2年連続マイナス成長で五輪後が危険? 実は進んでいた「コロナバブル」崩壊のXデー

2年連続マイナス成長で五輪後が危険? 実は進んでいた「コロナバブル」崩壊のXデー

写真/朝日新聞社

 ’21年はコロナショック克服の年となるのか? 第3波真っただ中の日本が抱える不安要素を、企業倒産、雇用、株価の3つに分けて徹底調査。実は進んでいた「コロナバブル」の崩壊に、今こそ備えるべし!

◆【廃業ラッシュ】休廃業は過去最多を更新中。コロナ倒産の増加も必至!

 倒産が急増する――’20年4月に緊急事態宣言が発出されて以降、こう囁かれてきたが、実際の倒産件数は予想に反して減り続けている。

「前年同月と比較して倒産件数は5か月連続で減少(11月時点)しており、’20年通年の倒産数は8000件前後でバブル期以来の低水準となる見込みです」(友田信男・東京商工リサーチ情報本部長)

 その背景にあるのは、給付金や低利融資などの支援策だ。商工リサーチの調査では中小企業の6割が「各種支援策を活用した」と答えたという。政府の施策が大量倒産を抑制したのだ。ただし、倒産とは異なるかたちで姿を消した事業者は過去最多記録を更新する勢いで増え続けている。

「借金の返済ができなくなって事業を畳むのが倒産。それとは別に自主的に休廃業、ないしは解散する事業者の数が10月時点で’19年通年の件数を超え、過去最多だった’18年の4万6724件を上回るペースで増えている」(友田氏)

◆総選挙後に支援策打ち止めで倒産が増加?

 ’21年にはこうした休廃業がさらに増えるのは必至。さらに、コロナ倒産が本格化する可能性もある。

「中小企業の8割は減収続きなのに借り入れを増やしているため、過剰債務の状態にある。借り入れを食いつぶしながら当座をしのいでいるのです。資金繰りはひっ迫する一方なので、追加融資を希望しても信用保証協会の審査が通らなかったという中小企業も増えている。五輪直後と予想されている総選挙までは追加支援策で生き延びても、その後は資金難に陥って倒産ないし廃業する事業者が増えると予想しています」(同)

 廃業・倒産に至らずとも、事業縮小を余儀なくされる事業者も増えると予想されている。経営コンサルタントの鈴木貴博氏が話す。

「大手飲食チェーンは20%以上の店舗を閉鎖するのがデフォルトといわれています。一方で、航空業界ではJAL・ANAの大手2社に集約されていくのは必至。自動車業界は買い控えと脱炭素化のWショックで、部品メーカーを中心に淘汰が進むと考えられます。中小零細企業の倒産が増えるのに対して、大手は業界再編で生き残りを図っていくでしょう」

 今秋から廃業ラッシュや企業の統廃合が加速すると覚悟しておいたほうがよさそうだ……。

◆【雇用崩壊】就業者数は激減。希望退職募集人数は過去最多更新へ

 新型コロナの収束が遅れるほど、景気が冷え込むのは当然のこと。足元ではリーマンショック以来の2期連続マイナス経済成長を記録する可能性も高まっている。

「大幅マイナスに落ち込む’20年度の反動で’21年度はプラス成長に転じると予想する民間シンクタンクが大半ですが、これはあくまでコロナの収束を前提にした予想。第4波の発生や2度目の緊急事態宣言発出となれば、’21年度もマイナス成長は避けられません。

 そもそも、緊急事態宣言が解かれたあとの’20年7〜9月の家計調査を見ると、消費は前年同期比で10%ほど減少しています。コロナ収束期待が高まっても、GDPの半分以上を占める国内消費は回復しなかったのです。政府がコロナ収束宣言を出さない限り、’21年も買い控えムードが続くと考えて間違いないでしょう」(鈴木氏)

◆正社員を取り巻く環境も着実に悪化

 景気が冷え込めば、おのずと雇用環境は悪化する。その兆候はすでに表れているという。経済評論家の加谷珪一氏が話す。

「’20年4月以降、就業者数は対前年同月比で80万人前後減り続け、10月には100万人近くも減っていますが、これはリーマンショック直後の数値を大きく上回る減少幅。再就職活動を控えている人が多いため、まだ失業者は急増していませんが、雇用調整助成金が今後削減されれば失業者の増加は避けられません」

 直近では職を失った人の大半が非正規従業員だが、正社員を取り巻く環境も着実に悪化している。

「’20年の上場企業による早期・希望退職者の募集人数はリーマンショック直後の’09年に次ぐ多さ。’21年から募集を開始する予定の企業もすでに9社あり、その募集枠は2000人に達していることから、’21年は過去最多記録の更新が濃厚です」(友田氏)

 前出のとおり、’21年にはコロナ廃業&倒産も増加することが予想されている。過去最悪の雇用崩壊リスクに備えておくのが賢明だ。

◆【株価大暴落】世界的に超割高?年後半にバブル崩壊リスクあり!

 コロナショックの影響は企業業績を見ても明らかだ。第4四半期入りしてもなお、6割の上場企業が今期業績予想を「未定」としている。コロナのダメージを測りかねているためだ。にもかかわらず、株価は好調を持続している。

「世界的に金融緩和が進んだ影響です。じゃぶじゃぶに溢れたお金が株式市場に流れ込み、ワクチンに対する期待も重なって、NYダウは3万ドルの大台に突入。日経平均もバブル期以来の高値圏を維持している」(兜町関係者)

 FRB(米連邦準備制度理事会)は’23年までの緩和継続を表明していることから、「’21年も株高と予想する人が多い」(同)という。だが、バブルの兆候が見えている点には注意したい。金融ウオッチャーの闇株新聞氏が話す。

「3月のコロナショックで59兆ドルに縮小した世界の株式時価総額は半年で100兆ドルを突破しています。著名投資家バフェットが重視する、時価総額を名目GDPで割った値(バフェット指数)は史上最高を記録。世界的に株の割高感が際立っているのです。

 一方、米ドルの価値は下がり続け、2年ぶりの低水準に。じわじわとインフレ(貨幣価値の低下)が進み、金利の上昇圧力が高まっている。金利の急騰局面では株から債券へと資金が一気に流れるでしょう」

◆個人投資家は要注意

 一般に「バブルの兆候が見えると1年程度で弾ける傾向にある」(闇株新聞氏)というから、’21年後半には暴落リスクが高まる可能性も。特に個人投資家は要注意だ。

「売買動向を見ると、コロナショック以降、個人は日本株を大きく売り越しています。つまり、’20年後半にかけての株高局面で個人はほとんど稼げていないんです。儲けているのは一貫して買い続けている日銀ぐらいのもの。日銀に追随して個人も高値圏で買ってくるようなら、バブル崩壊時のリスクは計り知れない」(同)

 コロナバブル崩壊に備えるなら、総選挙前の手じまいが吉か。

<取材・文/コロナバブル取材班 図版/ミューズグラフィック>

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