食事の時にマスクをどこに置く? アベノマスクより安くて便利な「マスクポケット」

食事の時にマスクをどこに置く? アベノマスクより安くて便利な「マスクポケット」

マスクポケットを持つ橋野昌幸社長

◆外したマスク、置く場所に困らない?

 使いかけのマスクを外した時、どこに置く?

 新型コロナのおかげですっかり世の中に定着したマスク姿。でも食事の時は外しますよね。それをどこに置いていますか? テーブルの上?

 それって衛生的ではないし見た目にもよくないでしょう。あごにかけたままでは食べにくいですよね。一人でデスクワークをする時も、自宅に帰った時も、外したマスクの置き場に困っていませんか?

 大阪のとある会社の会議で、一人の社員がこんな発言をしました。

「中国の大連にいる知り合いから聞いたんですが、あちらではレストランに行くとテーブルの上にマスクを入れるためのビニール袋を置いてあるそうです」

 これを聞いて社長の橋野昌幸さんは思わず膝を打ちました。

「それだ!」

 実は、橋野社長も前から気になっていたのです。

「政治家が記者会見の時にマスクを外して、横にいる秘書か誰かに渡すのを見たんですよ。でも、使いかけのマスクを人に渡しちゃダメでしょう。自分のポケットに入れる人もいますけど、それも不潔な感じがしますよね。何とかならないものかと思っていたんです。そこに社員からあの話を聞いて『これは商品にできる!』と直感したんです」

◆アベノマスクよりもはるかに安く、衛生的

 というのも、この会社は紙製品の加工が本業の「旭紙工」(本社・大阪府松原市)。紙でマスクを入れる袋を作れば湿気も通すし、ビニール袋より衛生的だというわけです。

 橋野社長の指示でさっそく試作品が作られました。紙を二つ折りにして下側だけを接着し、上と横を開いてマスクを差し入れやすくしました。表面には抗菌ニスを塗ってあります。

 注文に応じて、表と裏にいろいろなことを印刷できるのも紙ならでは。例えば自治体なら新型コロナウイルスに注意を促したり正しい手洗いの方法を周知したりできます。飲食店ならメニューやクーポン券を印刷してチラシ代わりに配ることもできます。

「プラスチックのケースと違って、紙だから薄いし軽いし、使い捨てにできるから衛生的でもあります。それに何より安いですよ」と橋野社長。気になるそのお値段は?

「印刷物ですから受注枚数によって値段は変わるんですけど、例えば最近ではある市から10万枚注文を受けて1枚5円で納入しました。全部で50万円ですよ。アベノマスクなんていくらかかりました? そんなんよりはるかに安くて実用的だと自負しています」

◆壁掛け型のマスクハンガーも考案

 実際ここに来て引き合いが増えています。大阪では地元松原市をはじめ泉佐野市、豊中市、吹田市などから受注しました。やはり6月15日から学校が全面再開されるのを前に、給食で使うことを想定しているようです。

 例えば裏側には、コロナ対策で子どもたちに気をつけてほしいことを印刷したりしています。受注総数は50万枚に上りました。これをさらに伸ばしていこうと、今回、知り合いの紹介で鳥取市に500枚、鳥取県境港市と倉吉市に200枚ずつを寄贈しました。

 さらに、外出先から職場や自宅に帰った時にマスクをかけておくことができるように、壁掛け型のマスクハンガーも考案しました。橋野社長はこう語ります。

「国策のようにマスクを着けていますけど、外したマスクをどうするかという仕組みが欠落しているように思えてなりません。そこで、例えば学校では給食を食べる前にマスクを外してマスクポケットに入れ、机の中にしまうという仕組みを提案させていただいております。これから暑くなるとマスクを外す機会が増えます。そんな時にぜひマスクポケットを。安くて便利、衛生的でっせ」

文/相澤冬樹

【相澤冬樹】

大阪日日新聞論説委員・記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『安部官邸VS.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)

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