届かないメール返信に管理部門からの催促頻発。リモートワークで社内の空気が険悪に……

届かないメール返信に管理部門からの催促頻発。リモートワークで社内の空気が険悪に……

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 新型コロナウイルスの感染拡大がおさまらぬなか、出社率を例えば50%に抑えるなどして、在宅勤務を常態化している企業が多い。なかには出社率を30%に設定し、週一度程度に出社を制限している企業もある。

◆メールや電話でのコミュニケーションに限界

 筆者はリーダーシップスキルやビジネススキルを向上させる演習プログラムをリモートで実施しているが、在宅勤務が長期化するなかで、モチベーションが上がらないという相談を受けることが多くなった。こうした相談を掘り下げていくと、社員間のコミュニケーションが円滑に進まないことが原因であると答える人が多い。

 どうやら、コミュニケーション手段が一気にメールや電話やリモート会議になったことにより、対面で話をする機会が格段に減ったり、間隔が開くことにより、意思疎通が進まず、相互のモチベーションが低下するようなのだ。

◆返信や提出期限が無視されるように

 例えば、次のような笑えない事例もある。事務担当者が、今月の営業実績報告書の提出締切日を、営業担当者へ連絡することになった。以前は、掲示板に締切日に赤線をひいた連絡文書を貼り出して注意喚起したが、メールで一斉に連絡した。ところが締切日になっても提出してこない人が続出したのだ。

 以前は、オフィスで会うたびに、特に忙しそうにしていて提出が危ぶまれそうな人や、期限どおりに送付してこないことが多い人には、さりげなく締切日を伝えていたが、それができずにメールだけのコミュニケーションになったとたんに、このありさまだ。

 営業担当者は、メールは山ほどくるし、自分だけが宛先のメールは注意深く見落とさぬようにしているが、多数が宛先に入っているメールはあと回しになりがちだと言う。事実、全営業担当者全員を一斉に宛先に入れて送信したメールだった。

 事務担当者は、毎回遅れる人に対しては半ば諦めていたが、これまで期限通りに提出していた人が、遅れるというメールや電話での連絡もなく、期限を過ぎても何も言ってこないことに憤慨していた。

 事務担当者とて、提出期限に少し余裕を持たせているし、これまでは営業担当者が「一日提出が遅れます」と言ってくれば、笑顔で「わかりました。よろしくお願いします」と返していたが、そうした立ち話の会話がなくなって、コミュニケーションが不足してしまったのだ。

◆社内メールで「督促」をする羽目に

 憤慨した事務担当者は、督促を出すことにした。メールのタイトルを「【督促】営業実績報告書の提出」というようにして、必ずメールを見てくれるように【督促】を強調した。

 しかし、ここからはイタチごっごになってしまった。それでも提出してこない営業担当者に対して、タイトルを「■■■督促■■■営業実績報告書の提出■■■○月○日最終締め切り■■■」とさらに強調。これを見た営業担当者は、提出しようというモチベーションが高まるどころから、タイトルの強烈さに恐れおののいたり、なかには不快さを感じて手が止まってしまうこともある。

 とうとう事務担当者からは、「■■■最終連絡■■■営業実績報告書の提出■■■○月○日23時59分59秒までに提出なき場合はゼロで入力します■■■」というタイトルのメールが発信されるに至り、営業担当者からは事務担当者の上司にクレームが届くという亀裂が生じてしまったのだ。

◆挨拶や声かけをどう補うか

 従来は出社すれば挨拶するし、お互いに気軽に一声かけあうことも日常茶飯事で、締切や多少の遅れはお互いに把握していて許容し合っていた。しかし、そうした声かけがなくなり、一斉メールでのやりとりになってしまったことで生じてしまったのが、コミュニケーションの欠落とモチベーション低下だ。

  営業担当者は、一斉メールがきて、それに返事が出せなかったとしても、「一日遅れる」と電話やメッセージ機能で伝えておけば、こうはならなかっただろう。事務担当者も一斉メールのタイトルを過熱させる前に、従来は立ち話で実施していたことをメールやメッセージ機能で行うことは手間かもしれないが、ひと手間かけて個別に連絡しておけば、ここまで断裂することはなかったとふりかえっている。

 モチベーションを高めるために工夫していることを聞くと、「挨拶をする」「気軽に声かけをする」ということを挙げる人が多い。在宅勤務が常態化するなか、これらの機会をメールやメッセージ機能で補うことが、コミュニケーションとモチベーションの低下に歯止めをかけることに役立つに違いない。

 質問:モチベーションを高めるためにどのようなことをしているか

 「モチベーションを上げよう、上げよう」と思っても、モチベーションが上がりません。自分のモチベーションを高めるために、あるいは他のメンバーのモチベーションを高めるために、世のビジネスパーソンはどんなことをしているのでしょうか?

 回答:モチベーションを高めるために、さまざまな工夫がされている

 「自分のモチベーションを高めるために、どのようなことを心掛けていますか?」「相手のモチベーションを高めるために、何をしていますか?」と聞くと、下のような答えが返ってきます。また、相手のモチベーションを高めることをしていると、自分のモチベーションも高まるという人がほとんどです。

 <モチベーションを高めるための工夫例>

 ・挨拶をする ・気軽に声をかける ・褒める

 ・感謝する ・その仕事の行き着く先をイメージする

 ・体を動かす ・仕事を休む ・旅行する

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第202回】

<取材・文/山口博>

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある

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