます。

 すでに運転所西側の南江戸町一帯は区画整理が進んでいて、更地が広がっています。更地になっている一帯は、西口駅前広場になり、幹線道路が新設された上で路面電車が西側へ松山空港まで延伸する計画*とのことです。

〈*松山空港路面電車延伸検討会 4ルート案公表2015/12/22愛媛新聞〉

 車でぐるりと回ってみると、松山駅北側の南江戸町踏切から松山駅と松山運転所が一望できます。区画整理事業の総面積は、約16.7ヘクタールと、都市開発事業としてはかなり大型です。松山市は、JRでなく伊予鉄道の松山市駅や電車線大街道駅が発展していてJR松山駅周辺の開発は、上手くいっていません。

 これは、鉄道施設による東西の分断によって都市の発展が阻害されてきた典型的事例と言えます。実際、南江戸町踏切は、渋滞の名所であり、頻繁に自動車が踏切に閉じ込められる怖い踏切です。

 松山駅東側に回ると、市内電車線(路面電車)のJR松山駅前電停にでますが、路面電車はJR松山駅に乗り入れず、少し離れたところを環状運転しています。土佐電鉄市内電車線の高知駅乗り入れにみるように、路面電車のJR駅への乗り入れ(接着)は、効果が大きく今までなぜしなかったのかが疑問です。全国でも路面電車や地下鉄のJR主要駅への接着はすすめられています。

 またJR松山駅の駅舎は、今となっては珍しくなってきた国鉄規格型の駅舎です。残して欲しいという希望も持つのですが、やはり二階にかつては物産店、今はダイソーしかないというのは余りにももったいないです。駅前広場は狭く、長距離バスや空港リムジンバス、タクシーの発着場としては手狭です。やはり現状のままでは、県都松山市の表玄関としては、余りにも貧弱に過ぎ、使い難すぎます。松山市は、四国の行政の中心という性格も持ちますので、この松山駅とその周辺の旧態依然ぶりには驚かされます。

 駅の高架化や区画整理事業は、2020年代後半に終わる見込みということですが、20年遅いという感が強いです。欲を言えば、30年前までに終えていれば、様相はかなりちがっていたでしょう。

 松山駅連続立体交差化、松山運転所・松山貨物駅移転、松山駅周辺区画整理事業については、愛媛県のパンフレットと、新設される南伊予駅*隣接の松山運転所・松山貨物駅移転先案内**をご覧ください。

〈*JR予讃線への新駅設置について〉

〈**車両基地・貨物駅、北伊予駅改良の事業概要〉

 今後の少子高齢化による人口の急減では、21世紀末には四国からすべての自治体は消えてなくなるという最悪事例での直線予測がありますが、実は愛媛県は四国四県の中で最後に消えるとされています。そういった悪条件の中での都市開発事業はなかなか難しく、せめて20年前に終えていればと悔やまれますが、そうではあってもこうかはばつぐんとなってほしいものです。

 今回はここまでとして、後半で中のイベントを写真いっぱいでお届けします。

◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」JR四国松山運転所一般公開編1

<取材・文・撮影/牧田寛>

【牧田寛】

Twitter ID:@BB45_Colorado

まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中

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