帰省の代わりに贈る「帰省暮」。話題作りに一役買うユニークなギフトたち
2020年12月06日 15時33分 ハーバー・ビジネス・オンライン

(adobe stock)
◆お中元・お歳暮を贈る人は減少傾向
今年もお歳暮の季節がやってきた。取り引き先や恩師に向けて、すでに贈り物の手配をしたという人も少なくないだろう。
とはいえ、近年では、この習慣が徐々に衰退しつつあるのも確かだ。矢野経済研究所の調査によると、お中元・お歳暮ともに売上高の減少が続いている。2015年にはお中元8180億円、お歳暮9995億円だったが、2019年にはお中元7300億円、お歳暮9100億円にまで市場が縮小しているのだ。
◆コロナ禍でトレンドに変化?
だが、今年はそのトレンドに変化が見られそうだ。コロナ禍で帰省をする代わりに、お歳暮を贈る人が増えるのではないかというのである。
楽天の調査によると、回答者1095人のうち、去年の年末に帰省した人は55.6%と過半数に上った。ところがこの年末に帰省する予定があるかどうか聞くと、65.2%が「ない」もしくは「検討中」だと回答している。
高齢の両親や義父・義母にコロナウイルスをうつしてしまうのではないかという懸念から帰省を見送る人が多いのかもしれない。実際、都内に住む30代の男性は「祖父が82歳なので、コロナが怖い」から今年は帰省しないと話す。
また、地方では、都市部から来たというだけで「感染源」のように見なされ、避けられることもあると聞く。こうした事情も帰省を躊躇する傾向に拍車を掛けているのだろう。
◆話題が作れるユニークなギフトとは
そうした中で注目を集めるのが、帰省の代わりにお歳暮を贈る「帰省暮」だ。この「帰省暮」では、従来のお歳暮に多かったお菓子の詰め合わせやアルコール類、ハムの詰め合わせなどとは一味違うものが選ばれることもあるという。
楽天の担当者は、「帰歳暮をきっかけに、継続的な会話や、繋がりを感じられるようなコミュニケーションのきっかけとなるようなギフトを提案しております」と話す。
「楽天市場では、『オンラインでも楽しめるギフト』、『健康配慮のグルメ・ギフト』、『話題作りギフト』という相手の好みを知っているからこそ選ぶことのできるわかりやすいギフト、継続的なコミュニケーションを取る役割となるギフト、という観点から3つテーマを選定しております」
例えば、野菜を栽培するキットを贈れば、野菜がきちんと育っているのかどうか訊ねることで継続してコミュニケーションが取れそうだ。
他にも、ビールや日本酒の飲み比べを贈れば、オンラインでの飲み会や忘年会でも盛り上がれるに違いない。
◆育てるタオルや梅酒キットも
さらに楽天の担当者は、「売れ筋商品でいうと、お歳暮ギフトとしても一見定番のグルメ、日用品などが、帰歳暮ギフトとなるとユニークな視点のギフトの需要が高いとみています。例えば、定番品でもあるタオルやお酒が、帰歳暮となると『育てるタオル』、『梅酒手作りセット』と、手をかけることで、少しずつ変わっていく様子を楽しめるギフトが人気です」と話す。
「育てるタオル」とは、特殊技術で作られた糸で織られたタオルのことで洗う度にどんどん柔らかくなるのだという。また梅の実や氷砂糖で自家製の梅酒を作れる梅酒のキットもある。こうしたユニークなギフトを贈れば、相手との会話も弾みそうだ。
<取材・文/HBO編集部>