国立大卒・平均以上に整った顔と年収。なぜ彼は「魔法使い」目前なのか

国立大卒・平均以上に整った顔と年収。なぜ彼は「魔法使い」目前なのか

高橋一生似のイケメンだが……。

 “30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい”……。そんな揶揄からも分かるように、男性にとっても30歳は一つの節目となる年齢だ。”20歳まで童貞だと妖精になれる”という言葉もあるが、初体験年齢は徐々に遅くなってきており、20歳で未経験、というのはそこまで珍しいことではなくなった。

 しかし、30歳までとなると話はまた別だ。最も恋愛しやすい年齢はすでに終わり、そろそろ周りも結婚し始める年頃に、自分はまだ「童貞」。その当人は何を感じ、何を悩むのか。

◆平均以上に整った顔をもってしても、魔法使い目前

 大田原純平さん(仮名・29歳)は地方国立大学出身のITアナリストだ。雰囲気はサブカル系といった風で、傍目に見てもオシャレだ。大学の偏差値も低くなく、年収も平均以上。しかし、29歳の彼はいまだに童貞だという。

「今までの人生で、彼女がいたことがないわけではないんです。でも、どの子も2ヶ月と持たず別れてしまいました。友人たちからも”変わり者”だと言われるので、そのせいだと思います。僕としては普通のつもりなんですけど」

 そう話す大田原さんは、とにかく早口だ。少し落ち着きがないような感じもあり、世の女性が29歳の男性に求める人物像とは、少し乖離しているかもしれない。しかし、顔は平均以上に整っていて、服装のセンスもいいので、一体どうしてそこまで交際が続かないのか、そしていまだに童貞を貫いているのかが気になる。

◆セックスの最中にどう振る舞えばいいのかわからない

「今まで3人の女の子と付き合ったのですが、キス以上の関係が上手くいったことがありません。そもそも最初に機会があったのも20代後半になってからで、その時にはもう、行為の時にどう振る舞っていいのか分からなくなってしまっていました。

 自分に何が求められているのか分からなくてパニックになっているうちに、使い物にならなくなってしまう。行為が上手くいかないとすぐに振られてしまうので、ますます自信がなくなってしまいました」

 世の中の多くの男性は、行為中の振る舞いについてはアダルトビデオで研究したりするものだが……。平均以上の外見に恵まれていながら、そうまで彼を自信喪失させているのは性行為のセンスのなさではなく、もっと内面的な部分にあるようだった。

「AVを全く見ないわけではないけれど、そもそも行為中のあのロマンチックな雰囲気がどうしても苦手で……マネなんてできません。それ以前に、自分という人間を女性に理解してもらうことをとても難しいことだと感じています。

 自分がどう変わっているのかは自分では上手く説明できませんが、とにかく女性からはよくオネエか珍獣か、という扱いをさされることが多いです」

 話していると、たまにこちらの意図と違う返答が返ってくることがあり、若干コミュニケーションが一方通行なように感じることがある。男女の間柄では往々にしてあることではあるのだが、その上での言葉選びや話すスピード、首元に手を添えるようなちょっとした仕草などすべてを含めると、たしかに大田原さんの振る舞いは少し変わった人、という印象になる。

◆「女性特有のオチのない話を聞くのが苦手」

 女性になかなか理解してもらえないという大田原さんは、異性との関わり方にどんな障壁を感じているのだろうか。

「まず、女性独特のオチのない話を聞くのが苦手です。にも関わらず、僕のことを好いてくれるのは、オチのない話を一生話せるような女性ばかりなんです。たぶん、そういう人の方が僕みたいな”変人”を見て、ピエロ的な意味でエンタメ性を感じやすいんじゃないかな。それか、そういう女性は男性の内面より外見を大事にする人が多いんでしょう。

 職場の女性とは仕事上の話も盛り上がるのですが、そういう話ができる女性は”まとも”だから、僕のことを異性として好きにはなってくれないんです」

 仕事柄なのか、自分のこともしっかり分析しているようだった。話が合う人がいいという理想があるが、自身の性格との相性も含めると、フィットする人がいなかったということだろう。その思いが彼の中で「自分のことを分かってくれた上で、興味を持ってくれる人がいない」という自信喪失に繋がっているようだ。

◆お互いに関心を持ちあえる存在がほしい

 では、実際に29歳まで童貞でいることについてはどんな風に考えているのだろうか。

「もう、性行為への羨望のようなものはあまりありません。それよりも、その瞬間に対峙した時に自分が上手く振る舞えないこと、それを相手に受け入れてもらえないだろうということが絶望的に怖いです。

 30歳になったら魔法使いになるね、なんて周りにも言われるけど、魔法使いになる前にセックスしたい、という気持ちはない。でも、彼女はほしいです。セックスなんてなくてもいいから、僕と一緒にいて笑ってくれて、お互いに興味関心を持ち合える異性の存在がほしい」

 魔法使い直前になっても、満たしてほしいのは性欲よりも存在肯定感、承認欲求だということだ。性的に求められることよりも内面の肯定を望むのは、大田原さん自身が自分の外見については自信があることや、学歴があるということへのプライドもあるのかもしれない。

 現在はマッチングアプリで女性に会ったりもしているというが、一回会ったらもう連絡が取れなくなる、という人も多いという。外見のアドバンテージがあっても、結局は内面も含めて総合的に判断される。イケメンだからって、恋愛的に楽して生きていけるとは限らないということだ。

<取材・文/ミクニシオリ>

【ミクニシオリ】

1992年生まれ・フリーライター。週刊誌などにアングラな性情報、最新出会い事情など寄稿。逆ナンや港区合コンの現場にも乗り込み、恋愛経験を活かしてtwitterで恋愛相談にも回答。カルチャーにも素養がある生粋のサブカル女子。Twitter:ライタ〜ミクニシオリ

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