よく聞くけど実は知らない「アドラー心理学」。無駄な悩みを解消する「課題の分離」がスゴい

よく聞くけど実は知らない「アドラー心理学」。無駄な悩みを解消する「課題の分離」がスゴい

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 SNSが発達して他人の人生が見えるようになり、人々は容易に人の人生に干渉したり、されるようになった。最近、その行きすぎた干渉が誹謗中傷となり、それによって精神的苦痛を受けた著名人のニュースをよく目にする。

◆「こうあるべき」の押しつけあい

 今に始まった話ではないが、人は他人の人生に干渉しすぎているし、干渉されすぎている。他人の人生まで自分の人生の一部になってしまい、それが思い通りになるように干渉してしまう。

 私たちは、人に干渉したり、人に干渉されると感情的になることがある。例えば、職場で部下が思い通りに働いてくれないとき、奥さんと価値観が合わなかったとき、SNSにアップした内容が批判されたときなどだ。

 自分のなかにある「こうあるべき」に反していることを目にすると、それに対して心が反応して、怒りや不快感を感じたり、攻撃をしてしまう。芸能人の不倫のニュースを見たときに怒りを感じて、その人のSNSを攻撃してしまう人が、また他人の「こうあるべき」を強要されると、自分のなかの「こうあるべき」と反発を起こしてしまう。他人が自分の思い通りに動いてくれないというストレスを抱えてしまうのだ。

◆「課題の分離」とは何か 

 そういうときに、こみ上げる怒りをコントロールする方法として、「感情抑制」をする人がいるが、それはダムのなかに負の感情を堰き止めることであり、いつかダムが崩壊して感情が溢れ出してしまう。そして、溜まった感情が多いほど、強力な暴力となって周りや自分自身を攻撃してしまう。これは、他人事ではなく、私自身も同じことを感じることがあった。

 しかし、最近、アドラー心理学にある「課題の分離」を意識することで、この感情を上手く扱えつつあるように感じる。

 課題の分離とは、アドラー心理学の考え方だ。多くの人が「自分の課題」と「他人の課題」をゴチャ混ぜにしてしまっており、自分がどうにかすべきでない問題や、自分がどうにもできない問題に頭を悩ませてしまっている。そして、結果としてどうにもならなかったことで更にストレスを感じる。

◆他人を変えるにはまず自分から

 例えば、部下が言うことを聞かなくて自分がイライラしているとしよう。そのときに課題の分離を行なうと、部下が言うことを聞くかどうかは部下の問題であり、イライラするかどうかは自分の問題となる。

 普通であれば、どうすれば部下が言うことを聞くようになるか頭を悩ませるところだが、人を変えるのは簡単ではない。むしろ、人は自分が変わろうと思わない限り、変わることはできない。たしかに部下が言うことを聞くようにすることは大切だが、それよりも優先的に解決すべき問題は「自分の問題」である。

 ここでは、自分がイライラしてしまうことだ。それを解決することで、冷静に相手の課題と向き合うことができる。部下が言うことが聞かないことにおいて、問題は部下だけにあるのではなく、自分にも問題がある。そして、コントロールできることを改善させることが問題解決の近道だ。相手を変えるのは、自分の問題を解決してからだ。

◆「相手の課題」はバッサリと諦める

 アドラー心理学では、相手の課題に踏み込むことをよしとしていないが、私の考えではほかの心理学と組み合わせることで、「自分の課題を解決したあとに」なら、相手の課題に踏み込んでもよいのではないかと思う。

 または、もしかしたら、自分の問題を解決して人間として成長することで、自然と部下も内側から「指示に従おう」という気持ちが起きて部下の課題も解決されるかもしれない。

 まずは、相手の課題に踏み込まないために、部下が言うことを聞かないという「相手の課題」を解決することを諦めるのだ。そして、問題を解決するための「自分の課題」を明確にして、解決に取り組もう。

 私の実体験では、このように課題の分離を頭のなかで行なった瞬間、頭のなかがスッキリして、心がフラットな状態になる。感情の支配から解放される感覚を味わえるのだ。

 

 読者の皆さんも怒り、不安などの心の反応があった場合は、まずは「自分の課題はなんだろう?」と考えてみてほしい。自分ではどうにもできないことに干渉して精神力を浪費したり、ストレスが溜まっている人が多いからだ。

 他人の人生に干渉するのではなく、自分の人生と、自分が考えるべき課題だけにフォーカスすることで、人生は自分の行動ひとつで変化させることができる。「自分の人生は自由にハンドリングできる」ということに気づけるだろう。

 【参考資料】

 『嫌われる勇気』岸見一郎ほか

【山本マサヤ】

心理戦略コンサルタント。著書に『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』がある。MENSA会員。心理学を使って「人・企業の可能性を広げる」ためのコンサルティングやセミナーを各所で開催中。

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