ヤル気が低下、疲労が溜まるリモート会議 モチベーションを上げるスイッチは身近にあった

ヤル気が低下、疲労が溜まるリモート会議 モチベーションを上げるスイッチは身近にあった

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 筆者は「在宅勤務でモチベーションが上がらない」という相談を受けることが多い。例えば、ある人はメールのやりとりで仕事が進み、今日も1日、社内の誰とも話さなかったという。他のメンバーとのコミュニケーション機会が格段に減少していることは間違いない。

◆在宅勤務でモチベーションが低下、ストレスは上昇

 そこで、「リモートで会議をすることはないですか」と聞くと、リモート会議はしているが「リモートのほうが電話よりもモチベーションが下がる」という。どういうことかと聞いてみると、リモートで久しぶりに顔を合わせて話ができると楽しみにしていたら、相手がビデオをオフにして、音声だけで話してくるので落胆したらしい。

 それも、自分が話さないときには、マイクもオフにしていることがあり、マイクをオンに切り替えている間の沈黙の時間や、すぐにレスポンスがないことにストレスが溜まるのだという。たしかに、これでは電話のほうがまだましだ。

 相手に「ビデオをオンにして話しましょうというように持ちかけることは難しいですか」と聞くと、きっと顔を出したくない事情があったり、顔の表情から感情を読み取られたくないのではないかと察しているようで、自分からは言い出さないのだという。

 こうしたケースは決して少なくない。世の中のコミュニケーションの総量が格段に減少し、ストレスが増大しているように危惧されてならない。

◆背景や服装は相談して、ビデオはオンに

 リモートでビデオをオフにしている人に理由を聞くと、次のような答えが返ってくる。「会社でビデオをオフにするように案内されている」「ネットワーク回線が不安定になるおそれがある」「プライベートな背景を見せたくない」「在宅でラフな格好をしているので見せたくない」「顔を見せ合って話をすることに疲れる」。

 たしかに、リモート会議ではビデオをオフというルールを設けていたり、そのような慣習が根づいている企業もある。しかし、ビデオをオフにしてリモート会議をすることが、メンバー間のコミュニケーション、ひいてはエンゲージメントのレベルを低下させている可能性があることに、そろそろ気づかなければならないのではないか。

 ネットワーク回線が不安定になるおそれがあるということはよく言われることだが、筆者は長いときで1日6時間、多いケースで40人が一度に参加して、全員が常時ビデオとマイクをオンにして、双方向演習を実施しているが、回線が不安定になったことはない。まれに、特定の参加者の回線が不通になって、再度アクセスすることが必要になるくらいだ。

 また、プライベートな背景を見せたくなければ、背景をアレンジすればよい。在宅なのでお互いにラフな格好でやりとりすることを申し合せればよい。あまり難しく考えずに、対面で会話する延長線上だと思って、ビデオをオンにしてみてはどうだろうか。

◆コミュニケーション疲労を克服しよう

 「顔を見せ合って話をすることに疲れる」と感じる人はたしかにいる。在宅勤務が続くと、コミュニケーション疲労に対する耐性が低下しているように思えてならない。他方で、ビデオがオフになっていることによるストレスを感じて、疲労を蓄積させている人もいる。

 モチベーションを上げるためには、ポジティブなことを思い出すことだけでも効果がある。それだけでなく、相手に話したり、相手のポジティブな話を聞いたり、お互いに共感し合うと、さらにモチベーションレベルが上がる。共感し合う度合は、声で聞くだけの場合よりも、相手の表情から感じとることで、飛躍的に上がる。

 リモートで常時ビデオとマイクをオンにして、コミュニケーションの劣化に歯止めをかけなければならない。そのことは、コミュニケーション疲労の克服にも役立つように思えてならないのだ。

◆話すだけでなく、聞くことも効果的

 質問:感動的だった出来事を思い出すとなぜモチベーションが高まるか

 セルフトレーニングで紹介されたように、「これまでの人生で最もすばらしく感動的だったこと」を思い出すと、 モチベーションレベルが高まります。いったいそれは、なぜでしょうか?

 回答:ポジティブなことを思い出したり共有したりするとモチベーションが高まるから

 これまでの人生で最もすばらしく感動的だったことほど、ポジティブなことはありません。ポジティブなことを思い出して、そのときの気持ちをよみがえらせるからこそ、モチベーションが上がります。

 これまでの人生で最もすばらしく感動的だったことを思い出すだけでなく、相手に話したときのほうが、モチベーションレベルの上がる人は増えます。また相手に話すだけでなく、相手からも聞くときのほうが、モチベーションレベルが上がる人はさらに増えます。

 ポジティブなことを思い出すだけでなく、相手に話したり、相手から聞いたりして、共感し合うことがモチベーションレベルを上げることに役立っているのです。

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第206回】

<取材・文/山口博>

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある

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