「ワケあり」物件を扱う不動産業者CEOが語る、事故物件再生という仕事

「ワケあり」物件を扱う不動産業者CEOが語る、事故物件再生という仕事

人が住むことで部屋は「生きる」。深山氏は事故物件再生も必要な仕事だと語る(※写真はイメージ写真です)

◆忌避されがちな「心理的瑕疵物件」

 心理的瑕疵(かし)物件(通称:事故物件)――。殺害、病死、事故死、自殺など住人が何らかの理由で亡くなり、その現場となった部屋や物件のことをいう。

「住んだら幽霊が出る」「運が悪くなる」「祟られる」などの尾ひれもつき、何かと忌避されるのが一般的だ。しかし、「住居」である以上、そのまま放置するわけにもいかない。そこで、事故物件を再生している投資家や専門業者に徹底取材した。

◆事故物件における「市場価格」の真実

「事故物件の運用を左右するのは、購入価格とリノベーションにかかる費用。ネットでよく事故物件の相場は元値の2〜3割といわれていますが、私に言わせればほとんど嘘ですね。通常の不動産会社に『相場より安い』と言って紹介されても、すでにマージンが乗っている場合がほとんどです」

 ワケあり物件を専門に扱う「MIO・PRECIOUS」のCEO深山裕源氏はこのように話す。

「各不動産会社の査定基準によりますが、基本的に人が亡くなれば元値の半値以下。400万円程度のマンションでも、立地や築年数などによっては最悪20万円程度になる。それが本当の相場なんです」

 売り主は多くの場合相続人となるが、深山氏が最も安く買い取った例は、一家心中があった家の7万円。この物件はリノベーションせず、残置物処理や事務手続きなどの諸経費を乗せて100万円前後で売却したという。元値の半値からスタートし、中の状態を見て汚れがひどかったり悪臭が残っていればさらに下がる。

◆事故物件の売買は“川上”に近づくことが最も重要

 一般人も知識があれば相続人との直接取引が可能だが……。

「ただ事故物件は、相続人のプライバシーにかかわるので一般には出回りにくいものなんです。無断で公表するのは、もってのほか。相続人や不動産仲介業者も困ってる例は多くあります。安く掘り出し物件を購入したければ人脈がない場合、不動産会社に問い合わせるのが一番なのですが、その際は“川上”に近づくことが最も重要です」という。

 川上、つまり仲介業者からの紹介で相続人から直接買い取れる物件であるほど安くなる。それは、欲しい物件の登記簿謄本を見れば判明する。

「全部事項証明書の『権利部』の欄に、相続人からどの業者に所有権が渡ったかが記載されています。間に入っている業者が多いほど、その分、上乗せされているということになります」

 ワケアリ物件を扱う深山氏は前入居者の墓参りも欠かさない。

「事故物件の売買・再生も世に必要な事業です」

◆<事故物件再生を成功させるための三か条>

一、買う場合は、可能な限り相続人に近い業者から。業者が介在するほどぼったくられる

二、初期費用を抑えること。血液、体液痕などはセルフリフォームで対処できる場合もある

三、事故物件の中でも条件が良いものはネットに掲載されない。足で不動産会社を渡り歩こう

【深山源氏】

MIO・PRECIOUS CEO。ワケあり物件専門に買い取りをする深山氏は、事故物件の家相に一定の共通項があることに着目し、気学鑑定士資格を取得。物件は必ず供養し、前居住者の墓参りも欠かさない

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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