食事や生活習慣の改善、病気に対する知恵と対応力さえあれば健康は維持できる!?

食事や生活習慣の改善、病気に対する知恵と対応力さえあれば健康は維持できる!?

梅、醤油、生姜、三年番茶、これらを合わせて作る梅醤番茶は、冷え、疲労、胃痛、腹痛、貧血などに効果があるとされる。我が家では梅も醤油も自家製!

◆たやすく子どもに抗生物質を与えてはいけない

<注意:筆者の薬や病院に頼らない実践は、自らの責任において実施したものです。むやみに真似ず、ご自身で調べてご自身でご判断ください>

 俺は、いわゆる世間でいう「薬」を飲まないし、塗らない。もう20年近くになる。病院にもめったに行かない。怪我をしたときだけは行くが、初期治療だけ。あとは自分で治す。

 現代医療をまったく信じていないというわけではない。進化する現代医療で救われるいのちや健康がたくさんある。だが、同時にその現代医療で危険にさらされ、人生を奪われることもある。要は、いのちを他人任せにしないでほしいのだ。ましてや、親として子どもに薬を与える場合はなおさらだ。

 例えば、俺(現在49歳)が子どもの頃は、風邪をひくとすぐに風邪薬=抗生物質を処方された。しかしご存知だろうか。現在、厚生労働省では「一般的な風邪では抗生物質を使用しないように」と医療機関に推奨していることを。

 デンマークで今年初めに発表された100万人以上のデータ調査では、幼少期に抗生物質を飲むと、のちに精神疾患に陥りやすいことがわかった。

 たやすく子どもに抗生物質を与えてしまったら、その子の人生を苦しいものにしてしまう可能性が高まるのだ。

 常識と思っていたことは、時代とともに常識でなくなることが多い。

◆冷え症は、自分の体に合わせた生活スタイルの見直しで治る

「冷えは万病のもと」と言われる。女性だけでなく、男性の冷え症の増加も著しい。冷暖房のオフィスに長時間いる、ストレスが多い、体を動かさない……などで自律神経がやられて冷え症になるのだ。

 俺の話をしよう。

 30代前半までは冬でも薄着で過ごした。それで体を壊したことはない。平熱は36.5℃だった。40代になって厄年を超え、あるときから急に体が冷えるようになった。手足が氷のように冷たくなる。

 ある日、体温を測ってびっくりした。35.7℃になっていたのだ。36度を切ると自律神経失調症やアレルギー症状が現れやすく、35.0℃に近づくほど、がん細胞も増加しやすくなる。そこで「血流が悪くなっているのでは?」と考えた。

 若いうちは、元気な心臓の勢いで手足の末端まで血が通ったのだろう。しかし歳を重ねれば心臓の動きも弱まる。だとしたら心臓を鍛え直すか、心臓からの血が手足の末端に届きやすいようにするかしかない。

 俺は猫背だ。前かがみで、常に心臓周辺の血管や内臓を圧迫しているはずである。そのことが血流の妨げになっているのだろうと気づいた。今までは若くて心臓の力が強かったから、猫背でも大丈夫だったわけだ。それでわずかだが姿勢を改善したら、冷えが収まり、気づいたら体温も戻っていた。

 首の冷えで肩こりがひどくなったので、服の着こなしも変えた。ほんの数年前まではタートルネックやマフラーが大嫌いだった。煩わしいし、なんだかオシャレしすぎな感じが嫌だった。しかし、こだわりを捨てて首を隠すようにした。すると肩こりがなくなった。

 40代半ばの頃から、靴下を3枚重ねで履くほどになっていた。しかし、去年あたりから足の冷えが治ってきて、冬でも靴下1枚で大丈夫な状態まで戻ってきた。

 靴下のゴムの締め付けが血流を悪くするとも言われるので、たまに靴下を脱いで、冬の外を素足で下駄を履いて歩くこともある。それでも数年前のように冷たくなることはなく、むしろ気持ち良いとさえ思う。一時期は腹巻きもしたが、今はまた必要なくなった。年齢とともに体の状況は変わっていく。変わるごとに対応していけばいいわけだ。

