事実上24時間365日拘束。住み込み働かされるスーパーホテル「支配人」。大病や精神を患う人も

「スーパーホテル」支配人ら事実上24時間365日拘束 病院行けず大病や精神を患う人も

記事まとめ

  • 「スーパーホテル」上野入谷口店の支配人のSさんと副支配人の渡邉さんが実情を訴えた
  • 業務は事細かにマニュアルで定められ、ペン1本買うのにも会社の稟議が必要だという
  • 2人は住み込みで働くよう契約で定められ、実質24時間365日拘束されている状態

事実上24時間365日拘束。住み込み働かされるスーパーホテル「支配人」。大病や精神を患う人も

事実上24時間365日拘束。住み込み働かされるスーパーホテル「支配人」。大病や精神を患う人も

事実上24時間365日拘束。住み込み働かされるスーパーホテル「支配人」。大病や精神を患う人もの画像

◆全国展開のスーパーホテル、支配人との契約が問題に

 全国に146店舗、海外に3店舗展開する「スーパーホテル」。都内でも1泊5000円前後から宿泊できるリーズナブルなビジネスホテルだ。

 各店舗の支配人と副支配人は、ホテル側と業務請負契約を結んでいる。業務請負契約の場合、「労働者」ではないため、労働基準法の保護は受けられない。しかしスーパーホテルの支配人と副支配人は、実態としては「労働者」であるという。

 4月10日、首都圏青年ユニオンが上野労働基準監督署に申告を行い、同日記者会見で明らかにした。

◆1400ページにもなるマニュアル、仕事に裁量はなし

 訴えたのは、スーパーホテル上野入谷口店の支配人のSさんと副支配人の渡邉さん。2人は、2018年9月から、契約を結び、ホテルに住み込みで働き始めた。業務内容は、フロントから経理、朝食の準備、駐車場管理など多岐に渡ったという。渡邉さんは、ホテルでの仕事について、こう話す。

「シフトは朝5時半から21時まででした。朝食の準備に始まり、チェックアウトの対応や前日の稼働率の報告といった業務が無数にあり、まとまった休憩は一切取れませんでした。食事を取りながら、お客様の対応をするような状態でしたね。

 シフトは21時までですが、それ以降も客室の対応をしなければならないことがあります。またこの仕事を始めてから、丸一日休めた日はありません。支配人や副支配人の中には、働きすぎで、病院に行けずに大病を患う人や精神疾患になる人もいます」

 業務は全て1400ページにもなる膨大なマニュアルで事細かに定められているうえ、ペン1本買うのにも会社の稟議が必要だという。そのため、青龍美和子弁護士らは、「働き方に裁量がなく、労働基準法上の『労働者』に当たります」と指摘する。

◆残業代はそれぞれ約1500万円に上る見込み

 他にも、様々な理由から2人が「労働者」であると考えられるという。まず、支配人と副支配人がどのホテルに配属されるのかの決定権はホテル側が握っている。清掃業者や朝食を用意する業者も決められており、自分たちで選ぶことはできない。

 また、2人は住民票をホテルに移して、住み込みで働くよう契約で定められていた。ホテル内の居住スペースには防犯カメラのモニターや連絡用の電話機が設置されており、何かあれば夜中でも対応しなければならない。実質、24時間365日拘束されている状態だ。

 代理人弁護士らは、「働き方としては、支配人も副支配人も『労働者』に当たると言えます。会社は労働基準法の適用を逃れるため、業務委託契約を結んでいるのでしょう。しっかりと労基法を守ってもらいたいと思います」と話す。

 「労働者」ならば、残業代が発生するはずだ。代理人弁護士らの計算によると、1年半の未払いの残業代は、支配人のSさんが1586万1184円、支配人の渡邉さんが1486万816円にもなるという。

 首都圏青年ユニオンの原田仁希さんは、「ユニオンに、スーパーホテルの分会を立ち上げました。全国の支配人、副支配人に呼び掛けていきたいと思います。また、今後もホテルとの『協議』を続けます」と話した。

<取材・文/HBO編集部>

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