新型コロナウイルス、都内中小企業の約半数が「半年以内に影響出る」と回答。必要な支援とは。

新型コロナウイルス、都内中小企業の約半数が「半年以内に影響出る」と回答。必要な支援とは。

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 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている。日々感染者が増え、世界各国で経済への影響やイベントの中止など新型コロナウイルスによってもたらされる甚大な被害は、まさに予想だにしない衝撃的な出来事と言えるほどだ。

 東京都産業労働局は、令和2年2月19日から21日の3日間にかけて 「新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響度・実態等に関する調査」を実施。都内中小企業182社を対象に、新型コロナウイルスが事業活動に及ぼす影響について、電話による聞き取り調査を行った。中小企業は、新型コロナウイルスの事業への影響や今後の先行きについて、どのように考えているのだろうか。

◆新型コロナによる経済損失を出す企業は5割に

 まず、事業への影響については「当面、影響は出ないと思う」と回答した企業も33.5%あった。一方で「現在影響が出ている」が29.7%、1か月以内から半年以内に影響が出ると思うという回答が計22.5%と新型コロナウイルスによる経済的損失が見込まれる企業は半数以上に上る。

 影響が出ていると回答した企業の業種別では、宿泊業や飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業が高い結果となった。新型コロナウイルスの収束の見通しが立たない中、感染拡大が長期化すれば経済へ与えるダメージも大きくなる。

◆痛手を被る業種は宿泊業や生活関連のサービス業

 今回の調査対象となった企業で、中国との取引やビジネス上の関連はあるかという質問に対し、約6割は「関連がない」との回答であった。「関連がある」と答えた企業のうち約2割は「製品や商品等(原料含む)の輸入もしくは仕入れをしている」と回答した。

 訪日中国人による消費のほか、製品や商品等の輸入もしくは仕入の関係や、中国本土に支店・工場を運営するなど、中国との関わり合いが強い企業ほど、新型コロナウイルスによる業績への影響が大きいと言えるだろう。

 特に顕著だったのは、宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業・娯楽業だ。顧客の一定数が中国からの観光客や来訪者の割合で占められるため、政府が水際対策として進める入国制限が長く続けば、これら業種の事業継続性も危ぶまれる事態になるかもしれない。

◆正確で迅速な情報提供が必要

 では、中小企業はどのような支援策を必要としているのだろうか。

 事業を継続させるためには一定の資金が必須だ。製造業や運輸業、郵便業といった業種を中心に、融資(資金の確保)が必要と回答した企業が32.6%に上った。また、「中国企業に代わるあらたな取引先の紹介や原材料等の確保」と15.2%の企業が回答した。

 「その他」の回答は約4割に上ったが、その多くは、新型コロナウイルスの感染を予防するためのマスクや、消毒薬等の衛生資材の供給に関する支援だった。

 衛生資材メーカーも稼働時間を延ばし、急ピッチで製造しているものの、一般消費者や事業者含め、全てに行き渡っていない状況が続いている。

 連日、マスク不足が報じられているが、いつから安定供給されるのか不安が募るばかりだ。自由意見についても、マスクやアルコール消毒液の供給について、正確で迅速な情報提供を求める声が寄せられた。こうした中、東京都は3月6日、都内全区市町村を対象にマスクを計20万枚提供することを発表し、順次配送する予定だという。

◆先行き不透明な新型コロナ……春は来るのか

 また、国の新型コロナウイルスへの対策も刻一刻と変化する。2月25日に「新型コロナウイルス対策基本方針」を発表し、集団感染を防止するためにイベントの自粛や

テレワーク、時差出勤を推進するよう企業に呼びかけ、3月2日には全国の小中学校を臨時休校とした。

 そして、3月9日には中国や韓国からの入国制限を強め、水際対策の抜本的強化に向けた取り組みを次々と行っている。

 未だ先行き不透明な新型コロナウイルスの収束。まもなく、春の訪れとともにお花見シーズンや新学期、入社式が始まる頃だが、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが効かなければ、「始まりの季節」にも関わらず節目にふさわしくない幕開けとなってしまう。

 事態が一刻も早く落ち着き、平穏な日常が訪れるのを願うとともに、健康管理や感染予防のためのうがい・手洗いなど一人ひとりが新型コロナウイルスから身を守る意識を持つことが大切だろう。

<文/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

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