旅先で仕事する「ワーケーション」、20〜30代は肯定・否定も真っ二つ。それぞれの理由は?

旅先で仕事する「ワーケーション」、20〜30代は肯定・否定も真っ二つ。それぞれの理由は?

画像はイメージ(adobe stock)

 コロナ禍を機に在宅勤務やテレワークが普及し、時間や場所を有効活用できる働き方が浸透してきている。とりわけ、パソコンとWi-Fi環境さえあれば仕事ができる職種ほど普及が進んでいることだろう。

 そんな中、政府が普及に取り組む「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた「ワーケーション」は、新しい旅行スタイルとして関心を集めている。

 オンライン旅行サイトを運営する「エクスペディア」は、2020年8月に20代〜50代の会社員の男女400名を対象に、ワーケーションに関する意識調査を実施した。

◆20代では約3割がワ―ケーションを経験

 まず、ワーケーションという言葉の意味については、全体の54%が「知っている」と回答。2020年7月末に政府が普及を目指す方針を発表したのを受けて話題に上ったことが影響しているようだ。

 リゾートホテル、温泉旅館、オートキャンプ場から最近ではテーマパークでのワーケーションも目にするようになったが、実際のところどのくらいの割合の人が経験しているのだろうか。

 年代別でみると一番経験率が高いのは20代だ。30代〜50代は2割を下回るのに対し、20代の約30%が経験が「ある」と回答。

 旅行スタイルとしてはまだ一般的ではないにせよ、回答結果から推察するに今後若い年代からワーケーションが広まっていく可能性があるだろう。

◆20代・30代の半数近くはワーケーションしたい

 次に、実際にワーケーションを経験してみたいか聞いたところ、「したい」と回答したのは全体の39%だった。

 年代が高くなるほど「したい」という回答の割合が低くなる一方、20代・30代では「したい」と回答した割合は半数近くに上る。

 若い世代ほどオフィスを離れた休暇先で、「仕事」と「休暇」を両立する新しい旅行スタイルに興味関心があることが伺える結果となった。

 ワーケーションをしたいと回答した人に理由を聞いたところ、「リフレッシュできそうだから」と回答した割合が最も多く75%だった。次いで「少ない有休日数で旅先に長期滞在できるから」が58%、「ストレスが軽減できそうだから」が46%と続く。

 つまり、ワ―ケーションをすることで日頃の仕事環境から離れ、心身のリフレッシュや非日常感を味わうことで、仕事もプライベートも充実させたいと考える人が多いのではないだろうか。

◆ワーケーションをしたくない理由は?

 一方で、ワーケーションを「したくない」と回答した人の理由としては「仕事とプライベートの切り分けが難しそう」と回答した割合が48%と最も高かった。

 そのほか「旅先でまで仕事をしたくないから」が47%、「旅先で就業できる仕事内容ではないから」が37%と、ワ―ケーションに対して消極的な人は、仕事とプライベートを組み合わせることに抵抗感があるようだ。

◆ワーケーションで行ってみたい国内スポットは?

 ワ―ケーションをしたいと回答した人に、実際にワーケーションで行ってみたい国内スポットを聞いたところ、1位は「高原リゾート」で3人に2人の割合に当たる66%が回答した。

 次いで2位は「ビーチリゾート」で59%、3位は「温泉地」で58%と、ワーケーションをする場所は自然豊かでリフレッシュできそうなリゾート地が人気なようだ。

 ランキングに挙がったリゾート地も週末旅行であれば混雑しがちだが、ワーケーションを活用すれば平日に行くことも可能だ。

 ストレスの少ない環境のリゾート地に身を置きながら日中は仕事をこなし、夜は観光巡りをする。このような過ごし方もワーケーションであれば現実的になるだろう。

 今回の調査では、ワーケーションという言葉自体の認知度は向上しつつあるものの、まだ経験したことのない人の方が割合として多いことが分かった。

 観光地やリゾート地にとっては受け皿になる一方、ワーケーションを行うことで「仕事とブライベートの両立が本当にできるのか」「仕事に支障は出ないか」などの懸念が拭えず、自分ごと化できていない人もいるだろう。また、ワーケーションに対して企業が一定の理解を示す必要性もある。

 地域や観光業の活性化を目的にした「Go To トラベルキャンペーン」を皮切りに、今後どのように普及していくのか注目したい。

<文/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

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