名刺交換だけでビジネス相手を分析できるか? 限られた情報で性格や志向を見極める秘訣とは

名刺交換だけでビジネス相手を分析できるか? 限られた情報で性格や志向を見極める秘訣とは

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 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、感染防止対応が長期化する見通しのなか、メールや電話、リモート会議で社内外のビジネスを進めることが常態化している。

◆「見せかけの合意」が放置されていないか

 私はこうしたビジネススタイルの変化がもたらす影響に、大きな危惧を感じている。対面でのコミュニケーション機会が極めて限られるなか、相手の状況や考え方が把握できていないままビジネスが進み、社内のメンバーや顧客を巻き込む度合が低下して、「見せかけの合意」が氾濫するのではないかと思えてならない。

 もちろん、対面でのコミュニケーションを回避してリモートでビジネスを進めることは、感染防止の観点から必要不可欠なことだ。筆者はそのことに反対しているわけではない。

 しかし同時に、巻き込みの低下というネガティブインパクトを放置せず、これを最小限に留めることにも思いを巡らさなければならないと思うのだ。

◆カメラ/マイクオフはビジネスを減速させる

 巻き込み低下を防ぐために私がお勧めしていることは、リモート会議を常時カメラオン/マイクオンで実施することだ。しかし、企業によっては、リモート会議はカメラオフ、発言するとき以外はマイクオフという不文律がある。

 この状態を続けていくと、相手の表情を把握しないでコミュニケーションすることが常態化してしまう。相手の状況や考え方が把握できていないことに気づかぬままプロセスが進み、ひいてはビジネスを減速させてしまうことになりかねない。

 そこで私は、常時カメラオン/マイクオンでリモート会議を実施している。もちろん、インターネット回線の安定性についての心配もあるだろう。しかし連日、ときには数十人単位でZoomでの会議や演習をしていても、今のところ大きな問題を感じていない。

 まれに参加者の一人が、その人が利用しているインターネット回線の不安定さなどの理由により回線が途切れることがある。この問題は、全員のカメラやマイクをオフにしたからといって防げたわけではないように思える。

 インターネット回線の安定性確保という名目のために、参加者が顔を出さない、声を出さないという状況、ひいてはお互いに表情を示さないという悪しき状況を加速させてしまっているのではないかと思えてならないのだ。

◆リモートでも「相手の意欲を高める要素」に着目

 とはいえ、リモートでカメラやマイクをオンにできない状況で参加する人ももちろんいる。また顧客の場合には、こちらからカメラをオンにすることを強要することはもちろんできない。電話やメールでは、当然ながら表情も詳しい情報も伺えない。

 そのような状況でも、相手の状況や考え方を把握する方法がないだろうか? このように申し上げると、「相手の状況や考え方は千差万別なので、そもそも把握しようと思うこと自体に無理がある」という返答に接したことがある。

 それも一理ある。しかし、もし相手の状況や考え方のパターンを千通りではなく、数パターンで把握できる方法があるとすれば、活用しやすいのではないか。それも状況や考え方の素になる「意欲を高める要素」に着目すると、いろいろな状況や考え方に応用が効くのだ。

 そのため、私は相手が話した内容から、相手の「モチベーションファクター」(意欲を高める要素)を見極めることをお勧めしている。

 相手が目標達成(チャレンジ)、自律裁量(オーナーシップ)、地位権限(ステイタス)に関する内容を話していれば「牽引志向」が高い。相手が他者協調(パートナーシップ)、安定保障(リスク回避)、公私調和(バランス)に関する内容を話していれば「調和志向」が高いというように見極めるのだ。

 初対面の人と2分間対話をして、75%の人が相手の話の内容から相手のモチベーションファクターをだいたい見極めることができる。これは相手が何を大事に考えている状況なのかを、リモートでも把握できる方法だ。

◆名刺交換だけで相手をパターン化

 質問:初対面の人のモチベーションファクターをどのように見極めるのか

 初対面の人のモチベーションファクターを短い時間で見極めるには、どうすればよいのでしょうか? 例えば、名刺交換の短い時間で見極める方法があれば有用だと思います。

 回答:一回の問答で相手のモチベーションファクターの見当をつける

 一緒に会合に参加した人たちと名刺交換をしたとします。その際に、「本日はどんな目的で参加されたのですか?」と質問をしてみて、その返答からモチベーションファクターの見当をつける方法があります。

 以下のような返答をする人は、それぞれの次のようなモチベーションファクターを持っている可能性があります。

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある

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