緊急事態宣言下で増すコロナへの不安。エクストリーム・アスリートに学ぶ「心を鎮める問いかけ」とは

緊急事態宣言下で増すコロナへの不安。エクストリーム・アスリートに学ぶ「心を鎮める問いかけ」とは

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 こんにちは。皆様はどうお過ごしでしょうか。とうとう緊急事態宣言が発令されて、不安な毎日を送っている方も多いのではと思います。実際に、欧米ではストレスからDVなどが急増しているという報道もありました。

◆「不安」に対する扱い方を問い直す

 本日は、世界的なエクストリーム・スキープレーヤーとして数々の難所・大技を攻略し続け、「世界最高の女性エクストリーム・スキーヤー」や「北米で最も恐れ知らずの女性アスリート」にも選出された、クリステン・ウルマーの著書、『不安を自信に変える授業』(ディスカバー21)から、不安を鎮める方法をご紹介したいと思います。

 本書でウルマーがまず述べていることは、「不安を無理に抑え込んではいけない」ということです。何故かといえば、抑圧された不安は歪な形で表面化し、自分や他人にレッテルを貼ったり、誰かを責めたり、思考を乗っ取られたりして、良いことはひとつもないからです。

 ではどうするのか。「不安」も、「自分」という名の会社を構成する、大切な従業員のひとつであることを認め、大切に扱うのです。そして、彼の声を真摯に聴くのです。具体的なやり方を以下で説明します。

◆質問をとおして「不安」の原因と対応を探る

 まず、椅子などに座って静かに呼吸をしながら、「自分」(という名の会社)に向けて、次のような質問(自問自答)をします。目をつぶっても良いでしょう。

・「自分(会社)は『不安』(従業員)に対して今、どんな扱いをしていますか?」

・「『不安』(従業員)は大人っぽいですか?子供っぽいですか?」

・「子供っぽいとすれば、それは、自分(会社)の何が原因で子供っぽくなっていますか?」

・「『不安』(従業員)は、どれだけ長く自分(会社)に留まっていますか?」

・「その理由は何ですか?」

 次に、「不安」(という名の従業員)に向けて、次のような質問をします。

・「『自分』(会社)のためにする仕事は何ですか?何を感じていますか?」

・「『自分』(会社)の中で、あなた(不安)はどんな役割を演じていますか?」

・「『自分』(会社)の目標達成に、あなた(不安)はどう貢献していますか?」

・「『自分』(会社)から、あなた(不安)はどんな扱いを受けていますか?」

・「『自分』(会社)の目標に対して、あなた(不安)は何か言いたいことはないですか?」

・「あなた(不安)が話す機会を与えられたら、『自分』(会社)にどんなアドバイスをしたいですか?」

 更に「不安」(という名の従業員)にヒヤリングを続けます。

・「あなた(不安)が最も不安を感じていることは何ですか?」

・「あなた(不安)が存在をアピールしないといけない理由は何ですか?」

・「もしあなた(不安)が『自分』(会社)の経営陣に歓迎されるようになったら、『自分』(会社)はどう変わると思いますか?」

 こうして、「不安」を邪魔者扱いせず、正当に扱うことで、不安は徐々に薄まっていくといいます。(注:本書に載っている質問リストはかなり多いので、一部を抜粋し、わかりやすい言葉に変換しています)

◆「新型コロナウイルスへの不安」を鎮める

 では実際にやってみましょう。ここでは、私自身が「新型コロナウイルス」への不安に関して、上記の質問に自分だったらどう回答するかを考えて、書き出してみました。

 まずは自分(会社)への質問と回答です。

Q.「自分(会社)は『不安』(従業員)に対して今、どんな扱いをしていますか?」

⇒A.厄介者扱いしている。消えてほしいと思っている。

Q.「『不安』(従業員)は大人っぽいですか?子供っぽいですか?」

⇒A.子供っぽい。

Q.「子供っぽいとすれば、それは、自分(会社)の何が原因で子供っぽくなっていますか?」

⇒A.目を背けているから。

Q.「『不安』(従業員)は、どれだけ長く自分(会社)に留まっていますか?」

⇒A.コロナが蔓延してからずっと。

Q.「その理由は何ですか?」

⇒A.不安の声に耳を傾けてあげていないから。

 次に、不安(従業員)への質問に対する回答を考えてみたいと思います。

Q.「『自分』(会社)の中で、あなた(不安)はどんな役割を演じていますか?」

⇒A.最悪、死に至るこのウイルスから全力で身を守るように警鐘を鳴らしている。

Q.「『自分』(会社)の業績に、あなた(不安)はどう貢献していますか?」

⇒A.「命を守る」という最も根幹の部分で会社(自分)を支えている。

Q.「『自分』(会社)から、あなた(不安)はどんな扱いを受けていますか?」

⇒A.根幹で支えているのに、不当に低い扱いを受けている。

Q.「『自分』(会社)の目標に対して、あなた(不安)は何か言いたいことはないですか?」

⇒A.「自分と家族の命を守れ」と言いたい。

Q.「あなた(不安)が話す機会を与えられたら、『自分』(会社)にどんなアドバイスをしたいですか?」

⇒A.上記に加えて、今生きていることの有難さを認識し、一日一日を大切に生きること。

 更に続けます。

Q.「あなた(不安)が最も不安を感じていることは何ですか?」

⇒A.不必要な外出などをして、自分や周りの人を危険にさらすこと。

Q.「あなた(不安)が存在をアピールしないといけない理由は何ですか?」

⇒A.「自分」が現在の危険性や命の大切さについて意識が低いから。

Q.「もしあなた(不安)が『自分』(会社)の経営陣に歓迎されるようになったら、『自分』(会社) はどう変わると思いますか?」

⇒A.不要不急の外出を更に減らし、大切な家族と一日一日を大切に過ごすようになる。

◆「感情」を「思考」へと変換する

 ここまで書き出すと、不安はだいぶ薄まってきます。それは「コロナに対する不安」という漠然とした「感情」が、「一日を大切に生きよう」とか「そのためにできる限り外出を減らそう」といった、理性的でより有用な「思考」として、変容を遂げるからです。そしてそれはもはや、不安ではありません。

 

 とても簡単な方法ですので、皆さんも漠とした不安やストレスを抱えていたら、ぜひ上記の方法を試してみてください。

<文/高田晋一>

【高田晋一】

たかだしんいち●(株)成功データ研究所 代表取締役。作家。データアナリスト。成功哲学/自己実現の専門家。早稲田大学第一文学部哲学科卒業、英国国立ウェールズ大学経営大学院Postgraduate Diploma取得。電通グループ各社で10年以上にわたり、リサーチ・ディレクターとして市場調査やデータ分析を担当。

「一生懸命努力してきたのに、なぜ自分は成功を手にできないのか?」という長年の疑問から、成功哲学に関する研究を始め、1000冊以上の文献を調査してあらゆる自己実現法を自ら試し、独自のメソッドを確立。その後独立し、「叶ャ功データ研究所」を設立。これまでの研究結果を書籍やセミナー、記事などを通じて発表しているほか、「本当にやりたいこと」を発見し、実現するためのコンサルティングサービスなどを行なっている。

著書に、『「人生成功」の統計学 自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』(ぱる出版)、『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方』(サンクチュアリ出版)、『大富豪の伝記で見つけた 1億稼ぐ50の教え』(サンクチュアリ出版)、『成功法則大全』(WAVE出版)『やってみてわかった 成功法則 完全実践ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など

HP:「成功データ研究所」 メルマガ:「今日の成功データ」

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