環境問題対策は誰でも始められる! アウトドアライターが教える明日からできる第一歩

環境問題対策は誰でも始められる! アウトドアライターが教える明日からできる第一歩

世界規模で問題となっているプラスチックゴミの海洋汚染。身近なところから一歩踏み出すことが大切だ

 オーストラリアの大規模火災を筆頭に、今年も温暖化や環境に関する問題は山積みだ。アウトドアブームでそういった問題に目を向ける人々は増えてはいるが、世界規模の現象にイマイチピンときていないという人も多いだろう。アウトドアライターのPONCHO氏が、これらを考えるうえでの身近な切り口を挙げてくれた。

◆レジ袋の有料化

 まずは「脱&減プラスチックの動きの加速」について。以前、私は当サイトにて「海洋プラスチック問題」について寄稿した。

 その問題を簡単に解説すると、ペットボトルやストロー、レジ袋など、プラスチック製の容器が海洋に流出。その量は毎年800トンと推定され、それらが紫外線によって劣化、波に洗われ直径5o以下のマイクロプラスチックと呼ばれる状態になり、海洋を汚染、生態系に深刻なダメージを与えているということ。

 この問題は世界的にも重要視され、欧米各国を中心に、プラスチック製の容器だけでなくプラスチック製品の生産を削減する動きが出てきている。

日本での対策は、小さな一歩ではあるけれど今年7月から全小売店でのレジ袋の有料化が開始されることが、昨年12月25日に公表された。植物由来で環境負荷の小さいレジ袋は有料化の対象から外すという。

 すでにスーパーなどではレジ袋有料化が浸透。コンビニでも有料となれば、買い物の際には忘れずにマイバッグを持って行くことが習慣化されると期待する。

◆アパレル界も脱&減プラ

 一方でアパレルメーカーでは、昨年末から「H&M」、今年4月にオープンした「無印良品 銀座」、9月には「ユニクロ」や「ジーユー」などでプラスチック製レジ袋を紙袋に変更、買い物袋の有料化を進めている。

 でも、持ち帰りだけに紙袋を用いるのも資源の無駄遣い。やはり買い物にはマイバッグ持参が当たり前になってほしい。

 現在はコンビニ、ファミレスの多くでも、脱&減プラスチックが進んでいる。プラスチック製ストローを紙製ストローに変更。コンビニ大手のローソンでは、展開する「ナチュラルローソン」で昨年11月から紙製の弁当容器を使った弁当を発売。1個当たり7割のプラスチック使用量を削減したという。

 こうした脱&減プラの流れは、今後小売り、メーカー各社で、幅広く拡大していくだろう。

 ところでアウトドアメーカーの「パタゴニア」では、1989年に再生紙100%の買い物袋を導入、以後ユーザーはマイバッグが当たり前。今年4月からは買い物袋を全廃することを昨年10月に発表した。

 パタゴニアといえば、プラスチック同様に化石燃料由来の素材でできたフリースの生みの親。だがいち早く回収されたペットボトル由来のリサイクルフリースも発売。今から27年も前、1993年の話だ。

 私はパタゴニアの商売の仕方や考え方に影響を受けて、世の中が環境や資源に対する意識をもっと高く持つようになればと願ってきた。それだけに、その第一歩を踏み出すのに随分と長い時間が掛かったなぁと感じた。

◆オールシーズンタイヤの普及

 2つめは、クルマのタイヤについて。今冬を振り返ったとき、オールシーズンタイヤ元年になるのではないかと思っている。

 オールシーズンタイヤとは、無雪期に使用する夏タイヤ=ノーマルタイヤと積雪期に使用する冬タイヤ=スタッドレスタイヤの両方の機能を持っている。

 とはいえ深い雪道や凍結路では機能しないので、年に数回しか雪の降らない地域でのみ有効なタイヤといえる。

 このオールシーズンタイヤはヨーロッパでは定着しているそうだが、日本では中途半端な性能だと思われ、また大手タイヤメーカーではグッドイヤーやミシュランなどの海外メーカーからしか販売されていなかったことで普及しなかったという。

 だが昨年10月に国内メーカーのダンロップが、今年1月からヨコハマタイヤがオールシーズンタイヤを発売。それらは夏タイヤ同等、またはそれ以上の走行性能、静粛性、寿命を持ち、雪道も走れる。ひと冬に数回の雪のためだけに夏タイヤから冬タイヤに履き替える手間要らずで、経済的。さらに排水性にもすぐれ、夏タイヤや冬タイヤ以上に雨天時の安全性が高い全天候型だ。

 となれば雪の少ない地域なら、これからはオールシーズンタイヤが主流になっていくのではないだろうか。また1台のクルマで夏、冬タイヤの8本を使用するより、廃棄の際のゴミの量を減らすこともでき、エコな商品だとも思う。

 私はスノースポーツをせず、首都圏在住のアウトドア好きなので、早速ダンロップのモノを購入してみた。雪道はまだ走っていないが、ドライ&ウェット路面で気持ちよく走ってくれている。聞けば販売店では品薄、品切れが出ている程、好調な売れ行きだそうだ。

◆トレイルランコースや登山道の復旧

 最後は、未だ傷跡が癒えない地域の残る台風15号、台風19号の被害について。

 市街地や観光地の被害は多く報道され、SNSでも拡散された。だが意外と知られていないのが、関東、信越地域の山の被害だ。林道は土砂に埋もれ、登山道も崩落している箇所が今も多い。山小屋も平年より早く閉鎖となったところが多かった。台風以後に開催が予定されていたトレイルランニングのレースの多くも中止になった。登山道は重機が簡単に入れるような場所ではないので、復旧にはかなりの時間を要するだろう。

 しかし今回のような猛威も含めて、自然。復旧作業をする人々をなにかしら応援、支援できることを考えつつ、素晴らしい風景をできる限り深く味わいたい。

 さてアウトドア、環境問題という視点で見てみると、海洋プラスチック問題も、オールシーズンタイヤも、台風被害も、私たちが求める便利さが通底している。便利さは悪いものではない。でも便利さは感度を下げる。そのことに一層気をつけて、アウトドアを楽しんでほしい。

<取材・文・撮影/PONCHO>

【PONCHO】

登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅やエコをテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。アウトドア以外に家電等の道具全般にも精通。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント「ちょい山CLUB」を妻と共に主催する山の案内人でもある。

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