コロナ禍で「求められる自分」が変化。ストレスの原因はそのギャップにあった

コロナ禍で「求められる自分」が変化。ストレスの原因はそのギャップにあった

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 コロナ禍で多かれ少なかれストレスを感じている人がほとんどだろう。世の中のストレスの総量は明らかに増大している。ストレスの原因は何だろうか。その原因がわかれれば、対処のしようがある。私はコロナ禍のストレスの原因は、求められるモチベーションファクター(意欲を高める要素)の急激な変化にあると捉えている。

◆コロナによって求められるモチベーションファクターが変化

 モチベーションファクターは、リスクテイクしてチャレンジすることで意欲が上がる「目標達成型」、裁量が広がることで意欲があがる「自律裁量型」、責任を果たすことで意欲が上がる「地位権限型」、協力し合うことで意欲が上がる「他者協調型」、リスクを回避し安全性を追求することで意欲が上がる「安定保障型」、バランスをとることで意欲が上がる「公私調和型」の6つにわけられる。筆者は前三者を「牽引志向」、後三者を「調和志向」と呼んでいる。

 日本のビジネスパーソンの自分自身の自然体のモチベーションファクターは、牽引志向51.4%、調和志向48.6%と半々にわかれ、6つのモチベーションファクターにだいたい均等に分布する。

 ところが、コロナ禍により、リスクを回避する安定保障をはじめ、公私調和、他者協調といった調和志向のモチベーションファクターが強く求められるようになった。

 逆に、リスクテイクする目標達成には制約が生じ、感染拡大防止の観点から裁量の余地は限られるようになったことで自律裁量が適えられず、従来のビジネスでの責任が果たせず地位権限が満たされなくなった。牽引志向を発揮できない状況に直面している。

◆自分を抑えることがストレスの原因に

 つまり、少なくとも約半数いる牽引志向の持ち主は、自分のモチベーションファクターを発揮しづらくなり、意欲が上がらないということになる。牽引志向のモチベーションファクターが発揮できないのであれば、そしてコロナ禍が調和志向のモチベーションファクターを求めているのであれば、自分のモチベーションファクターを調和志向に変えればよいだけだと思うかもしれない。

 しかし、自分のモチベーションファクターは、なかなかすぐには大きく変わらない。自分のモチベーションファクターである牽引志向を抑え、自分とは異なる調和志向が求められる状況が、ストレスを生んでいることが多い。

◆仕事と家庭のギャップでもストレスが発生

 モチベーションファクターのギャップは、調和志向と牽引志向とのギャップだけではない。調和志向と牽引志向のギャップほどではないが、同じ調和志向のなかでも発生する。

 たとえば、さまざまな仕事や家事のバランスをとりたい公私調和のモチベーションファクターの人がバランスを保つことができず、感染防止の安全衛生管理の一点に絞って取り組むという安定保障のみ発揮しなければならない場面でも、モチベーションファクターのギャップが生じる。

 直面している調和志向の仕事への対応と、自分のモチベーションファクターギャップがあるかないか。これがわかるだけで、ある程度ストレスは解消する。「原因がわからないこと自体で、ストレスを溜めることになることは……」と、感じている人が多いに違いない。次回は、求められるモチベーションファクターと自分のモチベーションファクターを両立させて、ギャップそのものを解消する方法を紹介する。

◆イライラを事前に察知してストレスを軽減しよう

 質問:モチベーションファクターに合わない仕事がほとんどではないか

 現実には、モチベーションファクターに合った仕事ばかりを付与することはできません。モチベーションファクターに合っていない仕事を依頼しなければならないことも多いと言えます。

 メンバーから見れば、自分のモチベーションファクターに合っていない仕事をしなければならないことが日常茶飯事であると言えるのではないでしょうか?

 回答:モチベーションファクターの合致度合がわかるだけでパフォーマンスが上がる

 実は、仕事をしていて進捗が悪い場合や、ストレスがたまっていると感じる場合のほとんどは、自分のモチベーションファクターに合っていない仕事をしなければならない状況であることがわかっています。

 言い換えれば、自分のモチベーションファクターがわかっていれば、この仕事は進捗がしやすいとか、ストレスがたまりにくいとか、反対にこの仕事は時間がかかるかもしれないとか、ストレスがたまりやすいといった見当をつけることができ、それだけでパフォーマンスが上がるのです。

 自分のモチベーションファクター=仕事のモチベーションファクター→ストレスが溜まりにくい

 自分のモチベーションファクター≠仕事のモチベーションファクター→ストレスが溜まりやすい

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第218回】

<取材・文/山口博>

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある

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