日本の役所にDXは遠い!? コロナ情報を得るのに使いづらい厚労省LINEと公式サイト。結局電話が一番対応良かった件

日本の役所にDXは遠い!? コロナ情報を得るのに使いづらい厚労省LINEと公式サイト。結局電話が一番対応良かった件

画像はイメージ(adobe stock)

 先月から日本でも始まった新型コロナウイルスワクチンの接種。私たちの順番が近づくにつれ、具体的な不安も増えてきます。そうした国民の思いに対し、厚生労働省が用意している問い合わせのチャンネルで、使いやすいものはどれなのでしょうか。

◆Q&Aまでたどり着きにくい厚労省HP

 接種の日が近づくにつれ、マスメディアやインターネットで言われている一般的な情報より「私自身の場合はどうなのか」という、個別の事象における不安が増してきます。厚生労働省予防接種室の松本理央氏によれば「HPにワクチンに関するQ&Aがございますので、そちらをご覧ください」とのこと。

 そこで、厚労省HPでワクチンに関するQ&Aを探してみました。

 しかしこれが、想像以上になかなか見つけられません。ホーム>政策について>分野別の政策一覧>健康・医療>感染症情報>新型コロナウイルス感染症について>新型コロナワクチンについて>Q&Aと、とてつもなく深い階層まで入っていかないとたどり着けないのです。この方法ですと、筆者でも10分近くの時間を要しました。

 サイト内検索などもきちんと使える若い世代にとっては、Q&Aへアプローチすることも難しくはないかもしれませんが、4月に接種を控えた高齢者の中にはインターネットの扱いに慣れていない人も多く、そうした人々がこの情報にたどり着くのは容易ではないでしょう。

 前出の松本氏いわく「LINEのアカウントもございまして、一般的な質問やワクチンに関することは、そちらでも回答できます」とのことなので、LINEも試してみることにします。

◆回答がままならないLINEアカウント

 「LINEのアカウントは『新型コロナウイルス感染症情報 厚生労働省』と検索いただければ見つかりますよ」(松本氏)とのことだったので、実際にLINEアカウントを友達追加して、いくつか質問を投げてみました。

 まず、最も多い医療従事者や高齢者でもなく、基礎疾患のない人の接種開始時期について質問すると、すぐに既読がつき返信がきます。

 しかし、その内容は「厚生労働省のHPをご参照ください」と、ページのリンクが送られてくるだけ。リンクをクリックすると、前述した厚労省HPの深い深い階層の途中に飛ばされます。これではやはり、同じ結果になってしまします。

 続いて、副反応について質問してもHPに誘導するリンクが送られてくるだけ。さらに「基礎疾患のある人の中での、ワクチン接種の順番はどう決めるのかを問い合わせても同じ回答となりました。

 そこで「ワクチン専用コールセンターの電話番号を教えてください。」と送ってみました。すると「ワクチンの開発は、ワクチンの有効性・安全性の確認や、一定の品質を担保しつつ、大量生産が可能かどうかの確認などを行う必要があります。一般に、ワクチンを開発し、使用可能となるまで、さまざまな工程がありますが、できるだけ早く開発できるよう支援に努めています」と、まったく的外れな回答が帰ってきました。

 さらに続けて「求める情報は得られましたか?」と送られてきたため「いいえ」と返信。

 すると「どういった情報が必要だったかご入力ください(後略)」と送られてきたため、質問の仕方が悪かったのかと思い「ワクチンコールセンターの電話番号」と、端的に送ってみました。しかし返信は「ご連絡ありがとうございます。いただいたご意見は今後の改善にいかしていきます」と、まったく的を得ない結果に。

◆仕方がないのでコールセンターに電話

 HPでもLINEでも、なかなか思うように必要な情報にリーチすることができません。

 同じように、回答を得られずに困っている人が、新たに設置されたコールセンターへ電話をかけるものと思われます。混み合って繋がりにくいということはあるのでしょうか。

 厚生労働省の予防接種室・松本理央さんによれば「現在は待ち時間なく、お電話は繋がる状況です」とのこと。また、混み合う時間についても「特に、繋がるまで長時間かかるというかとはなく、いつでもご案内できております」といいます。

 コールセンターでは現在、何人くらいのオペレーターが対応しているのかについても聞いてみると「日や時間帯にもよりますが、常時、おおむね100回線程度で承っております」と同氏。今のところ、長時間待たされるなど大きな混乱はないようです。

◆接種開始時期は?副反応は?

「コールセンターに、よく問い合わせがある質問」についても伺ってみましたが、「個別の取材には回答しておりません」(松本氏)とのこと。ただ「よく、コールセンターにお問い合わせいただく内容も踏まえて、HPのQ&Aを作っておりますのでそちらをご覧ください」という回答がありました。

 深い階層まで下っていかないと、たどり着けないワクチンのQ&A。その苦労をわずかでも軽減できるよう、多くの人が不安に感じていると思われる内容を、いくつか書いておきます。

 まず、基礎疾患のない人の接種開始時期について、具体的な日程はQ&Aにも見つかりませんでした。当初、2月とされていたものがすでに4ヶ月以上遅れていますので、見通しを立てるのは難しいことが窺えます。

 次に、副反応について。これには、試験段階でヒトに投与した上での審査を通過していることや、接種開始後には、専門家による評価を行い情報収集していくと記載があります。また、日本で使用されるワクチンのこれまでの副反応として、接種部位の痛みや、頭痛・倦怠感・筋肉痛等の症状が見られたことが論文的に発表されているとしています。

 さらに、万が一副反応が出た際には、厚労相の認定と予防接種法に基づき、医療費などの給付が可能であることも明記。そのほかにも、アレルギー保持者の副反応やアナフィラキシーの具体的な症状、接種後に発熱した場合の対応方法など、かなりの文字数を割いて説明されていますので、ひとつの安心材料にはなるでしょう。

 このQ&Aに到達するまでのルートの複雑さと、的を得ないLINEアカウントの回答。コールセンターが空いているということを考えると、一般向けの接種がはじまり、多くの人の前に不安がやってくるより前に積極的にコールセンターを利用するのが利口と言えるのかもしれません。

<取材・文/Mr.tsubaking>

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