コロナへの不安で性格が豹変!? 今すぐ始められる「保心術」とは

コロナへの不安で性格が豹変!? 今すぐ始められる「保心術」とは

photo via Pexels

 自主解除から一時期は東京都の感染者数が一桁になったもの、最近になって急に感染者が増え始めて100人を超える日が出た。まるで、北海道の第一波から第二波の流れに似ているようにも見え、このまま行くと再度、活動自粛が発令されるかもしれない。

◆悪いニュースが負のスパイラルに

 ニュースを見ると、コロナに関する暗い話題が多い。最近では、「ソーシャルディスタンス」と同じようにコロナ下で生まれた新しい言葉に「Doomsurfing」、または「Doomscrolling」というのもがある。これは、悪いニュースであるとわかっていても、夜遅くまでそのニュースを検索してしまう傾向のことだ。悪いニュースを見ると、その人の幸福度や生産性が下がってしまうという効果が発生する。

 人の気持ちが暗くなっていくだけでなく、コロナによってたまったストレスや恐怖で一部の人々の行動もおかしくなってしまっている。人に攻撃的になって、SNS上だけでなく対面でも誰かを傷つけてしまう人も現れてきた。

 そもそも、そういう人はコロナが拡散する前から、そういう攻撃的な気質を持っていたのかもしれないが、人は恐怖や不安などの感情に支配されると、その人からは想像もできないような行動を取ってしまう。

◆極限状態でこそ欠かせない「挨拶」

 コロナによって、人々の心や生活が厳しくなっていくなかで、私たちが人間としての尊厳を守るために行うべきことはなんだろうか。五木寛之さんの著書『大河の一滴』のなかで、環境保護活動家のC・W・ニコルさんから聞いた話が紹介されているので要約して紹介する。

 南極のような極地で最後まで自分を失わずに耐え抜いた人はどんな人か。それは、礼儀、身だしなみを忘れてなかった人だそうだ。

 朝起きたときの「おはよう」などの挨拶や「ありがとう」を必ずして、顔を洗って髭を剃って身だしなみを整えている社会的マナーを守れる人が最後まで頑張り抜いて弱音を吐くことがなかったそうだ。

◆心身に影響する「割れ窓理論」

 この仕組みは、心理学的には「割れ窓理論」を当てはめるよく理解できる。割れ窓理論とは犯罪心理学の領域で有名な理論で、犯罪の多かった街は割れた窓が多く、それを全部キレイに修復すると犯罪の数が減ったというものだ。

 環境の無秩序を放置しておくと、人間の無秩序も進んでいく。しかし、小さくても環境の秩序を整えることで、そこに住んでいる人の秩序も整っていく。

 この理論は、自分の身だしなみ、マナーをどれくらい守っているか、部屋をどれだけ整理整頓できているかにも当てはめることができる。服が乱れると心が乱れるのか、心が乱れると服が乱れるのかは、相互作用なのだ。

 リモートワークで家に引きこもって人に会うことが減ったが、それでも毎朝寝癖を直したり、男性の場合は髭を剃るなどを怠らない人、メールを使った人の姿が見えないコミュニケーションでも「ありがとう」や「こんにちは」などの礼儀を忘れない人は自己管理がしっかりできており、仕事のパフォーマンスも安定しているだろう。そして、監視の少ないリモートワークであろうと、しっかり仕事をこなしてくれるはずだ。また、習慣を守る余裕があるため、人に対しても優しくしていられる。

◆性格を変えるコロナショック

 みなさんはどうだろうか。外出することが少なくなって、身だしなみが乱れたりしていないだろうか。また、PC画面越しだと相手への共感力が下がってしまって、人に対する礼儀が疎かになっていないだろうか。

 小さな変化があなたの行動を大きく変えてしまう可能性があることを忘れてはいけない。たかが身だしなみ、礼儀でも、あなたの性格をちょっとずつ、だが確実に変化させてしまう。

 まずは、朝に家で仕事を始める前に、ちゃんと身だしなみを整えるところから、始めてみてはいかがだろうか。そして、部屋の整理整頓など、自分自身や周囲の環境の秩序を整えていくことで、自分を見失わず、自分の秩序を保っていってほしい。

 また、SNSを見ると自粛による不満の声が多く見えるが、その裏側でも、多くの人が昔の生活を取り戻そうと頑張ってくれていることを忘れてはいけない。そういう人たちに必要なのは、不安の声ではなく「優しさ」や「応援」の言葉のはずだ。

 コロナで不安や恐怖を感じていても、人間同士は優しくいられる世界になってほしい。

【参考資料】

『SNS 疲れを測る(1) 受動的 SNS ストレスイベント尺度の作成』森丈弓ほか

『成功が約束される選択の法則: 必ず結果が出る今を選ぶ5つの仕組み』ショーン・エイカー(徳間書店)

『大河の一滴』五木寛之(幻冬舎文庫)

<文/山本マサヤ>

【山本マサヤ】

心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。

関連記事(外部サイト)