 冷えは食べ物でも治る。

 トマトやキュウリは夏の野菜だ。それらは体を冷やす効果がある。暑い夏に体温を下げる役割を果たすということだ。自然の摂理に叶っている。それを現代社会では季節感なく、冬でも食べる。するとさらに体が冷えてしまう。

 たまたま、去年から冬にトマトやキュウリを食べなくなっていた。すると、あまり寒さを感じないことに気づいた。むしろ「寒さが気持ち良い」とさえ感じる。寒い冬が大嫌いだったのに、この歳になって冬が好きになってしまった。

◆怪我も自分で治せる場合がある

 5年ほど前だろうか。機械のスクリューに挟まれて右手中指の先2pがちぎれた。爪の根っこあたりから先だ。流れ出てくる血をみて、近くにいた仲間に「やっちゃった、やっちゃった、指がちぎれた。俺、気絶するから。あとはよろしく!」と言ってひざまづき、そのまま記憶を失った。気づいたときには、仲間が指を止血して救急車を呼んでくれていた。

 病院では、適正に処置してくれた。帰りに渡されたのは痛み止めの薬だった。3日間、特にその晩はじんじんと痛かったが、薬は飲まなかった。痛みを感じることで免疫力と回復力が高まると考えたのだ。

 数日後の診療時、医師が荒く包帯を外すので「痛い」と言ったら、中指と薬指の根元に麻酔を打たれて痛みは消えた。そのかわりに、健全だった薬指の関節が麻痺して動かなくなってしまった(のちに自らのリハビリで回復)。

 その日、ちぎれた中指の傷口断面に塗るようにと渡されたのは軟膏だった。主成分を見ると「精製白糖とポビドンヨード」とあった。ポビドンヨードとはヨードチンキの刺激を薄めたもので、抗菌成分だという。

 これについていろいろと調べると、ハチミツを真似て作ったものだとわかった。ハチミツはブドウ糖や果糖やタンパク質やカルシウムを含み、殺菌力が高い。「ハチミツは傷口を塞ぐ効果が高い」と近代医学の父・ヒポクラテスも残しているし、各国の現代医療でも報告されている。

 俺はその時期、ベランダでニホンミツバチを飼い、ハチミツを採っていた。天然で無添加のハチミツがあるのだ。処方された軟膏は使わずに、そのハチミツを中指に毎日塗った。そして、断食も実行した。ヒポクラテス曰く「病人に食べさせると病気を養う。食事を与えなければ病気は早く治る」。怪我も同じだ。

 驚くのはそこからだ。傷がみるみる塞がり、指がぐんぐん伸びていった。1週間で失った指の半分が再生した。さらには、なくなった爪も生えてきたのだ! 元どおりの長さまでは伸びなかったが、驚くべき回復。医師も驚いたが、ハチミツと断食で治したと言うと苦笑していた。

◆病気や怪我や衰えは、心身からのメッセージ

 こうして、虫歯や風邪や発熱も、食事療法や食べ方(断食、よく噛む、間食しない、腹を空かしてから食べる、など)で治してきた。歳を重ねて出てくる症状も、原因を見つめ、生活習慣を改めるとともに、ちょっとした姿勢の改善や呼吸法、身に着ける下着や服を変えたり工夫したりで徐々に治してきた。

 結果、歳を重ねながらその都度その都度、支障が出てくる肉体の変化を、原因追究とその改善と対処で乗り越えているわけだ。加齢や環境とともに体は変わり続けていく。歳を重ねる楽しさは、その駆け引きにあると言ってもいい。知恵と対応力を重ねることが、自分と向き合い、自分をいたわり、自分を愛し、結果として人を思いやれるようになるのだと思う。

「常に今が一番健康だ」と感じながら、この年齢まで歩んでこれた。「人の体ってすごい」ということとか、体の衰えと向き合う知恵とか、その都度、気づきや学びがあった。歳を重ねるのも悪くないと思えるようになった。病気や怪我や衰えは、心身からのメッセージなのだ。

 そうしたメッセージを受け止めて心身を見つめるとか、対処するための情報収拾とか、改善への試みや試行錯誤とか、時間があれば誰でもできる。しかし、働きすぎの現代人はその時間と余裕を取れないから薬や病院に頼るしかない。

 自分の肉体なのに、他力依存になる。対処療法である現代医療では、治療はその場しのぎのものになりかねない。原因が改善されなければ、同じ病や怪我を繰り返し、それが積み重なればいつか取り戻せないことにもなりかねない。

