緊急事態宣言解除でパチンコ店も営業再開。コロナ感染対策目線での良い店と悪い店はどこで見分ければいい?

緊急事態宣言解除でパチンコ店も営業再開。コロナ感染対策目線での良い店と悪い店はどこで見分ければいい?

bee / PIXTA(ピクスタ)

◆39県で緊急事態宣言解除。パチンコ店も営業再開へ

 新型コロナウイルス感染症に関わる政府の「緊急事態宣言」が39の県で解除され、感染症対策は強く求められるものの、経済活動が徐々に緩和され始めた。

 一部のパチンコ店は、自治体の自粛要請にも関わらず営業を続け社会的な批判を浴びる形になったが、今後は自治体の要請を受け協力休業を行っていたパチンコ店の多くも営業を再開する。

 自治体と世間からあらぬバッシングも受けたパチンコ業界であるが、今後はウイルス対策の徹底を図りながら営業を始める。

 しかし全国には9000店のパチンコ店があり、そのパチンコ店を運営する企業は3000社程度になる。そのすべてが十分な対策を取れるのかと言えば疑問符が付く。

 本稿では、パチンコ店が取り組んでいるウイルス対策と、客側の視点から見る、対策が「出来ている店」、「出来ていない店」の見分け方について言及したい。

 また主旨とは若干それるが、5月13日の記者会見において、東京都医師会の猪口正孝副会長が「パチンコ店でクラスターが発生している」旨の発言をし、その後事実誤認だったとして訂正・謝罪している。(参照:遊技通信web)

◆業界のリーディングカンパニーが作るガイドライン

 沖縄県以外の46都道府県にまたがり400店舗以上のパチンコホールを展開するダイナムは、「新型コロナウイルスに関する当社の取り組みについて」と題し、自店でのウイルス対策を各チェーン店舗に向けて詳細に説明している。ここで説明していない内容も含めると、自治体からの要請内容や店舗設備にもよるが概ね、9つのカテゴリーで具体的な対策を明示している。

@営業制限:短縮、休日の入場制限、(地域住民限定)

A入場時:入場整理、1.5m〜2m間隔での入場、検温、消毒、手袋配布(希望者)

Bカウンター:トレイ対応、並び間隔、シートの設置

C店内環境:BGMの停止、風除室開放

D従業員:手洗い、うがい、手袋着用、無発声挨拶、出勤前検温

E遊技台:消毒、消毒済みPOP掲示、飛沫防止ボード設置、間引き、音量低減

F喫煙室:閉鎖

Gレストスペース:雑誌類一時撤去、椅子等配置変更

Hトイレ:ジェットタオル停止、手洗い動画放映

 注目すべき点がいくつかあるが、その一つがCの「BGMの停止」とEの「音量低減」だろう。これは、店内騒音を抑える事で、客同士が大声で話すことによる飛沫の拡散を抑えるためのもの。

 もう一点が、Eの「飛沫防止ボード設置」と「間引き」営業。全国のパチンコ店が批判の槍玉に挙がった際に、西村担当相は「確かにパチンコは遊技台と向かい合いほとんど会話は交わさないが、隣同士で喋る場合もありリスクはある」旨の発言をしたが、客の間に、かつては分煙ボードとして設置していた透明なアクリル板を「飛沫防止ボード」として転用し、隣同士の客の飛沫拡散を防止している。

 この「飛沫防止ボード」が無い店では、遊技台の電源を2台に1台落とし、客同士が並んで座らないようにする、いわゆる「間引き営業」を行う事で対応する。

 新型コロナウイルスに感染するリスクをゼロにする事は、どの業種業態でも不可能であるが、そのリスクを出来る限り抑える努力は常に必要とされる。そのような観点から言えば、このダイナムの対策は、第三者的に見ても「やることは十分にやっている」と評価できる。

◆県ごとにも感染防止策を徹底させている

 実は前述のようなウイルス対策は、大手パチンコホール企業に限ったものでは無い。休業要請が解除され営業が再開された県の多くでは、自治体と県の遊技業組合が事前に話し合い、営業再開に向けたガイドラインを取り決めている地域も多い。

 例えば岡山県では、県下すべてのパチンコホールに対して、「岡山県知事からの営業再開に伴う要請(感染防止策)について」と題し、12点の対策を指示している。

1.入場者の整理(1メートル以上の間隔)

2.入場者へのマスク着用、従業員のマスク着用

3.有症状者の入場禁止(検温等)

4.手指消毒設備の設置

5.施設の消毒(共用部、概ね1時間毎)

6.施設内の換気(概ね30分毎に窓の開閉)

7.利用者の間隔(間引きかボード)

8.混雑時の入場制限

9.施設内で大声を出すことの禁止

10.施設内での激しい運動の禁止

11.遊技をしながらの食事の禁止

12.県外の居住者の入店禁止

 岡山県にあるパチンコホールは約130軒。設備の整った近代的なホールもあれば、昔ながらのパチンコ屋さんもある。そのすべてが出来得る対策としてのこの12点である。これらの施策は、パチンコホールのみならず、県内の多くの業種業態の一つの指標となる。

 このような営業のためのガイドラインは、岡山県に限ったものでは無い。パチンコ店への休業要請が解除されたほとんどの県において、このようなガイドラインは作成されている。

◆客自身が確かめなければならない

 本稿の主旨は、客の視点から見る「行って良い店悪い店」である。勿論、無理矢理にパチンコ店に行く必要は無いが、行く人は、前述の対策がおざなりになっているパチンコ店には行かないことをお勧めする。

 営業しているすべてのパチンコ店がしっかりと対策をしている訳では無い。逆に、近隣のパチンコ店が対策をしてないからといって、すべてのパチンコ店が同様な訳でも無い。足繁く通ったパチンコ店といえ、対策をしっかり講じているのかは、自分自身の目で見極めなくてはいけないという事。

 パチンコ店も政府が唱える「新しい生活様式」を営業に組み入れ、現状における最善を模索し続けている。パチンコ店だけではなく、映画館やボーリング場、ゲームセンター等の娯楽系業種をはじめ、様々な業種で経営者たちは頭を悩ませ最適解を得ようとしている。

 兎にも角にも、パチンコ店への休業要請を推進してきた行政や、多くの時間をパチンコ店批判に割いてきたメディアには、「開いているのか閉まっているのか」ではなく、対策をしっかりと「講じているのかいないのか」を基準に、厳しく監視してほしいものである。

<取材・文/安達夕>

【安達夕】

Twitter:@yuu_adachi

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