不妊治療の保険適用9割超が賛成。ただ、少子化解消にはそれだけでは無理との声も

不妊治療の保険適用9割超が賛成。ただ、少子化解消にはそれだけでは無理との声も

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 不妊治療の経済的負担を軽減するため、厚生労働省は18日、既存の助成金制度を2021年4月から拡充する方向で調整に入った。

 16日に就任したばかりの菅首相の指示によるもので、「早くとも2022年までに不妊治療の保険適用を目指す」とする新首相にとっては目玉の政策と言えるだろう。

 このような動きがある中、9月15日、女性向けメディアアプリ「LOCARI」を運営する株式会社Wondershakeは、妊活・不妊治療に関するアンケート調査を実施した。

◆基礎体温に次いで多い”病院での治療”

 妊活とは、子どもがほしいと考えている男女のカップルが、それを目指して行動する全般を指す言葉だ。妊娠にむけて2人で話しあったり調べたりすることから、不妊治療を行うまで幅広い行動がこの言葉に含まれている。これまでに妊活をしたことがあるかどうか聞いたところ、「現在行っている」が38.6%で最も多く、「過去に行っていた」が36.5%だった。

 「妊活としてどのようなことを行いましたか」という質問に対しては、「基礎体温を記録する」が75.1%と最も多く、「病院で不妊治療を行う」が70.4%、「妊娠について情報収集する」が69.9%、「自分たちでタイミング法を行う」が69.3%と続いた。

 基礎体温を記録するという家でも手軽にできる妊活が最も多いのは納得できるが、「病院で不妊治療を行なっている」が2番目というのは予想外に多く、不妊治療がかなり普及してきていることを感じる。もしかすると、「不妊治療を行なっていないが、行なってみたい」という層も少なくないかもしれない。

◆不妊治療のイメージは「お金がかかりそう」「スケジュール管理が大変そう」

 「不妊治療を行なっていないが、行なってみたい」という層がいるとすれば、実際に不妊治療を行うことのネックになっているものは何であろうか。「妊活にどのようなイメージがありますか」と質問したところ、「お金がかかりそう」が89.6%で最も多かった。実際、体外受精は一度に30万円前後の費用が掛かることも珍しくない。

 他にも、「スケジュール管理が大変そう」が72.6%、「体力的負担が大きそう」が64.5%だった。

 多くの人が「高い」と感じながら不妊治療を行なっていたり、あるいは高いから不妊治療には手がだせない、という人たちが多くいるのではないかと考えられる。

◆「不妊治療の保険適用」賛成9割

 このような状況であるので、「不妊治療に保険が適用されることについてどう思いますか」という質問には、「とても賛成」と「やや賛成」が合わせて95.0%と、ほとんどの人が賛成となった。

 とはいえ、保険適用になれば、それだけでいいというわけではない。「不妊治療で大変だと思うことを教えてください」と質問したところ、やはり「治療にかかる費用の負担」が94.0%で最も多かったものの、「治療によってかかる精神的負担」も89.2%、「治療と仕事の両立」も76.8%だった。

 最も多い「費用の負担」については、今回の政策での解消を見込めるだろう。一方で、2番目の「精神的不安」についてもほぼ9割と依然として高い数字だとなっており、こちらについても効果的な手立てがあれば欲しいところだ。

 自由回答には、「自然に妊娠出来る人はお金をかけずに子どもを授かれるのに、不妊治療は多額のお金をかけた後にできるかもわからない治療を繰り返していると精神的にも金銭的に辛いです。せめて金銭的な負担が軽くなることを強く願っています」とあった。金銭的な補償が精神的な負担の軽減にも繋がるのではないかと期待したい。

◆保険適用に疑問の声も

 大多数の人が保険適用に賛成していたものの、「そんな事で少子化は改善されない」という反対意見もあった。確かに、「待機児童の解消」「子ども手当て」など様々な対策がなされてきたが、出生率の低下は続いている。今回も結局効果はないのではないか、そんな気もしてしまう。

 また、「不妊治療が増えてるのは、初産の年齢が上がっているからだと思います。女性が働きながらいつでも出産子育てできるよう支援を強化することが先決だと思います」という意見もあった。女性が学びながら、働きながら出産できるようにすることが優先だというのだ。

 しかし、不妊治療への保険適用は「少子化対策」だけではなく、多様なライフスタイルの中から私たちがより自由に選択できるようななるための、私たち自身へのチャンスなのかもしれない、と捉えている。いずれにせよ、今後の政府の動向を見守りたい。

<文/田中宏明>

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