新幹線への特大荷物には予約が必須に。2020年、注目の鉄道関連トピック

新幹線への特大荷物には予約が必須に。2020年、注目の鉄道関連トピック

新駅「高輪ゲートウェイ駅」のJR京浜東北線ホーム(時事通信社)

 いよいよやってきたオリンピックイヤー。オリンピックといっても前向きで明るい話題ばかりでもないようで、例えば開催期間中の都心部の交通混雑の問題はいまだ不透明な点が多い。鉄道各社は運転本数を増やしたり終電を遅らせることで対応するようだが、観戦客以外にも日常生活で鉄道を使う人も多い。果たして混乱なく終えることができるのか……。

 そんなオリンピックばかりに目が行きがちだが、鉄道界には他にもまだまだ話題が目白押し。新たな1年に予定される鉄道業界の注目イベントを、鉄道ライターの境正雄氏に選んでもらった。

◆物議を醸した「あの駅」がいよいよ開業

◆高輪ゲートウェイ駅開業

 「3月14日に開業予定の、言わずと知れた山手線の新駅です。たかだか普通の駅がひとつできるだけなのですが、注目度ということではこれが一番でしょう。ただ、今年春の開業はあくまでも“暫定”。本開業は2024年を予定しており、それまでは駅ビルなどはまだ本格的な供用をするわけではありません。そのため、初年度の利用者はそれほど伸びないのでは」(境氏)

 高輪ゲートウェイ駅を巡っては、その駅名の是非で世論が沸騰。JR東日本に再考を促す声も上がったが、結局何事もなかったかのようにそのまま開業する見込みだ。果たして、「高輪ゲートウェイ」という駅名が馴染むのかどうか。

◆2020年も観光列車イヤー

 「5月にはJR西日本の観光列車『WEST EXPRESS 銀河』が運転を開始します。週に2往復程度の運行で、9月までは京都・大阪から出雲市までを結ぶ夜行特急として、10月以降は大阪と下関を結ぶ昼行特急として走るそうです。また、秋にはJR九州の新たな観光列車『36ぷらす3』も登場。『銀河』も『36ぷらす3』も、比較的安価で乗ることのできる列車で、ななつ星などの豪華クルーズトレインには手が出ない若い人たちを中心に人気になりそうです」

 ここ数年、観光列車といえば高額でとても手の届かない乗り物という印象も強かった。が、これからはほんの少しの背伸びでも気軽に楽しめる観光列車が続々と登場しそうな気配である。

◆鉄道業界の大震災復興が完了

◆東日本大震災からの復旧、常磐線全通

 「東日本大震災に伴う福島第一原発事故により長らく不通になっていた常磐線の富岡〜浪江間が3月14日に運転を再開します。これにより、常磐線は震災以来9年かけてようやく全線が復旧。首都圏から常磐線経由で仙台までを結ぶ列車も運転される予定で、震災からの復興に弾みがつくことが期待されます」

 2019年の三陸鉄道リアス線開業に続き、常磐線の全線復旧で東日本大震災からの鉄道の復旧はひと区切り。鉄道からBRTに転換された気仙沼線や大船渡線の一部区間はそのままBRTとして本格復旧とされることになっており、今後はこれら復旧した鉄道をどのように復興に生かしていくのかが問われることになりそうだ。

◆荷物の持ち込みでトラブル続出!?

◆東海道新幹線への特大荷物持ち込み予約制へ

 「新路線や駅の開業など明るい話題も注目されそうですが、意外と多くの人に影響がありそうなのがこれだと思います。今年5月から、三辺の合計が161〜250cmの特大荷物を東海道・山陽・九州新幹線に持ち込む場合には事前の予約が必要になります。各車両の最後尾座席の後ろにあるスペースを特大荷物を置くスペースとして活用するとか。いままでそのスペースを愛用していた人にとっては困り物かもしれませんし、予定がギリギリに決まった場合には予約できずに困る人も出てきそうです」

 予約なしで特大荷物を持ち込んだ場合は持ち込み料として1000円徴収されるとか。知らずにうっかり特大荷物を抱えて乗ってしまい、車掌とのあいだでトラブルになるケースも増えそうで心配だ。ちなみに三辺の合計251cm以上の荷物は従来より持ち込み不可。

◆ドライバーレスが急速に普及

◆鉄道も本格自動運転の時代へ

 「2018年から2019年の年末年始にかけて、JR東日本が山手線での自動運転の試運転を行いました。そして2019年末にはJR九州が香椎線での自動運転試験を実施。JR九州は、2020年中には営業路線でも自動運転をスタートしたい考えを示しています。当初は国家免許を持った運転士が乗務しての自動運転ですが、JR東日本もJR九州もいずれは運転士資格を持たない乗務員による“ドライバーレス”を実現したいとか。車両故障や事故などへの対応が気がかりではありますが、すでに鉄道業界にも“運転士不足”が忍び寄っており、ドライバーレスが可能かどうか、まずは自動運転の成果に注目です」

 すでに地下鉄や新交通システムでは自動運転・無人運転が行われているが、これらは踏切がなく全駅にホームドアが設置されている路線でのもの。JR九州の自動運転は踏切アリ・ホームドアなしの路線での挑戦だけに、成功すれば本格的な鉄道への自動運転普及の第一歩になりそうだ。

 2020年もまだはじまったばかりで、何が起こるかはわからない。1年が終わって振り返るときに、今回取り上げた明るいニュースだけでなく暗いニュースを多く取り上げることにならないよう、祈りたいものである。

<取材・文/HBO編集部>

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