相席屋、ナンパ居酒屋…「出会い系飲食店」。ニーズによって変わる店のスタイル<アラサー独女の婚活・恋活市場調査5>

相席屋、ナンパ居酒屋…「出会い系飲食店」。ニーズによって変わる店のスタイル<アラサー独女の婚活・恋活市場調査5>

相席屋、ナンパ居酒屋…「出会い系飲食店」。ニーズによって変わる店のスタイル<アラサー独女の婚活・恋活市場調査5>の画像

◆相席屋の登場で普及した「出会い系飲食店」

 初対面の出会いを警戒する日本で「相席による出会い」がここまで浸透したのは『相席屋』のおかげかもしれない。2014年に株式会社セクションエイトが立ち上げた、初めて会う男女をマッチングさせる飲食店『相席屋』。都会ではHUBなど、ごく限られた場所でのみ受け入れられていた「相席による異性との出会い」が、相席屋の浸透によりさらにカジュアルになったといえる。

 筆者はその当時女子大生だったが、マッチングアプリをやり始める人がチラホラ出てきた頃に登場した相席屋の当初の勢いは凄まじかった。渋谷や新宿などの店舗は行列ができるほどの人気で、電話予約をしてまで相席屋に通って、次から次へと知らない人と話した。

 2020年現在では、「相席」業態を取り扱う飲食店の数もだいぶ増え、それぞれの店が個性を出して顧客を取り合っている。空前のブームは去ったような雰囲気もあるが、令和の「出会い系飲食店」の今は、どうなっているのだろうか。

◆人気があるのはナンパ自由なバータイプ

 現在、出会い系飲食店は大きく2つのパターンに分けることができる。店員のサポートによるしっかりとした相席を提供するタイプと、立ち飲みバー形式で客同士の声かけがラフに行えるタイプだ。

 現在、都会では特にラフにナンパできる立ち飲みバータイプの店舗が人気を博している。バータイプのメリットは2つある。1つ目は相席タイプの飲食店よりも回転が早く、料金も相席タイプのものより安く設定されていることが多いことだ。相席タイプの飲食店はたいてい女性の料金が無料、または低価格なのに対し、男性は料金が普通の居酒屋で飲むよりは高いくらいにガッツリと財布から飛んでいく。

 2つ目は、バータイプは相席タイプよりも店員のサポートは少ないが、客が自由に店内の異性に声をかけられるため、自分のタイプの異性にダイレクトに狙いを定められることだ。初対面の声かけに抵抗がない人はまずバータイプの方がコスパがいい。恵比寿や銀座などのナンパ街では特に、このバータイプの店舗が混み合っている。

 マッチングアプリやストリートナンパの浸透で、日本の出会いへの警戒心は昔に比べて下がりつつある。出会いにある程度量を求める、いわゆる「コミュ強」と言える人々はバータイプの出会い飲食店が向いていると言える。

 しかし、相席タイプの飲食店にもならではの良さがある。席につくまで店員にサポートされるシステムの相席タイプは、ナンパで自分から声をかけるのは躊躇してしまう人にはありがたい。一定の需要があるからこそ、都会ではバータイプがどれだけ人気でも、相席タイプの飲食店も廃れてはいない。

◆ライト層に受けるバー相席と、ガチ婚活層に受ける相席居酒屋

 バータイプはより低価格化していくのに対し、相席タイプはむしろ客単価の高い店舗がどんどん増えている。よりラグジュアリーな空間にこだわった『FIX LOUNGE』や、おひとりさま同士をマッチングする『SINGLE』など、客単価が上がっても、満足度の高いサービスを提供するものも数を増やしている。バータイプは客単価を下げる代わりに回転率をアゲている感じがあって、実際に行ってみると客の入れ替わりも激しく、声をかけまくればそれなりの人数と知り合うことはできるが、安い分入店ハードルは低く、冷やかしやワンナイト目的の人も多い。

 それに比べて相席タイプに集まる人たちは、1万円近い単価を毎回払ってでも「リピーター利用」する人が多いという。実際に相席に通う人たちも、店の中で二度目ましてが起こることも少なくはないようだ。実際に行ってみても、やはり高単価相席に通う人々は「結婚意欲」「交際意欲」が高い人が多い。同じく真剣な意欲の高い人を見つけるために、あえてハードルの高いラグジュアリーな相席を選んでいるようだ。

 バータイプの出会い飲食店は相席サービスを店から強要されるものではないので、ストリートナンパに近いような空気感がある。こちらは結局自分からも行動しないと店内の異性と関われるわけではないので、コミュニケーションに自信がない人にはしんどいところがある。マッチングアプリのような一期一会の出会いを、一日に効率的にしたい人はバータイプ。街コンのように設定された相席環境の中で、しっかり個人と関わりたい人は相席タイプの店舗に行くべきだろう。

◆相席卒業には「店外コミュニケーション」が大事

 出会い飲食店は、恋活の形としては比較的手軽だ。街コンのようにイベントとして不定期開催されるわけではないので、行けばいつでも異性に出会えるので、困っている人は長く通うことになる。

 出会い系飲食店ではその日その時によって出会える異性が違う。ざっくり分けるとバータイプには夜遊び好きな人たちが集まりやすく、相席タイプには少々クセがある恋活難民たちが集まりやすい。特に混むのはやっぱり金土だ。その時の自信の恋活への姿勢によって行く場所を変えればオーケーだ。

 出会い系飲食店でしっかりカップルになっていく人たちは、相席飲食店の外でもしっかりコミュニケーションができる人たちだろう。その日のうちに場所を変えて飲み直し、連絡先を交換してすぐデート。出会いに貪欲な人が集まっているはずなので、ぼーっとしていると相手はすぐに次の人に行ってしまう。スピード感を持ってその人との関係を詰めることで、出会いの場に行く間もなく交際を始めよう。

 その際、相手とのスタンスがズレすぎていないかどうかにも注意しよう。相手が恋活、自分は婚活、というようなスタンスのズレがあると関係がこじれやすい。いつでも出会える相席系飲食店に来る人は、何かしら今の生活にマンネリ感を感じている人だ。ピンとくる人がいたら猛アタックして、一緒にさっさと相席卒業することが大切。

<取材・文/ミクニシオリ>

【ミクニシオリ】

1992年生まれ・フリーライター。週刊誌などにアングラな性情報、最新出会い事情など寄稿。逆ナンや港区合コンの現場にも乗り込み、恋愛経験を活かしてtwitterで恋愛相談にも回答。カルチャーにも素養がある生粋のサブカル女子。Twitter:ライタ〜ミクニシオリ

関連記事(外部サイト)