テレワーク・オンライン会議で年末年始の作業が山積みに……生産性を上げる「正しい諦め方」のススメ

テレワーク・オンライン会議で年末年始の作業が山積みに……生産性を上げる「正しい諦め方」のススメ

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 新しい生活様式を実践するなかで、働き方の新しいスタイルが定着してきた。テレワークやローテーション勤務、時差通勤、オンライン会議が行われるなか、生産性を上げる難易度が高まっている。

◆リモートワークで低下する生産性

 勤務時間や取引先と接する機会が限られるいっぽう、業務自体が減るわけではない。このような状況においても、生産性を上げるためにはどうすればよいか、ビジネスパーソンや企業はさまざまな工夫をしているに違いない。

 筆者が実施している生産性向上プログラムの参加者が行っていることをまとめると以下のとおりだ。

 ・類似の業務、同じ場所で行う業務、相手に関連性がある業務は、同じか近い時間帯で実施する

 ・同時にできること、移動時間にできることは、同じ時間帯やその時間帯で実施する

 ・自分の調子に合わせて、朝一番、午後一番、夕方に実施することを決めている

 限られた時間で業務を進捗させる必要に迫られるなか、スケジュールの工夫が一層求められているのだ。自宅の環境は業務を遂行するために万全な状況でないことが多い。家族の状況など不足の事態も起こり得る。そのぶん、できるだけ集中して業務が進捗できるように工夫が必要だ。

 さらに、優先順位のつけ方についても工夫している人が多い。

 ・勤務既存顧客、新規顧客、社内他部署、社内自部署に関連する業務の順に、優先順位をつけて取り組む

 ・朝一番で、メールのタイトルを見て、どのタイミングでメール対応をするかのだいたいの優先順位をつける

 ・その日の終業時にタスクを洗い出し、重要度、緊急度、貢献度で優先順位をつけて、翌日、優先順位の高いものから着手する

 ただし、優先順位基準が上司と部下、自部門と他部門、自社と取引先で異なっていて、せっかく業務を遂行しても上司や他部や取引先の期待に応えられなかったり、別のタスクを大急ぎで処理しなければならなくなる場面もある。優先順位基準を確認しておくことが、リモートワークの状況では特に必要だ。

◆上司や同僚への依頼、仕事の見切りがカギに

 心がけている人は少ないが、実は生産性向上にとても効果のある方法がある。

 ・必ずしもその日に実施しなくてもよい仕事を、その日のタスクリストから外す

 ・ほかの人に依頼できる仕事があるかどうか確認し、あれば、ほかの人へ依頼する

 ・その日に実施しなくてもよい仕事を除き、ほかの人へ依頼できる仕事を除いた、残った仕事に集中して取り組む

 その日に実施しなくてもよい仕事を除外するということは、何も、永遠にその仕事をやらないということではない。その日、その期間で行わないということだ。締切が先の仕事、締切がない仕事も実は多い。それらを一旦、タスクリストから外し、その日に実施しなければならない仕事に集中するという方法だ。

◆仕事の見極めには勇気が必要

 あれもやらなければ、これもやらなければと、業務が山積して気持ちか落ち着かない状況で一生懸命取り組もうとしても、生産性は上がらない。

 やらなくてもよい仕事を一旦はずして、やらなければならない仕事に集中することで気持ちも落ち着き、生産性が上がる。もちろん、余裕が出てきたら前倒しで除外した仕事に取り組めばよい。

 「ほかの人に仕事を依頼するなんてできない」と思う人もいるかもしれない。ほかの人に依頼するということは、自分もほかの人から仕事の依頼を受けるということだ。しかし、それぞれの得意な仕事、着手している仕事と関連している仕事など、引き受けてみると意外にほかの人への依頼もしやすくなるものだ。

 仕事の期日を見極めたり、ほかの人に依頼する仕事を選別し、その日にやらなくてもよい仕事を見極めるということには勇気がいる。しかし、この勇気を発揮できるかどうかが、生産性を向上できるかどうかのカギなのだ。

◆山積の業務をスケジューリングで切り崩す

 質問:業務が山積しており気持ちを切り替える余裕さえない

 仕事のモチベーションファクターに合わせて自分の意識を切り替えたり、相手のモチベーションファクターをふまえて指示の仕方を変えたりしていけば、モチベーションが上がり、パフォーマンスが向上することはわかりました。

 しかし、そもそも、やらなければならない業務が山積しており、ひたすら端から処理することに精一杯で、そのような工夫をしていく余裕がありません。

 山積する業務の処理能力を上げる方法はないでしょうか?

 回答:業務のスケジューリングの工夫をする

 業務効率の高い人は、業務のスケジューリングをするにあたり、下のような工夫をしていることが多いものです。類似業務や関連業務を同じ時間帯で実施するということは有効な方法です。ほかのメンバーや上司に依頼できることは依頼するという工夫もしています。

 業務のスケジューリングの工夫例

 ・類似業務や関連業務は、同じ時間帯や連続する時間帯で実施

 ・移動しながら処理、面談時に合わせて確認するなど、できることは同時に実施する

 ・社外相手、車内相手の仕事、自分でする仕事の順に優先順位をつける

 ・重要度、緊急度、貢献度の観点から業務の優先順位をつける

 ・メールはタイトルを見て、重要度の高そうな順から本文を読む

 ・締め切りを後ろ倒しにできるか検討したり交渉したりする

 ・ほかのメンバーや部下に依頼できることは依頼する

 ・上司に依頼できることは依頼する

 ・当該期間に実施しなくてよいことは、実施しない判断をする

【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第221回】

<取材・文/山口博>

【山口博】

(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある

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