両陛下にIOCから“接待要求”の可能性も…五輪前に深まる苦悩

IOCが両陛下に『接待パーティ』を要求する可能性 オスロは過去に接待要求され撤退か

記事まとめ

  • 東京五輪をめぐり、IOCが両陛下に『接待パーティ』を要求してくる可能性があるという
  • オスロ市は過去に、IOC委員と国王の面会と、王室が費用を持つことを要求されたらしい
  • 菅政権は『接待要求』を突き返せないらしく、両陛下は政府の要請を拒否できないという

両陛下にIOCから“接待要求”の可能性も…五輪前に深まる苦悩

両陛下にIOCから“接待要求”の可能性も…五輪前に深まる苦悩

両陛下にIOCから“接待要求”の可能性も…五輪前に深まる苦悩の画像

「科学技術の英知を傾け、人々の絆を強め、連帯を深めることで、人類はこの未曽有の困難を乗り越えることができると信じています」

天皇陛下は6月25日、オンライン開催された国連の「水と災害に関する特別会合」で、出席者たちにそう語りかけられた。26分にわたる講演で、震災の記憶やコロナ禍の教訓を後世に伝える意義などを訴えられたのだ。

最後は「誰ひとり取り残されることなく、健康で幸せな毎日を享受できる社会の構築に向けて、私も皆さんと一緒に努力を続けていきたいと思います」と締めくくれられた陛下。

だが、東京五輪開催に突き進む日本では、“人々の絆”が強まるどころか分断が深まるばかり。都内の感染者数は再び増加に転じ、感染爆発が危ぶまれるステージ4の水準に達した。ワクチンの接種は進み始めたが、五輪ボランティアでさえ接種が間に合っていない。

世界中がコロナ禍にあえぐ中、犠牲を払って強行開催されようとしている五輪。いま日本は、陛下がおっしゃった“誰ひとり取り残されることなく、健康で幸せな毎日を享受できる社会”という理想とは真逆の方向に進んでいないだろうか。

「この講演は、波紋を呼んだ『拝察』発言があった西村宮内庁長官会見の翌日に行われました。五輪開催による感染拡大の懸念を長官を通じて発信されたのは、雅子さまと被災地に足を運ばれたり、水害について研究されたりするなかで培われた“誰ひとり取り残さない”という信念ゆえだったのでしょう」(皇室担当記者)

■“陛下の懸念”に憲法違反との指摘も

だが、国民を第一に考える陛下のメッセージは、一部から強い批判を浴びている。読売新聞は「宮内庁長官発言が波紋『陛下、五輪懸念』政治利用の恐れ」との見出しで、「宮内庁長官が政治に絡む天皇の思いを公にするのは、問題で越権行為」という憲法学者の見解を報道した。

「陛下ご自身も憲法違反との批判を受けることは十分に承知されていたでしょう。それでも、ご懸念を伝えることを決意されたのです。開会式まで3週間を切りましたが、7月3日時点で開会宣言を読まれるかどうかもあいまいなままです。これは異常な事態であり、陛下の強いご意志を感じます。ただ、政府やIOCとの駆け引きはまだ続きます。両陛下の開会式への出席以外にも要人との面会を政府は要請してくるでしょう。とくに語学とコミュニケーションに長けた雅子さまに政権は期待しているはずです」(宮内庁関係者)

海外は陛下の“異例の懸念”をどう見ているのか。海外王室に詳しい多賀幹子さんによると、

「イギリスのエリザベス女王もこれまでは言い訳や文句を言わない姿勢を貫いてきましたが、メーガン妃による王室批判に直面してからは、間違いは正していくという考え方に移行してきています。そういった背景もあってか、今回の天皇陛下の懸念も海外の報道では否定的な捉え方はされていません」

西村長官が「天皇の政治利用」などと批判を受ける一方で、菅総理は皇室利用に躊躇がない人物として知られている。

’13年9月、東京五輪の招致を目指していた安倍政権は、高円宮妃久子さまのIOC総会出席を要請。宮内庁は安倍政権からの要請に応じたものの、「皇室の政治利用になる」との懸念も強く、当時の風岡典之長官は「苦渋の決断をした。両陛下(現在の上皇ご夫妻)も案じられていると拝察する」と発言した。風岡長官は西村長官と同じく、「拝察」という言葉で上皇ご夫妻のご懸念を伝えたのだ。

■IOCが皇室に“接待パーティ”要求も

これにかみついたのが、当時官房長官だった菅氏だった。菅氏は「両陛下の思いを推測して言及したことについては非常に違和感を覚える」と風岡長官に色をなして反論。「皇室の政治利用、官邸からの圧力であるという批判には当たらない」と言い切った。

「このとき久子さまを東京五輪招致の“切り札”としたように、菅総理は今回も五輪を成功させるべく陛下、そして雅子さまの全面協力を要求してくるかもしれません。さらには、IOCが皇室の“おもてなし”を求めてくる懸念もあるのです」(前出・宮内庁関係者)

ノルウェーのオスロ市は、’22年冬季五輪の招致レースを途中で撤退している。その原因が、IOCが要求した“豪華接待”だったとされる。

地元紙によれば「空港でIOC会長の歓迎レセプションを行う」「各委員のホテルの部屋に季節の果物と菓子を届ける」「会場のラウンジにワインとビールを」といった“VIP待遇”を求める内容ばかりだったというのだ。

さらには「IOC委員は開会式前に国王と面会。式後のパーティ費用はノルウェー王室かノルウェーの組織委員会が持つ」との要求も。

「菅政権はIOCの言いなり状態。ノルウェーと同様の“接待要求”をされて、突き返すことができるとは思えません。それでも両陛下は、政府からの要請を原則として拒否することはできません。これ以上、陛下が政府の姿勢に反するような発信をすれば“憲法違反”との批判を浴びることは免れません。一方で政府に従えば“国民への裏切り”と受け取る人もいるでしょう。陛下は非常に難しい立場に置かれていますが、雅子さまは最後まで陛下とともに、批判の矢面に立つご覚悟を決めていらっしゃるそうです」(前出・宮内庁関係者)

陛下とともに、雅子さまも悲壮な覚悟で臨まれる五輪。前例なき闘いの行方は――。

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