スーパーが空になっても安心!? 肉が現物で届く「お肉の保険」が世界初登場

スーパーが空になっても安心!? 肉が現物で届く「お肉の保険」が世界初登場

スーパーからお肉が消えても安心

 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中にあらゆる影響をもたらし続けています。そうした中、生命保険の契約者が急増するなど、保険業界は活況を呈しています。

 新しいタイプの保険も林立する中、食肉の輸入卸業者「G.U.サプライヤーズ株式会社」が「お肉の保険」とも言えるサービスを開始。いったいどんなサービスなのか、取締役社長の草間弘人氏に話を聞きました。

◆毎月1〜2キロの肉が届く

 今回誕生した「ブラック・スワン食糧保障」とは具体的にどんな制度なのでしょう。草間社長はこう説明します。

「1口1万円の加入金を一度お支払いいただくと、そこから一年以内に食糧危機が起こった場合、10か月の間毎月、鶏肉なら2キロ・豚肉なら1キロのお肉をお届けするものです」

 加入金の有効期限は1年間で、一人5口まで、一家族で25口まで加入することができます。また継続して加入金を支払い続けるにつれて、一口当たりの料金が安くなる仕組みです。

 コロナウイルス拡大時に起きた「買い占め」は記憶に新しく、食糧危機が起きれば同じ状況になることが容易に想像できます。

 同サービスは、万が一そうなった場合でも、買い占めパニックに巻き込まれずに済むという、まさに「お肉の保険」といったサービスなのです。

 肉の品質にもこだわっています。非常食といえば、かつては「その場しのぎの食」というイメージでしたが、ここ数年は美味しさも追求されてきています。このサービスで届けられる肉について草間氏はこう語ります。

「豚肉は提携先のスペイン産で、鶏肉はブラジル産です。私どものお肉は、普段から召し上がっている方も多いと思いますよ。横浜家系ラーメンのあるお店のチャーシューはうちのお肉ですし、有名焼肉チェーン店の豚ホルモンとかもそうですね」

◆肉の自給率が低い日本

 このサービス、日本で暮らす私たちにとっては必要性が高いものなのかもしれません。

「日本は食料自給率が低くて、30数%程度しかありません。しかも国産のお肉であっても、その牛や豚が食べているエサのほとんどが輸入品なんですよ。それも計算に含めると、肉類に関しては食料自給率が10%以下になってしまうんです」

 コロナウイルスのような感染症の拡大や、大きな戦争や天災が起きると、輸入に大きく依存している日本は、世界に先駆けて食糧危機が訪れる可能性が高いのです。

 ところでなぜ同社ではこのようなサービスが可能なのでしょうか。食肉の輸入卸という業態で、肉の在庫を持っているというだけであれば、大手業者の方が有利とも思えます。しかし草間社長はこう説明します。

「大手の食肉業者さんのほうが、私たちよりたくさんの在庫はあると思います。ただし、そのほとんどは『このお肉は工場に持っていってハムに加工する』とか『コンビニに流通させる』といったように目的が決まっているんです。一方で私たちの持っている在庫はそれが決まっていない状態のお肉なんです。だから、そういったお肉を、食糧危機が起きた時に、契約者の方にお送りできるんです」

◆食糧難、インフレ、米中戦争が起きても安心

 では具体的に、どのような状態を食糧危機と呼ぶのでしょうか。

「この基準は、誰が見てもわかるようにしておく必要がありますね。ですので、日経新聞の商品欄で『豚肉輸入・生鮮。デンマークカラー(冷凍)価格の加重平均が1kgあたり3500円以上』になった時と規定しています。平時に比べると、だいたい5〜6倍になりますね。

 今回のコロナですと、マスクなどがあっという間に10倍くらいになったのは、みなさんの記憶にも新しいと思います」(草間社長)

 毎週水曜日の日経新聞に掲載される内容に基づいているものだということで、契約者には数値が超えた際にメールで通知される仕組みになっています。

 また、同サービスが必要となるのは食糧危機だけではありません。想定されるそのほかのシチュエーションについても聞いてみました。

「例えば米中戦争が勃発したら、中国製の加工食品を輸入できなくなる恐れがあります。コンビニに置いている商品の大半がなくなってしまうかもしれないんです。

 それから、デフォルト(国家債務不履行)ですね。今回のコロナ騒動で、日本はひょっとしたらわざとデフォルトをやる気なんじゃないかという風にも見えますね。リーマンショックの時にアメリカでは50兆円以上を金融機関に投入し、大騒ぎになりました。それが今回、日本では200兆円の経済対策を行いました。

 どんなにお金を持っていても物がなければ買えませんし、ハイパーインフレーションになったらお金自体の価値が急落しますので、1億円の保険に入っていてもそれが100万円の価値になってしまうような可能性はありますからね。なので、食べられるものが来るというのがポイントなんです」

 このように考えれば、食糧危機は私たちが考えているよりすぐそこに迫っているのかもしれません。

◆基準を超えたら自動で肉が届く

 「お肉の保険」と言えるようなサービスにも感じられますが、保険ではなく保障である部分が、利用者にとってのメリットをもたらしているといいます。

「例えば自動車保険ですと、車をぶつけたとか『損失を立証』しなくてはいけないんですね。食べ物に関しては、現実問題これが難しいんです。だから『規定値を超えたら自動的に送りますよ』ということなので、立証の必要がないんです」

 

 さらに多くの保険は天変地異や戦争の場合は大半が免責となりサービスが受けられませんが、「このサービスは基本的に、規定をこえれば自動的に翌月から給付が受けられるようになっています」とのこと。

 戦争で倉庫や工場が破壊されれば、現実的に給付はできないが「工場や倉庫は、8カ所ほどに分散しているので、全部がやられることはないと思います」と話します。

 金融庁に事業内容を提出する際にも、専門の弁護士から「世界初だと思います」との太鼓判をもらったと言います。あらゆる危機が顕在化しはじめた昨今。自身と身の回りの人の「食」の安心を得られるサービスになるのかもしれません。

<取材・文/Mr.tsubaking>

関連記事(外部サイト)