「電話再診」で医療従事者を守れ。 新型コロナ災害下を生き抜くヒント

「電話再診」で医療従事者を守れ。 新型コロナ災害下を生き抜くヒント

tiquitaca / PIXTA(ピクスタ)

◆医療従事者は最前線で奮闘している

 致死性を持つウイルス“新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)”が世界中で猛威を奮っています。衛生管理に神経質なほどに厳しい国、と言われることの多かったここ日本でも、新型コロナウイルスは次々と感染者を生み、日本を瞬く間に緊急事態状態に陥れてしまいました。

 このような深刻な状況下で私たちの健康と命を守ってくれるのは、言うまでもなく医療従事者たちです。彼ら/彼女らは、新型コロナウイルスに侵された人たちを1人でも多く救うべく、いまだ謎の多いこの感染症(COVID-19)と日夜、闘い続けています。

 先の見えない不安定で異常な状態が続く世の中では、メンタル面に不調をきたす人も増えるかもしれません。そのような時に頼りになるのもまた、精神科/心療内科医、臨床心理士、理学/作業療法士、そして、産業医、保健師、薬剤師などの医療従事者たちです。

 彼ら/彼女らを守るために、私たち一般人に何ができるでしょうか。

◆電話再診 〜 自身と医療従事者を救うために

 医療従事者たちに助力するために、我々にできることがあります。その一つが「電話再診」です。

 これは、かかりつけの病院を受診(※ 再診)する際に、病院には行かず、電話を通じて診察を受け、処方箋を発行してもらう、というものです。この診察方法によれば医師と対面する必要がなくなり、待合室で他の患者さん達と一緒になることもありません。それにより、病院内で自分から他人へ、他人から自分へ、新型コロナウイルスをうつしてしまうのを防ぐことができます。

 繰り返し報じられているように、新型コロナは、まだ何の症状も表れていない感染者からもうつり得るという、困った性質をもっています。したがって、無症状の人(例えば、新型コロナかもしれない症状はないが、持病の腰痛で整形外科を受診したい人)であっても、電話再診を利用することには意味があります。

 電話での診察が終わると処方箋が発行され、かかりつけの調剤薬局までFAXで送られます。頃合いをみて薬局に行き、薬を受け取りましょう。薬局まで行きたくない場合は、薬を自宅まで郵送してもらえるかどうか、薬局に尋ねてみるといいでしょう。もしも郵送可であれば、調剤薬局まで行く必要がなくなり、薬剤師さんや他のお客さん達にうつしてしまう心配もなくなります。

◆電話再診の注意点は?

 電話再診には幾つかの注意すべき点があります。

●注意点1:名前に“再診”とある通り、原則として“初診”には利用できません。初診の場合には病院に行き、医師に対面で診察してもらう必要があります。(まだまだ不確定ですが、初診をオンラインで出来るようにしようという動きがあります*。これは政府や厚生労働省が新型コロナ対策として打ち出したもので、実現されれば院内感染防止の強い武器になり得るものです。どのような形で実現されるか、経緯を見守りましょう)

〈*“新型コロナで初診オンライン容認 厚労省、当面の間の時限的な措置|共同通信、4月5日、”オンライン初診「特例中の特例」、日医 都道府県には問題事例の収集・検証を要望”|医療介護CBnews 、4月8日〉

●注意点2:電話再診が利用できるのは、原則として病状が安定している人のみです。前回の受診時と比較して病状が目立って変化している場合には、医師から対面での診察を求められるでしょう。自分の場合に電話再診が可能かどうか、次の診察日の数日前までに病院に確認しておきましょう。

●注意点3:病院のホームページに電話再診の案内がない場合でも、じつは電話再診を行っている、ということがあります。実際、筆者のかかりつけ病院がそうでした。まずは電話で病院に尋ねてみましょう。

◆医療従事者、自分、そしてみんなを守るために

 新型コロナ災害が過ぎ去るまで、筆者はこの電話再診という仕組みを可能な限り、積極的に利用していくつもりです。そのようにして院内感染の発生確率を少しでも下げることが、医療従事者を、自分を、そしてみんなの命を救うことになると考えるからです。

<文/井田 真人>

【井田 真人】

いだまさと● Twitter ID:@miakiza20100906。2017年4月に日本原子力研究開発機構J-PARCセンター(研究副主幹)を自主退職し、フリーに。J-PARCセンター在職中は、陽子加速器を利用した大強度中性子源の研究開発に携わる。専門はシミュレーション物理学、流体力学、超音波医工学、中性子源施設開発、原子力工学。

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