◆薬の効果と副作用は、表裏一体

 昨今は、多用されている薬の弊害が医学的、科学的、統計的にもわかってきた。例えば、今まで原因不明とされてきたパーキンソン病発症の原因が「抗生物質の多用」による可能性がある、とフィンランドの研究機関が発表した。

 睡眠薬や抗不安剤は高齢者ほど処方されるケースが増えるが、それらを多用するほど転倒や骨折、認知症につながり、薬依存を起こしやすく、死亡リスクが上がるという研究報告も数多くある。

 義理母もまさにその状態だった。認知症の進行を防ぐための処方薬を服用すると、足がもつれてフラフラと歩き、危なっかしい。それで薬の服用を止めたら改善した。薬の効果と副作用は、表裏一体なのだ。

◆世の中にはびこる「滅菌」「殺菌」「抗菌」の逆を行く

「農業者の健康寿命が長い」という早稲田大学の研究報告もある。農業者はそれ以外の人より、男性で8年・女性で2年長生きするという。現役引退年齢は男女ともに10年長く、入院件数が少ない。入院経験ゼロの人も珍しくなく、老衰で亡くなる“ピンピンコロリ”が多い。結果として、医療費は3割も少なくなっている。当人や家族の負担が少なくなるだけでなく、自治体や国の医療費減少にも貢献するわけだ。

 さらに東北大学の研究では、日本食を多く摂っている人では認知症の発症が20%も少ないことが明らかになった。

 ヒポクラテスは、以下のように語っている。

「食べ物について知らない人が、どうして病気について理解できようか」

「汝の食事を薬とし、汝の薬を食事とせよ」

「満腹が原因の病気は、空腹によって治る」

「月に一度断食すれば、病気にならない」

「人は自然から遠ざかると、病気に近づく」

「病気は人間が自らの力をもって自然に治すものであり、医者はこれを手助けするもの」

「人間は誰でも体の中に100人の名医を持っている」

 俺は千葉県匝瑳市で10年前から米を作り野菜を育てている、にわか百姓だ。“堕農”だが、それでも食べ物の一部を自分で育てている。野菜をおすそわけされることも多く、たいていは土つきのままもらう。

 旬の季節に採れるものはたくさん収穫されて余るので、近所や仲間で融通し合うわけだ。すると、野菜を買わなくなる。結果、季節外の野菜を食べなくなる。季節外の野菜を食べたいとも思わなくなる。季節の野菜で作った料理を食べていれば、そうそう病気にはならない。

 野菜を栽培しても、お裾分けをもらうにしても、土に日々触れることになる。間違って土や微生物が口に入ることもある。いや、口に入ったっていいと思っている。微生物が入ることにより、腸内細菌の活動が活発になって免疫力が高まると思うからだ。

 抗生物質が危ない理由は「腸内細菌を死滅させるから」というのは、さまざまな研究で常識になってきている。俺は、世の中にはびこる「滅菌」「殺菌」「抗菌」の逆を行っている。ほどよく汚く生きているのだ。微生物豊富な自作の発酵食品(味噌・醤油・梅干・漬物など)も毎日食べる。そのおかげで耐性ができたのか、病気や感染に強くなった。

 自然に近づき、ほどよく汚く暮らす。季節の野菜を中心に、空腹になってからよく噛んで食べ、ときに断食する。病気や怪我はメッセージと受け止め、体の変化に合わせて自らをリフォームしていく。自らのレジリエンスで健康になり、薬も病院も遠い存在になる。何より、薬や病院に払うお金と費やす時間が減るのは嬉しいじゃないか。

【たまTSUKI物語 第23回】

<文・写真/坂勝>

【坂勝】

1970年生まれ。30歳で大手企業を退社、1人で営む小さなオーガニックバーを開店。今年3月に閉店し、現在は千葉県匝瑳市で「脱会社・脱消費・脱東京」をテーマに、さまざまな試みを行っている。著書に『次の時代を、先に生きる〜まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ』(ワニブックス)など。また、筆者の「誰にでも簡単に美味しい料理ができる」調理方法とレシピをYoutube「タマツキテキトー料理 動画&レシピブック」で公開中。

【sosa project】

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