コロナ巣ごもりで台所リフォーム需要増加。注目集まるIH家電にブーム再燃の兆し

コロナ巣ごもりで台所リフォーム需要増加。注目集まるIH家電にブーム再燃の兆し

パナソニックの最新IHクッキングヒーター。大型の「IH&遠赤 Wフラット ラクッキンググリル」を搭載するのが特徴。

◆「巣ごもり」でリフォーム需要も増加

 コロナ禍による巣ごもり需要は、さまざまな家電の買い替え、買い足しを後押ししている。 家でご飯を食べる内食が進む中、この機に自宅をリフォームするというトレンドも生まれている。そのなかでキッチンのリフォームを考えたときにでてくるのが、ビルドインIHの採用だ。

 IHクッキングヒーターにはガスコンロに比べて熱効率が高く、高火力で調理できる。直火を使わないので安全、そして拭くだけでいいのでメンテナンス性が高いなど、メリットも多い。タイマー設定に加えてオートプログラムを用意する製品も多く、よりスマートに操作ができる。直火を使わないので夏場にキッチンが熱くなることもない。

 今回、記者が参加したパナソニックIHクッキングヒーター説明会の内容から、今後のIHクッキングヒーター市場の動向を考察してみたい。

◆IHクッキングヒーターは2000年代にオール電化で急成長

 日本国内で最初に IHクッキングヒーターが登場したのが1974年のこと。ホテルや飲食店向けの IH調理器「クールトップワゴン」が現在のパナソニックから発売された。

 そして本格的な一般家庭への導入が始まるのが1990年。200V対応IHクッキングヒーターの登場がきっかけだ。

 このころには初のオール電化住宅も分譲されている。そして2000年代にはいると、オール電化住宅が急拡大。

 2002年にはパナソニックが加熱コイルの周波数を30kHzから90kHzにアップさせることにより、アルミのフライパンや銅鍋なども使えるオールメタル対応のIHクッキングヒーターの開発にも成功。その後、日立もオールメタル対応製品を発売している。

 IHクッキングヒーターは使い勝手も向上したこともあり、2011年の東日本大震災まではほぼ右肩上がりでの成長が続いていた。しかし、震災後に、電力会社のオール電化住宅への施策が大きく変わったことや、家庭のインフラを電気だけに依存することのリスクが広がったことにより、普及に急ブレーキがかかる。

 しかし、パナソニックによると、近年は再び需要が伸び始め、年間の総需要が60万台を超えてるまでに復調。販売台数も右肩上がりだという。

◆IHクッキングヒーター復活の理由とは?

 その理由として最も大きいのが2000年代に発売されたIHクッキングヒーターの買い替え需要の到来だ。20年近くが経過して製品寿命を迎えたこと、そして、機能や性能、使い勝手が大きく向上したことも挙げられる。そして、コロナ禍による暮らしの見直しなどで再び注目を集めているという状態だ。

 現在、日本国内のIHクッキングヒーター市場は、パナソニックが過半数のシェアを持ち、日立、三菱電機が追う構造。この3社でほぼすべてを占めている状態だ。

 パナソニックでは200Vモデルの生産開始から30周年になる昨年11月に、グローバルでの累計出荷台数700万台を実現。さらに国内市場だけでなく、グローバル展開を促進していくとしている。

◆IHクッキングヒーター普及の課題

 しかし、IHクッキングヒーターの普及はまだまだ課題が残っている。

 現在の世帯普及率は24.1%(総務省 平成26年全国消費実態調査) とまだ3割を超えていない状態だ。

 これにはガスコンロと比べて導入時の初期コストが高いことや、使い勝手の違いへの抵抗感がある。そこで買い替え需要が高まっているいま、メーカーは買い替えユーザー、そしてガスから切り替える新規ユーザーに向けて様々な提案や、訴求を行っている状態だ。

 IHクッキングヒーターは業務用途で使われていた歴史があるように、火力の面ではガスコンロよりも熱効率がいい。 さらに30年の間に調理性能が向上したのはもちろんのこと、ユーザインタフェースなども改善され、使い勝手もアップしている。

 新規の導入となると、様々なハードルはあるが、最新のIHクッキングヒーターには多くのメリットがある。

 高火力で繊細な温度設定も可能。また、自動調理機能を搭載するモデルも多い。メンテナンス性が高いのもポイントだ。ライフスタイルが大きく変化する中、キッチンの新しい形を考えると、IHクッキングヒーターは選択肢がら外せなさそうだ。

<文・写真/コヤマタカヒロ>

【コヤマタカヒロ】

Twitter ID:takh0120.。キッチン家電を愛するデジタル家電ライター。PCやデジタルガジェットから、白物家電まで幅広いジャンルに精通し、各種ウェブ媒体や雑誌で執筆活動を行う。三女の父でもあり子育て目線での製品紹介が人気。米・食味鑑定士の資格も所有。2019年より家電のテストと撮影のための空間「コヤマキッチン」を設立。

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