元気だった人でも、収容が長期化するほど精神が病んでいく。「入管収容所」の現実

元気だった人でも、収容が長期化するほど精神が病んでいく。「入管収容所」の現実

元気だった人でも、収容が長期化するほど精神が病んでいく。「入管収容所」の現実の画像

◆絶望して自殺する被収容者も。入管収容所の実状

◆本来「一時的に留め置く」ための施設で長期収容

 出入国在留管理庁(入管)の収容施設は本来、送還する人を一時的に留め置くための施設です。それなのに近年、1〜3年、5年といった長期収容をすることが問題となっています。

「収容されるくらいだし、ビザがないのだから外国人のほうに非がある。収容されても当然なんじゃないだろうか?」と感じる人も多いと思います。

 しかし、その考え方からもう一歩だけ前に出てみてください。「彼らには、実は何らかの事情があるのでは?」と思っていただけるとありがたいです。

◆収容されている外国人たちの事情はさまざま

 収容されている外国人の中には、難民として母国から逃れてきた人もいます。高度成長期は、彼らがビザなしで日本にいることを政府が暗黙の了解で許していました。ところが不景気になると、急に取り締まりを厳しくしたのです。

 そのほか、ビザはあったのに日本人配偶者との離婚や死別によってビザの更新ができなかった人、何らかのトラブルでビザを喪失してしまった人もいます。

 また、奴隷同然に働かせられた実習生や留学生が、職場から逃げ出して捕まるケースもあります。彼らの中には、日本に来るために背負った借金を返済しなければ、帰国できない人もいます。実習生や留学生の問題は受け入れ側の問題で、本人たちだけに非があるわけではありません。

◆最初は元気だった人も、1週間後には……

◆入管は刑事罰を与える場所ではない

 刑事罰に課せられた人もいます。えん罪を主張している人も多くいますが、それを晴らすことはとても難しいのです。もちろん、本当に罪を犯してしまった人もいます。犯罪は許されることではありませんが、その人たちはすでに刑務所で刑期を終えています。

 刑期を終えたというのに、さらに入管収容所に収容される人がたくさんいますが、入管は刑事罰の場所ではありません。

「刑事罰を犯した人は速やかに母国へ帰るべき」という意見もわかります。しかし、すべてが同じ犯罪ではないし、事情もそれぞれです。まとめて考えるのではなく、一人ひとりの事情に配慮することも必要なことだと思います。

◆収容が長期化すると、精神を病んでいく人も

◆これからも、入管とはどんなところなのかを伝えていきます

 そして上記の人たちの誰一人として、収容所で拷問のような目にあっていいわけではありません。そして、入管にそのような権限もありません。

 これからも、収容されている人たちとの面会活動を通して、入管とはどんなところなのかを漫画で伝えていきたいと思います。みなさんが、入管についていろいろと考える機会になったら嬉しいです。

【ある日の入管 第2回】

<文・画/織田朝日>

【織田朝日】

おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)を11月1日に上梓

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