2022年「男性版育休」新設なるか。課題は「職場環境」や「男性の意識」

2022年「男性版育休」新設なるか。課題は「職場環境」や「男性の意識」

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 イクメンという言葉が普及し、働き方改革やダイバーシティの推進によって、男性の育児参加についての関心が高まっている。

 さらに、厚生労働省が2022年を目処に「男性版産休」(出生時育児休業)の新設に向けて動き出していることからも、今後より一層注目度が高くなることが予想される。

 そんななか、株式会社ベネッセホールディングス運営の「たまひよ」は、乳幼児をもつ全国の母親約2,000人を対象に調査した「たまひよ妊娠・出産白書2021」のうち「男性の育休・育児参加の実態」に関する結果を発表した。

◆出産前後の休暇取得は「出産当日もしくは数日だけ」が約7割

 まず、出産の立会いのために父親が仕事を休んだかどうか聞いたところ、「出産時に父親が仕事を休んだ」と答えた母親は65.3%に上った。特に若い世代ほど休暇取得率が高く、休暇期間も長い傾向にあった。

 しかし一方で、仕事を休んだと答えた人のうちの67%が、「出産当日もしくは数日だけ」の休暇を取得したという回答だった。日々の仕事が忙しく、1週間以上の休暇取得をするのは現実的に難しいことが浮かび上がってきたといえよう。

 さらに、出産や産前・産後に1日も休暇を取らない父親の割合も26%と、大切な家族が生まれる瞬間に立ち会えない人も多いことがわかった。

 特に顕著だったのは緊急事態宣言解除後だ。新型コロナの影響で立ち会い出産の制限がかかり、夫婦揃って病院へ入れなかったことが原因になっているようだ。なかでも、専業主婦を持つ父親が休みを取得していない比率が高い傾向にあった。

 また、高年収層の方が出産前後の休みはしっかりと取得し、日数も長めにとっているのに対し、年収が低い層ほど休みを取らない人が多い結果に。経済的な豊かさの差異によって、休みの取得の傾向に変化が見られることがわかった。

◆育休に対する企業側の理解がまだ不十分な面も

 出産前後に休暇が取れない理由を考える上で大事なのは、“育休に理解がある職場かどうか”ということだろう。

 「子どもが生まれる前後や当日は休みをとりやすい」と答えたのは約7割、次いで「上司や同僚は子育てに理解がある」と回答した母親は約半数(54.4%)だった。

 だが、育児で仕事を休むことや、遅刻・早退することのハードルの高さを感じている母親も多く、男性の育児参加を応援する企業風土は、まだ十分に浸透しているとは言えないのが正直なところなのかもしれない。

 さらに見ていくと、「小さい子供のいる父親に配慮やサポートする雰囲気がある」「男性の子育て参加を応援する雰囲気がある」は、いずれも4割を下回る回答結果に。

 男性の育児に対しての理解が不十分な職場は、回答結果からわかるようにまだまだ多いと言わざるを得ない。

◆男性育休義務化に「賛成」は5割

 こうした状況下で、国は男性の育児休業義務化を推進している。「育児休業義務化に賛成」と答えた人は全体の53.6%だった。これは、職業、年収、年齢別にみてもそう大差はなく、どの項目においてもおよそ半数は「賛成」と回答している。

 他方、「義務化に反対」「どちらともいえない」と回答した人の理由を見てみると「世帯収入が減るのが心配」が約6割で最も多かった。

 また、「赤ちゃんだけでなく、配偶者・パートナーの面倒までみることになりそう」(48.7%)、「家事育児をちゃんとやってくれるか不安」(41.9%)という回答も多く、休暇を取得した父親が育児にきちんと貢献してくれるのか心配している様子が伺えた。

 男性の育児休業義務化に対して望む声としては「休みやすい職場の体制・雰囲気づくり」や「育休中の収入保障」がいずれも8割強、「昇進や昇給などにひびかない評価制度」が7割強と続いた。

 義務化にするのであれば、まずは休みやすい職場の雰囲気の醸成や、収入と昇給の保障を求める声が反映された回答だったと言える。

また、職場の雰囲気と収入の問題以外に目立ったのは「男性が家事育児への主体的な姿勢・意志を持つこと」。実に51.3%と半数に上り、育休取得をする男性本人の意識改革が必要だと母親は考えていることが伺い知れた。

◆子育てに積極的になれるかは、父親の職場環境次第……

 配偶者の職場環境と子育てへの影響を調査したグラフでは、父親の職場環境が良いと感じる母親ほど、子どもは「1人以上ほしい」と感じることが読み取れた。なかでも、「上司や同僚は子育てに理解がある」かどうか、「子どもの病気や用事などで休みをとったり早退遅刻はしやすい」かどうかという項目でギャップが大きかった。

 男性の育児参加推進の機運が高まり、育休を取りたいと考える男性は確実に増えている。しかし、職場の体制・雰囲気によっては、育休を取得したくても働かざるを得ない状況下に置かれている男性もいる。

 職場の制度改善はもちろん、上司や同僚といった周囲が育休への理解を示し、当事者が気持ちよく育休を取得できる職場環境づくりが重要になってくるのではないだろうか。

<文/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

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